土器土器体育祭

委員会対抗リレー



汗を流し帰ってきた上野を労る俺と遠坂。

「やっぱ選抜組は速かったな」
「うん、でも楽しかった!」
「かっこよかったよ。ね〜、柴君」
「な。かっこよかったぜ。普段からああやってキリッとしとけよ」
遠坂と俺の言葉に、えへへ〜と緩ませていたが、キリッとしとけ、と俺が言った途端に目力を込めてキリッとするのに吹き出した。

それはもうキメ顔なんだって。

周りを見回し、小森くんは?とテントに居ない人物に気付いたらしい。
いつもだったら騒いでいただろうから気付くのも当然か。
「次の競技のこと、思い出してみろよ」
「あ、そっか」
すぐに理解した上野。

そう。
次の競技であり、保護者が見守る本日最後の競技は、委員会対抗リレー。

これは別に応援する人が出るわけでもないので特に追わなかったが、やっぱりというかなんというか。顔が良い人が多いらしく大盛り上がりだった。

ちなみに生徒会で選抜に木雨が居たが、そこまで速くなくてとても親近感を抱きました。
なんでお前走ったんだ?

白崎は速かった。
見た目可愛い寄りなのにかっこよかった。
なんなら記念に写真も撮っておいた。
あとでラインしようと思う。

競技が全て終わり、校庭に集合の放送がかかるとようやく小森が帰ってきた。
その顔は満足そうだった。
良かったな。

「良いの撮れたか?」
「僕の腕と会長様の顔が完璧だったからね。そもそも会長様自体完璧だからどの写真も良い写真に決まってるだろう」
一息に言うな。息継ぎしろ。
「そっか!良かったねぇ」
上野は思考が止まっているらしい。

いや、俺の心が…狭いのか…?

思わず自分の気量のことを考え込んでいると遠坂に校庭に向かうように促された。

そうだった。



「点数の結果発表だ〜!」
「正直どっちでもいい」
「どうなんだろうね?点数の配分分からないし」
「ぐっ…上野くんに焼肉食べて欲しい…でも完璧だった会長様にも勝って欲しい…。」
29/76ページ