土器土器体育祭
4
コミュ力の塊の鮎にどう断ってやろうかと考えながらクラスのテントに向かっていると、上野と遠坂が向かってくるのが見えた。
「柴ぁ〜遅いよ!あと、お疲れ様!」
「柴君お疲れ様。まさかあそこで彼に見つかるとは思わなかったけど、大丈夫?」
「上野も遠坂もサンキュ。全然大丈夫じゃない」
俺の返事で困ったように笑みを見せる遠坂に同じように笑い返した。
小森は?と聞くと、行き違いにならないようにテントで待ってると答えてくれたので、3人でテントに向かうことにした。
並びが右側に遠坂、左側に上野だ。
「それであの時の騒ぎの例の子があの子だったの?」
上野が聞いてくるのに頷く。
「名前読み上げられるとは思ってなかった。でもそれでバレたんだと思う。すげぇびっくりした」
「確かに」
クスクスと笑う遠坂。
「名前が聞こえた途端にあの子がクラス席の最前まで出てきてね〜…ちょっとした騒ぎだったよ」
想像付くわ。
「クラスのみんな柴の下の名前聞いてびっくりしてた!あと小森くんは頭抱えてた」
へえ?
小森の反応は意外だった。
心配してくれたのか。ちょっと嬉しい。後で揶揄ってやろうか。
…いや、俺は自分の身が可愛い。やめよう。
「あ、そうだ」
さっきまで考えていたことを2人にも伝える。
例の鮎が昼食一緒になるかもしれない。
そう言うと、「おれは柴のいとこくん気になるし話してみたい!」「僕も特に問題ないよ」…らしい。
気を…使わなくていいんだぜ…?
そんな雰囲気が全く感じなかったからその言葉は言えませんでした。
あとは小森次第だった。
お前なら…お前なら………。
「いいよ」
「だろうな」
椅子の上で携帯を触りながら足を組んで俺達を待っていた小森さん。聞くと即決だった。
だろうよ。
予想のついた返答に項垂れた。
「だろうなって何」
「あれ?嫌だったの?柴君、やめとく?」
気を遣ってくれる遠坂。
「なんか、その…嫌っていうか、元気過ぎるというか。…勢いが凄い奴だからエネルギー吸収されるというか」
目を泳がせて言葉を選んだものは、歯切れが物凄く悪かった。
「苦手?」
小森がバッサリと聞いてくる。
あー…。
「…関わってこなかったタイプだからちょっと…?」
ふーん。とだけ言って、俺を見上げた後すぐに立ち上がり歩き出した小森に倣って俺達もその場を移動する。
「柴が嫌ならやめとく?」
「別に僕もそれでいいよ」これからもチャンスはあるし。
上野に続いて言った小森の発言。
不穏だな?
チャンスってなんだ。
視線を感じて遠坂の方を見ると、穏やかに笑っていた。
「僕も、皆と一緒だよ。気にしないで」
優しい言い方にじんわりする。
3人の言葉を受け、伝える内容を心に決めてラインを開く。
まっさらなトーク画面に文字を打ち込もうとキーボードをタップした時だった。
シュポン
『鮎です!』
シュポン
『お昼一緒に食べよ!』
すまんな。
止まっていた指を動かそうとする。
シュポン
『それで、さっき理沙さんにさっきのことを話したんだけど、』
手が止まる。
シュポン
『ユズに彼氏?!上野くんじゃなくて?!!ってめっちゃ荒ぶっててワロタ』
シュポン
『てかそんな候補いるのゆずきくん!?めっちゃ話楽しみにしてる!』
シュポン
『あ、あと場所だけど、俺のクラスBクラスで友達以外誰も居ないからここで食べよ!』
シュポン
『待ってます!』
…………。
………………。
スタンプを選んで、タップ。
「よし!お前ら!1年Bクラス行くぞ!!」
「え?」
俺の発言に驚く3人を置いて早足で教室に置いてある弁当を取りに向かう。
これは早急に誤解を解く必要がある。
強めに。
文面じゃダメだきっとこういう奴は。
「クソッ」
「あれ?行くの?どうしよ、なんか、涙目だったけど…。」
「まあ…僕達も一緒だし、何かあったらフォローでもしよっか?」
「馬鹿」
コミュ力の塊の鮎にどう断ってやろうかと考えながらクラスのテントに向かっていると、上野と遠坂が向かってくるのが見えた。
「柴ぁ〜遅いよ!あと、お疲れ様!」
「柴君お疲れ様。まさかあそこで彼に見つかるとは思わなかったけど、大丈夫?」
「上野も遠坂もサンキュ。全然大丈夫じゃない」
俺の返事で困ったように笑みを見せる遠坂に同じように笑い返した。
小森は?と聞くと、行き違いにならないようにテントで待ってると答えてくれたので、3人でテントに向かうことにした。
並びが右側に遠坂、左側に上野だ。
「それであの時の騒ぎの例の子があの子だったの?」
上野が聞いてくるのに頷く。
「名前読み上げられるとは思ってなかった。でもそれでバレたんだと思う。すげぇびっくりした」
「確かに」
クスクスと笑う遠坂。
「名前が聞こえた途端にあの子がクラス席の最前まで出てきてね〜…ちょっとした騒ぎだったよ」
想像付くわ。
「クラスのみんな柴の下の名前聞いてびっくりしてた!あと小森くんは頭抱えてた」
へえ?
小森の反応は意外だった。
心配してくれたのか。ちょっと嬉しい。後で揶揄ってやろうか。
…いや、俺は自分の身が可愛い。やめよう。
「あ、そうだ」
さっきまで考えていたことを2人にも伝える。
例の鮎が昼食一緒になるかもしれない。
そう言うと、「おれは柴のいとこくん気になるし話してみたい!」「僕も特に問題ないよ」…らしい。
気を…使わなくていいんだぜ…?
そんな雰囲気が全く感じなかったからその言葉は言えませんでした。
あとは小森次第だった。
お前なら…お前なら………。
「いいよ」
「だろうな」
椅子の上で携帯を触りながら足を組んで俺達を待っていた小森さん。聞くと即決だった。
だろうよ。
予想のついた返答に項垂れた。
「だろうなって何」
「あれ?嫌だったの?柴君、やめとく?」
気を遣ってくれる遠坂。
「なんか、その…嫌っていうか、元気過ぎるというか。…勢いが凄い奴だからエネルギー吸収されるというか」
目を泳がせて言葉を選んだものは、歯切れが物凄く悪かった。
「苦手?」
小森がバッサリと聞いてくる。
あー…。
「…関わってこなかったタイプだからちょっと…?」
ふーん。とだけ言って、俺を見上げた後すぐに立ち上がり歩き出した小森に倣って俺達もその場を移動する。
「柴が嫌ならやめとく?」
「別に僕もそれでいいよ」これからもチャンスはあるし。
上野に続いて言った小森の発言。
不穏だな?
チャンスってなんだ。
視線を感じて遠坂の方を見ると、穏やかに笑っていた。
「僕も、皆と一緒だよ。気にしないで」
優しい言い方にじんわりする。
3人の言葉を受け、伝える内容を心に決めてラインを開く。
まっさらなトーク画面に文字を打ち込もうとキーボードをタップした時だった。
シュポン
『鮎です!』
シュポン
『お昼一緒に食べよ!』
すまんな。
止まっていた指を動かそうとする。
シュポン
『それで、さっき理沙さんにさっきのことを話したんだけど、』
手が止まる。
シュポン
『ユズに彼氏?!上野くんじゃなくて?!!ってめっちゃ荒ぶっててワロタ』
シュポン
『てかそんな候補いるのゆずきくん!?めっちゃ話楽しみにしてる!』
シュポン
『あ、あと場所だけど、俺のクラスBクラスで友達以外誰も居ないからここで食べよ!』
シュポン
『待ってます!』
…………。
………………。
スタンプを選んで、タップ。
「よし!お前ら!1年Bクラス行くぞ!!」
「え?」
俺の発言に驚く3人を置いて早足で教室に置いてある弁当を取りに向かう。
これは早急に誤解を解く必要がある。
強めに。
文面じゃダメだきっとこういう奴は。
「クソッ」
「あれ?行くの?どうしよ、なんか、涙目だったけど…。」
「まあ…僕達も一緒だし、何かあったらフォローでもしよっか?」
「馬鹿」