土器土器体育祭
一方〜神庭 慧〜
呼び出してきた親衛隊ってヤツのことは嫌いだけど、シュンとかハルが生徒会の仕事サボってるって言ってて、信じられなかったけど聞いたらホントだったから怒った。けど、すぐに仕事して今体育祭できてるんだから良かったぜ!オレのおかげだよな!
そう考え、内心誇らしく鼻高々な神庭はBクラスのテントから周囲を見渡した。
探しているのはZクラスの友達である赤威 牙琥人(アカイ ガクト)。
入学当日に校内で迷っている際に出会い、見た目への偏見や恐れを知らない神庭の様子に好意を持った赤威は、困っていた神庭を寮部屋へ迎え入れ、それ以降行動を共にしていた。面倒くさがる赤威に体育祭に出るように伝えたところ「しょうがねーな…ケイがそこまで言うなら…。」と赤い顔で言っていたが、本当に来ているか神庭は心配だった。
周囲を伺うことを止め、見るからに不良が集っているZクラスのテントを手を地面から平行に額に当てて見つめること数十秒。
あっ!と声を上げる神庭。
不審そうにクラスメイトから見られていることを気にも留めず大きく両手を振った。部屋でよく見慣れた派手な赤髪がテントの隅でつまらなそうに腕を組んでいるのが見えたのだ。それに気付いた知らないZクラスの生徒が何人か馬鹿にしたように話しているのが見え、その話し声で気付いたらしい赤威は神庭の方に視線を向けると嬉しそうな顔をして腕組みを解いた。が、神庭に頷いた後すぐにまた仏頂面に戻って片手をズボンに突っ込んで携帯を弄り出した。
ちゃんと来てるじゃねぇか!と、大きめの独り言を話す神庭は、赤威の反応に気を悪くするわけでもなく、言った通りに来ていた赤威を見つけたことが嬉しかったようだ。
直後、神庭のポケットから通知音が。ポケットに手を入れ、音源である携帯を取り出すと、先程手を振った相手である赤威からだった。
『あとで』
そう一言だけだったが、気を良くした神庭は隣にしゃがみ込んでいる生徒の肩を強く何度も叩いた。
南部だ。
青々と地面を照らす日差しに死んだ顔をしていることに、青空が大好きな神庭は気付くことはない。
「ほら見ろよカズ!ガクト来てるぜ!」
「そうですか」
1ミリも好意的に感じたことが無くどうでもいい南部は死んだ目のまま小さく相槌をうった。
「障害物競走楽しみだぜ!」
「早く帰りたい…早く帰りたい…。」
呼び出してきた親衛隊ってヤツのことは嫌いだけど、シュンとかハルが生徒会の仕事サボってるって言ってて、信じられなかったけど聞いたらホントだったから怒った。けど、すぐに仕事して今体育祭できてるんだから良かったぜ!オレのおかげだよな!
そう考え、内心誇らしく鼻高々な神庭はBクラスのテントから周囲を見渡した。
探しているのはZクラスの友達である赤威 牙琥人(アカイ ガクト)。
入学当日に校内で迷っている際に出会い、見た目への偏見や恐れを知らない神庭の様子に好意を持った赤威は、困っていた神庭を寮部屋へ迎え入れ、それ以降行動を共にしていた。面倒くさがる赤威に体育祭に出るように伝えたところ「しょうがねーな…ケイがそこまで言うなら…。」と赤い顔で言っていたが、本当に来ているか神庭は心配だった。
周囲を伺うことを止め、見るからに不良が集っているZクラスのテントを手を地面から平行に額に当てて見つめること数十秒。
あっ!と声を上げる神庭。
不審そうにクラスメイトから見られていることを気にも留めず大きく両手を振った。部屋でよく見慣れた派手な赤髪がテントの隅でつまらなそうに腕を組んでいるのが見えたのだ。それに気付いた知らないZクラスの生徒が何人か馬鹿にしたように話しているのが見え、その話し声で気付いたらしい赤威は神庭の方に視線を向けると嬉しそうな顔をして腕組みを解いた。が、神庭に頷いた後すぐにまた仏頂面に戻って片手をズボンに突っ込んで携帯を弄り出した。
ちゃんと来てるじゃねぇか!と、大きめの独り言を話す神庭は、赤威の反応に気を悪くするわけでもなく、言った通りに来ていた赤威を見つけたことが嬉しかったようだ。
直後、神庭のポケットから通知音が。ポケットに手を入れ、音源である携帯を取り出すと、先程手を振った相手である赤威からだった。
『あとで』
そう一言だけだったが、気を良くした神庭は隣にしゃがみ込んでいる生徒の肩を強く何度も叩いた。
南部だ。
青々と地面を照らす日差しに死んだ顔をしていることに、青空が大好きな神庭は気付くことはない。
「ほら見ろよカズ!ガクト来てるぜ!」
「そうですか」
1ミリも好意的に感じたことが無くどうでもいい南部は死んだ目のまま小さく相槌をうった。
「障害物競走楽しみだぜ!」
「早く帰りたい…早く帰りたい…。」