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【ねぇ、もっと、頂戴?】

彼女は甘いものが好きだ。甘くて柔らかな魔法はきっと彼女そのものをそう仕上げたのだろう。触れただけでもその味が分かる。絡めて転がして、もっと、もっと。漏れる吐息すら蜜のようだ。
頬張るほどに、味わうほどに、まだ足りない、もっと欲しくなる。嗚呼、いっそ、食べ尽くしてしまおうか。
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