湯腹も一時
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(尼鹿/いさごにこがね)
一握りの中に混じった砂金の如くまるで無垢だった。混じり気のないそれを俺の手で染めてやりたいと思った。澄んだ天色の瞳も、柔い琥珀の髪も、砂塵を晴らす朗らかな声も。全部染めてしまえと手元に置いた。
「晴様、ずっとお側に置いてくださいね」
こいつは分かっているのか、いないのか。あぁ、染められてんのはこっちの方だな。
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