すばらしきこのせかい

シキの願い




5日目か…。今日も何とか乗り切らなくちゃな。




なのに…、こいつ何考えてんだ?

ミッションは出たんだ。

それなのに、シキの奴。

何か考え込んでる。




「おい、行くぞ。」

「…ネク?」

「…なんだよ。」

「今更なんだけどさ、しかもこんなことネクに言うのもどうかなって感じなんだけど…」

「…そう思うなら後にしろよ。ミッションが先だろ?」

「じゃあ、そう思うのやめるね。で、思ったんだけど…」

なんだよ、ソレ。

「このタイマー痛いよね、付く時。」

「…ん、ああ。痛いな。」

「なんか、理不尽じゃない?」

「それはそうかもしれないが…」

「そう! 理不尽なの! 考えてみて?」

あ、なんかテンション上がりやがった。

「私たち、すんごくリスクが多いよね!? 毎日のミッションがこなせなきゃ消滅。7日間生き延びなきゃ消滅。ノイズと戦って負けたら消滅。その上、死神の妨害もあったりしてさ!?」

それはそうだけど。

「リスクは承知の上での参加だろ? それでも帰りたいから…」

「承知は承知でも、多くのリスクを背負ってるのは事実でしょ!?」

「あ、ああ…」

「だから、こんなことで痛み与えなくてもいいじゃない!って思わない!?」

「…まあ、な。」

っと、いけない。ペースに飲まれてる。

「でも、今日のミッションは出たんだし、後2回我慢すれば済むだろ? 大体、そんなこと話し合っても意味ないじゃないか。」

「後2回も、確実に痛みを与えられるんだよ!? ヤじゃない!?」

「最後まで生き残ればこんなゲームとはおさらばだろ? だから、早くミッションを…」

「…ふーん。」

「な、なんだよ。」

なんか、シキの顔が意地悪いぞ?

「…そっか、ネクって、そっちか。」

「は?」

「Mなんだ。」

「は!?」

「実は毎日タイマー付くの、楽しみにしてたんでしょ。」

「んなわけあるかよっ!」

断じて無いぞ!

「『ああ、今日ももうすぐミッションが来る。ドキドキ、ワクワク』」

「バカだろ! お前! もう行くぞ!」

くだらない悩みは放って置こう。







「おいっ!! シキ!! 分かってるのか!? 今ノイズと戦ってんだぞ!?」

「うーん、やっぱり納得できないのよねー。」

まだなんか考えてるしっ。

「戦えって!! お前が考え込んでるせいで、そのブタ動いてないぞ!!」

「ブタじゃない! ニャンタンは…………ニャンタン! そうだ! いいこと考えた!!」

「え!? おい!」

どこ行く気だー!!

「ネク、あとはよろしくっ♪」

こらっ! よろしくじゃないだろ!?

「待てよっ!! パートナーがいないと…」

わっ!! やばいっ!!

シキを追わないと…ってか、逃げないとー!!




あ、居た。

なんか、あの女死神に話しかけてるし。

「はあ!? だからなんだってのよ!」

シキの奴、お祈りでもするみたいに手を合わせてる。

「だからぁ、タイマーをこのニャンタンの手に付けて欲しいの。お願い!」

「そんなこと知らないわよ。私たち死神にはそんな権限ないし、第一能力だって。」

「じゃあ、偉い人にかけあって。」

「あんたバカ? なんで私があんたのためにそんなことしなくちゃなんないわけ?」

「ええー!? お願いーお願いしますー! きれいなお姉さーん。」

こいつは…もう…

「おいっ! シキ!」

「あ、ネク。」

「『あ、ネク。』じゃないだろ! お前がどっか行ったせいで、やられるとこだったんだぞ!」

「ネクも一緒に頼んでよ。ニャンタンの左手貸してあげるから。」

無視かよっ!!

死神もあきれてるし。

当然だけど。

「ねー、お願いー、お願いしますー。ラーメンおごるからー。ねー、ねーってばー。」

あ、怒ってるぞ。あの死神。

「………」

「ねー、ねー、ねー、ねーってばー!」

シキ、そのくらいでやめないと、やられるぞ。

「ねー、ねー。」

「(怒)…後たったの2回でしょうがっ!! 我慢しなさいっ! 大体今日のミッションはどうしたのよっ! くだらないこと言ってないで、さっさとミッション終わらせに行きなさいっ!!」

「…はーい…」

ピシッと指差されて、やっと諦めたか…いや、怖かったから引いただけかも…?



とにかく、やっとミッションに集中できる。

今日のところは、あの死神に感謝だな。








おまけ






「……もしもし、卯月サン?」

「何よ。気持ち悪いから、サン付けで呼ばないでよ。」

「…今、お前、参加者にハッパかけたよナ?」

「はっ!?」

「『ミッション終わらせに行きなさい』なんて、言っちゃったよナ?」

「し、しまった!!」

「それって、死神としてどうよって感じ、ダロ?」

「あ゛あ゛~!!」

「あのまま足止めすれば、消滅させられたノニ。」

「私としたことがぁ~!! つい、うっかりー!」

「ま、俺はそんなうっかりな卯月も好きだけどネ。」

「なっ! 何言っちゃってんの!?」

「ン? ちょっと、告白ってミタ。」

「コ、コ、コク、コク…」

「何? 頷いてんノ? それとも、明日の時間割りカ? 古典、古典、国語、国語…どんだけ国語好きなんダヨ。」

「ち、ちがっ。」

「地理、地学。知らなかったな~、お前意外と勉強好きナンダ。」

「違うって言ってんのよっ!」

「じゃあ何? 五段活用でもしたいノカ? やっぱ国語が好きナンダ。」

「違うわよっ!!」

「告白ル、だから、告白らない、告白ります、告白る、告白るとき、告白れ…。ら・り・る・る・れ…で合ってるカナ?」

「知らないわよっ!!」

「教えてヨ。国語が好きな卯月チャン。」

「あんたねー!!(怒)」

「じょーだんダヨ。」

「えっ!? なに!? どれが!?」

「ゼンブ。」




「ウキ────!!」
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