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●流れ星












*・゜゚☆・*:.。..。.:*・'☆・*:.。. .。.:*・゜゚・*

「あ!イノちゃんっ見た!?」

「えー、ナニ?」

「流れ星‼ 今、あそこの屋根のとこ」

「マジで?あ、そういえば今、流星群が近いって…」

「あ!またっ‼」


うちに遊びにきてる隆ちゃん。今夜は泊まり。
夕飯を食べて寛いでいたら、アイス買いに行こう!と言い出した。
ちょうどコーヒー買いたかったから、冬の寒空の下、2人で近所のコンビニへ。

買い物をして、その帰り道、隆ちゃんが流れ星を見つけた。
夜道だから、いつもより控えめに隆ちゃんの声が弾む。でもめちゃくちゃ嬉しそうなカオしてる。

つられて口角が上がるのを自覚しつつ、指差す方向に目を凝らした。


……スー…。。。。。
ホントにあっという間に流れて行った。


「見た?」

「うん、でもやっぱ速すぎて、願いなんて3回も言えないね」

「…うーん、そうだねえ、」

言いたい願いでもあったのか、難しい顔して考え込んでいる。

しばらく唸っていた隆ちゃんは、急にパッと顔を上げると、ちょうど良いタイミングで落ちて来た流れ星に向かって。


「いいいいっ!× 3 ‼」

何を言ったのか良く分からなくて、ポカンとする俺の横で、隆ちゃんは大変満足そうだ。

「言えたっ!これで、願い叶うね!」

「え、ちょっと隆ちゃん。× 3は分かるけどさ、いいいいってナニ?」

「え~?わかんない?」

「わかんないよっ」

素で本当に分からないって反応の俺に、隆ちゃんはさっきみたいに、めちゃくちゃ嬉しそうに微笑んで囁いた。

「いのちゃんと・いつまでも・いっしょに・いたい」

「ーーーーーーーー……。」

「…願い叶うね?」

そう俺の目を真っ直ぐに見て言った隆ちゃんは、不安と期待が見え隠れしていて、無理に微笑んでいるように見えたから。
おもいっきり、抱きしめた。

「そんなのさ。願わなくたって、離さないから」

「っイノ、」


そっと触れるだけのキスをする。


「俺も、いいいいっ、だよ?」

「え??」

いのらんは・いつまでも・いっしょに・いるよ。




end



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