round and round (みっつめの連載)
















忘れ去られた灯台は咆える。
強い夜風にあたる時、嵐の時に。








ウォ…オ……ォ……ン…
……オォ…ゥオ…ォ……………






暗い海の向こうから吹き付ける風を真っ向から受けて。
何ものにも遮られずに灯台の肌をすり抜ける風の音は。
寂しげな深海に棲むと言われる、古の竜が永すぎる時を絶望するように。





オ………ォ……ォォ…







今は灯台の下に刻まれる風使いの亡霊達は。
ーーー今もここへ通い続ける隆一も呼んでいるのだろうか?
ーーー自らの決めた道を選ぼとする隆一を叱咤するのか?





おいで…
おいで…

お前も…おいで…


お前も我らと同じ風の者
その一生を空に捧ぐ者

選ぶことなどできぬ


空と共に
空と共に


仲間の名が刻まれた




この灯台を守れ













「ーーー選ぶ事はできない?」









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