round and round (みっつめの連載)












スタジオでパソコンを弄りながら、葉山は傍らのイノランに何気無しに話しかけた。


「ここまでだいぶ順調に進んでますね」

「ああ、隆ちゃんのレコーディングも…あと何曲?三曲かな」

「そうですね。三曲とちょっと…ですかね?」

「ちょっと?」

「はい。別録りのコーラス入れたら、均すとまあ…そのくらいかな、と」

「そっか。…ん、そうだね」



壁に掲げたアルバムリリースまでの大まかなスケジュール表に視線を這わせながら、二人は頷いた。
ーーーだいぶ早いのだ。
進捗状況は、とてもいい。
これなら全ての録りが終わった後の、細かな作業にかける時間がたくさんとれる。要するにそれは、細部まで拘り抜いた作品が作れるという事だ。



「隆一さんが加わって、確実に何か変わりましたね」

「ん?」

「勿論いい方向にです。変化しましたよね。スピードも、新しい世界も。僕たちユニットもそうですし、それに…」


葉山はヘッドフォンで隆一の歌を聴きながら、感嘆の呟きを溢す。



「イノランさんが変化したって、僕は思ってます」

「ーーー俺?」

「はい。…変化というか、進化でしょうかね?こんな歌詞、前までなら絶対書かなかっただろうって言葉も今回書いていますし、それに…」

「ーーー?」

「なんか、いいんですよ。何か?って言われると困るんですけど、イノランさんの雰囲気がずっと幸せそうなんです」

「…なんか俺が今まで不幸せそうだったみたいな…」

「違いますって!〝ずっと〟ってところが重要なんです。ーーーずっと…こう、ふわふわしてて…」

「…マジ?」

「はい、思えば隆一さんが来てからずっとですね」

「…」

「勿論、ふわふわ浮ついてるだけじゃなくて。真剣なところも、落ち込んでいるんだろうなぁ…ってところもあるんですけど。でも上向きな…」

「雰囲気?」

「そうですね。だから今回のアルバム、すごくパワー溢れたものになるんじゃないかなぁって思ってます」



そんな葉山の言葉を受けて。
イノランは隣で飄々と作業を続ける相方をじっと見つめた。
相変わらずの、観察眼。
語るその様子は、決して激情感溢れるものでは無いけれど。
穏やかに、的確に。
今現在の自分達を言い表している。



(…流石だよなぁ)



そしてそんな葉山ですら思わず目を見張ってしまうのが。隆一の存在なのだろう。
変化してゆく、自分達なのだろう。




「ーーー隆の風ってさ」

「え?ーーーはい」

「すげえ、気持ちいいよな?」

「!…はい」



ふたりは。
今はここにいない、ふたりのヴォーカリストを思い浮かべて。
スタジオの窓からの、青く澄んだ空を見上げた。














「おはようございます」



朝のパトロールを終えて。
今日も隆一は空をひとっ飛び、ふたりのいるスタジオに顔を出す。
先にスタジオ入りして作業を進めていたイノランと葉山は、待ってました!とばかりに、隆一を迎え入れた。




「おはよ、隆ちゃん」

「うん!イノちゃんおはよう」

「おはようございます、隆一さん」

「葉山っちも、おはよう!」



おはよう、おはよう。
隆一が現れると、挨拶合戦が始まるのはいつもの事だ。
なんと言うか、晴れやかに挨拶を返したくなる雰囲気が隆一にはあるのだ。
たった今飛んできた青空を、背中に背負った様な爽やかさ。
好きな子にされた挨拶に嬉しくなって、今日も一日良い事がありそう!と、わくわくする感じだ。




「どう?今日は。もう歌える?」

「うん、大丈夫だよ」

「ん!じゃあ、早速録り始めようか」




動き出す空気。
隆一の起こす風は、三人の隙間を器用に巡って。
くるくると空気を混ぜて、綺麗な色が生まれる。




(この雰囲気がそのままアルバムになりそう)



イノランと、葉山と、隆一と。
三人で初めて作るアルバムが。
もうすぐ、その全貌を見せようとしていた。










全ての歌の録りが終わったのは、夕暮れ時だった。
何テイクも録らずに、ほぼ一度目でOKを出していく隆一の歌。
初めて続きのレコーディングにも関わらず、その本番強さと度胸のよさに、イノランも葉山も心から感心していた。

最後に三人であらゆるパターンのコーラスを録音して。こうしてマイクの前での作業は、一応の完了を迎えたのだった。





「隆ちゃん、お疲れ‼ホント、全曲いい歌をありがとう。しかも予想以上に早かったし」

「そう言って貰えて嬉しい」

「三人でのコーラス録りも楽しかったですよね!完成が本当に待ち遠しいです」

「な!」

「うん!」



片付けをしながら頷き合う三人。
壁に掲げたアルバムリリースまでの今後の日程表を見ながら、葉山が言った。




「この後は編曲しながら、徐々にプロモーションも…ですかね」

「ん、そうだね。ジャケット撮影だとかも始まるし、その先のライブの展望も…」

「プロモーション…ーーーライブ?」




ピクンと、隆一の肩が小さく震えたのを、イノランは見逃さなかった。
先程までの、ヴォーカルレコーディング終了の晴れやかな表情は一変。どこか強張っているようにも見える。



「ーーー…」


ーーーその理由を。
イノランは何となくだけれど、察していた。

以前も、隆一はそうだった。
音楽を始めて、新しい世界が開けて嬉しい反面。自分はこの先どうなるんだろう?という怖さと、戸惑い。
ーーーしかしそれは致し方ない事だとイノランは思っていた。誰だってそうじゃないか?…と、思うから。
ならばその時、側にいる。
躊躇い立ち尽くす隆一の手を繋いであげられるのは、自分の役割だと。
イノランはそう考えていた。


ーーーそれから…。

まだ直接隆一の口からは聞いていないけれど。
隆一の心を占める、大切な悩み。
イノランは、灯台の前で出会った三人の言葉を思い出していた。




『ーーー隆さ。迷ってるみたいなんだ』

『自分の在り方。とるべき道』

『それで最近、時折。…無理してんな…とか、考え込んでんな…とか。思う事あって』

『ーーーでも。俺らもさ。結局は相談…とか。そうゆうのしか…できなくてさ』





『ーーー隆は。…お前には、そんな話…する?』






「…俺だってまだだよ」



イノランは、小さく苦笑い。

本当は教えて欲しい。
隆一が抱える悩みや迷いの事を、もっと曝け出して欲しいけれど。力尽くでどうにかなる問題でもない。


これからはどんどん隆に踏み込むよ。
そう、隆一に宣言した。その気持ちにも覚悟にも嘘は無い。
…でもやっぱり…




「一筋縄じゃいかないなぁ…」



それが大切なひとであればある程だ。




「ーーー何が一筋縄じゃいかないの?」

「え?」

「イノちゃん。さっきからぼーってしてる。葉山っちも声掛けてるのに」

「あ、え?あ、ごめん」




ハッと我に帰ると、目の前には不思議そうな二対の目。
ぱちぱちと目を瞬かせて、イノランを見ている。



「…えっと。今日はもう上がりでいいですかね?」

「帰りの準備終わったよ?」

「あ、ああ。」

「どうしたんですか?イノランさん。最大級のぼんやりですけど」

「…最大級…って。…そんなに?」

「ヴォーカルレコーディング終わって脱力ですか?まだ早いですって!ここから拘り抜いての作業が始まります」

「ーーーわかってるよ」

「隆一さんの歌をもっと素敵に彩れるように。頑張りましょうね!」

「ああ」

「うんうん!どんな完成になるか楽しみだね」






お疲れ様でした!
そう言って葉山は初めにスタジオを後にした。聞くところによると、このあと旧友と会う約束があるとかで、その足取りは軽いものだった。



「葉山っち、嬉しそうだったね?」

「古い友達と会うって言ってたもんな。普段会えないヤツと会えるって、やっぱ嬉しいもんだよな」

「うん!俺もその気持ちわかる。真ちゃんっていってね、俺の昔からの親友なんだけど」

「ーーー真ちゃん?…ーーーあ、もしかして空の仲間の…」

「そう。彼は雷鳴使いなの。梅雨時から夏の間だけこの辺に来るんだよ」

「ああ、雨の時期って事か」

「うん。秋から春先まではずっと遠くの国の空にいるの。…だからいつでも会える訳じゃない。優しくて大らかで、大好きだから、寂しいんだけどね?」

「…そっか。先日俺が灯台で出会った三人の内のひとりだよな?」

「そうだよ。雷鳴の真ちゃん、光のスギちゃん、雲のJ君。…みんないいひとだったでしょ?」

「ああ。みんな隆の事が好きなんだなって思った」

「え?」

「隆が好きでほっとけなくて、心配でって。そんな感じがバシバシ伝わってきたよ」

「っ…ーーー」

「だから実はあの日あの場所で隆の争奪戦を…」

「え…ええっ…⁉」

「ーーー…ってのは冗談だけど」

「っ…!!?!?」

「いやいや。ごめんなさい。嘘です!もう言いません!」

「ーーーーーっ…もぅ…」

「いやでも、争奪戦は冗談だけど。宣言はしたよ?俺」

「ーーーえ…?」

「隆の事が好きだからって。躊躇わないで、隆に踏み込むって言ったよって」

「ーーー」

「ーーー難しいけどさ。踏み込むって。…隆の心ありきの問題だから、土足でズカズカってわけにはいかねえじゃん?」

「ーーーーー…うん」

「どうしたら隆も構えずに、俺に曝けてくれるか。俺の独りよがりじゃ意味が無い。隆と一緒にってとこが重要なんだよ」

「ーーー」

「だから一筋縄じゃいかないって。さっきのに繋がるわけ」

「ーーー…そうだったんだ」

「うん」

「ーーーふぅん?」




隆一は、顔をそむけてしまう。
照れくさかったのかもしれない。
これ程までに自分の事を考えて想ってくれる、イノランを目の前に。




俺たちも飯でも食って帰ろうか。
スタジオを出て、暗くなり始めた空を見上げながらイノランが言った。
隆一はひとつ返事で頷くと、イノランの横に並んで歩く。
こうしてイノランと歩く事に、隆一はずいぶんと慣れてきたと思う。



「ーーー…」



まだ詳しくはない、ひとびとの街。
暗くなって、昼間の雰囲気は一変。
街路樹と街灯の続く、落ち着いた雰囲気が広がる。

手を繋いで歩くカップル達。
仲間と笑い合う、会社帰りのひとや学生の姿。
夕食時の空腹を抱えるひとびとを誘う、レストランからの食欲そそる香り。



ーーーひとびとの暮らし。

ーーーひとの、世界。



隆一は、そんな光景に見惚れながら。
イノランの隣を歩く。



「隆?」

「っ…え?」

「ーーーどした?」

「…あ」

「腹減った?」

「…っ」

「旨い店、行こうぜ?」

「ーーーうん」



ぼんやり、心ここに在らずだったのだろう。
そしてその隆一の心境を、イノランは知っているのだろう。



ーーーここにいるよ?



イノランの、そんな声が。
隆一には聞こえた気がした。











夕飯を終えて、夜の道を歩く。



食事の時から、二人はよく話していた。
今日のレコーディングの事。音楽の事。古い友人と、今頃酒でも酌み交わしているだろう葉山の事。
弾む会話は途切れる事が無く。
店を出てからも、街灯が優しく灯る夜の道を歩きながら。

会話に夢中だったのかもしれない。
気付くと二人は、店舗の並ぶ街並みを越えて。パッと拓けた広い都内の広場。
イチョウやポプラの樹々が並び、そこにぐるりとベンチが置かれた公園。
昼間なら散歩をするひとで賑わいそうなこの場所。

でも今は、ひとも疎らなこの場所。

オレンジ色の丸い街灯がぽかぽかと辺りを照らす、夜の公園。
そこに、二人は立っていた。




「…誰もいないね」

「そりゃ、そうだよな」

「ーーーうん」

「…つか」

「ん?」

「いつの間にか、ここまで歩いてたな」

「っ…!ーーーそうだね」




いまさら気が付いた事実に。
二人は顔を見合わせて笑い合う。

会話に夢中で。
二人して行き先に気付いて無いなんて。
それが楽しい二人の時間を過ごしている、何よりの証拠に思えて。
くすぐったくて、可笑しくて。
溢れ出した笑みは止まらない。




「好きな事してるとあっという間に時間も流れるって、ホントだな」

「ね!イノちゃんとだからだね」

「ホント?」

「ホント!イノちゃんといられるのが嬉しい。一日の終わりに別れるのが寂しいって思うし…。」

「ーーー隆ちゃん…」

「…ね、イノちゃん」

「ん?」

「…もし…良かったらなんだけど。前みたく、飛んでみない?」

「え?」

「夜の空中散歩。イノちゃんにまた美味しいご飯ご馳走になっちゃったから、俺もお礼がしたい。ーーーすごく、綺麗な景色が見られる場所があるんだ」

「見てみたい!」

「うん!今夜は天気も良いし、きっと最高だと思うんだ。…だから、どう?」

「行きたい、喜んで!前に空に連れてってくれた時も、めちゃくちゃ楽しかったし」

「良かった!じゃあ、行こう」

「ああ」




拓けた人通りの少ない時間で良かった。
背の高いポプラの木の陰に身を潜ませた二人。
隆一はイノランの手を繋ぐと、ちょっと真面目な顔で言った。




「前も言ったと思うけど、俺の手…」

「忘れて無いよ。手ぇ離すと、俺真っ逆さまなんだろ?」

「うん。絶対離さないでね?」

「離さねえよ」

「っ…うん!」

「ーーー離さない」

「ーーー…っ、」



真っ直ぐに見つめられて、繋いだ手にぎゅっと力を込められて。
隆一の心臓がどきんと跳ねる。
落ちないように…の意味だったのに。
イノランの言う〝離さない〟には、別の意味も込められている気がして。

隆一は咄嗟に視線をずらすと、その意味には気付かない振りをして空を仰いで言った。




「行くよ!」

「ああ!」





トン。…と、地上から離れた足先は、まるで天から引かれるように上昇する。
空気のクッションに乗っかったみたいな浮遊感。あっという間に高度が上がって、真下にはたった今までいた街の灯りが散っていた。




「ははっ…ーーーやっぱ、すっげえ!」

「怖くない⁇」

「全然!ーーー寧ろ」

「ん?」

「最っ高‼」

「っ…ーーー良かった‼」




顔を合わせて、笑って頷き合って。
隆一が指し示すのは、海岸線のその先だった。
遠くの方に、ぽつんと小さな光りが回っている。





「ーーーあれ、灯台か?」

「うん」

「隆の家の…ーーーとは、位置がちょっと違う…ような?」

「そう。あれはもうひとつの灯台」

「え?ーーーもういっこあんの?」

「ーーー古い灯台なんだけど、その周りは余分な灯りが本当に無いところだから、すごいんだ」

「ーーーえ?」

「星が、すっごくよく見えるの」

「ーーー星!」




ーーー確かに。
その灯台の近くに行くにつれて、それまでは点在していた民家や店舗や道路の明かりが見えなくなった。それはその灯台の在処が、完全に海と森のみに囲まれている事を示していた。




「ーーー降りるよ」

「うん」



辺りは真っ暗で、降りると言われても、イノランにはどこが地面なのかが見当もつかない。
隆一に手を引かれて、高度がぐんと下がる。暗闇の中でなんとか目を凝らすと、ちょうど真隣辺りに木々が見える。ーーーという事は、そのくらいの高さにいるのかと、イノランは心の中で頷いた。




トン。

地面に降り立つ軽やかな振動が伝わって。隆一とイノランは真っ暗な地上に着いた。
ーーーこうして見ると、隆一の家の前の灯台付近とは暗闇の度合いが違って見える。本当に余分な明かりが無い。
唯一の明かりは、真上で静かに回る灯台のオレンジの灯だけだ。




「足元気を付けてね」

「ああ」




降り立っても、繋いだ手はそのまま。
こっちこっち、と言うように隆一に手を引かれて、イノランはその後に続く。
暗くて灯台の外壁の様子なんかはわからないけれど、間近に寄って初めて、煉瓦で出来ているのだとイノランにはわかった。



「鍵開ける。ちょっと待ってね」



シャラ。



隆一は首からかけている革紐に繋がれた鍵を取り出す。そこに付けられたイノランがプレゼントしたクリスタルが、灯台の明かりを受けてチカチカと光った。




カチャ。

ーーーギィ…





「ーーー暗いから気をつけて。螺旋階段があるの」

「ん、わかった」




イノランは隆一の後に続いて、階段を登る。
コツン、コツンと。
静かな灯台内部に靴音が響く。




「ーーー俺、灯台の中って初めてだよ」

「そっか。ーーーこの灯台はすごく古いんだ。俺の家の前の物より、もっともっとね」

「確かに、これは煉瓦で出来てるみたいだもんな。隆の家の前のは白くてーーー」

「そう。これは外壁も潮風で風化してる所もあるんだ。ーーーホントはね?無くても困らない灯台なんだけど」

「え?」

「ーーー大事…ってゆうか。俺たち風使いが、ずっと守ってきた灯台なんだ。前の前の風使いも、ひとり前の、俺のおじいさんも」

「…おじいさん?ーーーあ、漢方薬のおじいさん?」

「ふふっ、イノちゃん面白い覚え方!ーーーそうだよ、俺のおじいさん。今はもう、ひととして暮らしてる筈のおじいさん」

「ーーーーーひととして…?」





カツン。



「着いた。ここが一番上の部屋」

「ーーーここ?」

「ここに大きな窓があるんだ。今開けてみるから、いい?ーーー空、すごいよ」




木製の窓を開ける音がした。
ガタ、ガタン。ーーーキィ。




「イノちゃん、こっち。ーーー来て?」




隆一に手招きされて歩み寄る窓際。
古くなった木枠の窓から空を覗いたイノランはーーーーー





「ーーーーーっ…うわ…」


「すごいでしょ?」




「っ…す…げ」




思わず息をのんだ。
その窓からの景色に。
濃紺の夜空に散らばる星々に。
こんな星空を見た事があっただろうか?





「…すごい。ーーーすっげえよ、隆」

「うん!」



まさにこれが満天の星空なんだと思った。
窓を開け放つ前の暗い室内とは比べものにならないくらいだ。眩しい程の星明かりが差し込んで、部屋の中は明るい青の空間に姿を変えた。


隣を見ると、穏やかな微笑みを浮かべている隆一。
ーーーその微笑みと、この場所に招かれた意味が。




〝いいよ。
イノちゃんになら、いいよ。

俺の全部を教えてあげる〟



ーーーそんな風に言われているようで。

隆一に踏み込むよ。そう宣言したイノランへの、返事にも思えた。



海と星空の。
本当にふたりきりの、この場所で。

イノランと隆一の。
深い深い夜が、始まった。






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