beautiful world.






冒険
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夕食後のテレビの時間。
まったりゆったり、お茶なんか飲みながら夜のニュースを見ていたら、イノちゃんがボソッと呟いた。



「ーーーゲームかぁ…。俺、ストーリーものって全然ダメかも。どっち進んでいいかわかんない」

「ゲーム?ーーーああ、今テレビでやってる」

「そう」



ニュースの画面映ってるのは、最新のゲーム業界の話題。
今のゲームってすごいね。
今の時代では当たり前なのかもしれないけど、360度動くんだ…

…うぅ、ちょっと目が回るかも…。




「俺なんてパズルみたいなゲームとかさ。キャラクターが動くっていっても前か後ろかしか進むのしかやった事ないもんな」

「こんなにフルCGでもなかったしね」




ずっと音楽どっぷりだった俺たちは、ゲームってものには疎いのかも…。すごく上手にゲームを進められる人を見ると、ただただ見入ってしまう。
自分でやるより、上手い人のを見る方が好きかもしれないな。



「キャラクターもいっぱいいるよね」

「そうだな。ーーー隆ちゃんだったら…なんだろうな」

「ん?俺?」

「…フェアリーとか。そーゆうの」

「ええ?」

「きらきらして、ふわふわひらひら」

「…フェアリー?」

「癒しの魔法とかつかえてさ。隆ちゃんにぴったりじゃん?」

「ーーーふぅん?」

「真ちゃんはね、賢者とか」

「ああ!似合う!ーーーじゃあ、J君はねぇ、錬金術師とか」

「似合う似合う。ーーースギちゃんはやっぱり妖術使いとか…」

「うんうん!」

「使い魔従えて…」

「すっごくイメージある!」

「こうゆう想像すんのも楽しいな。ルナシーで冒険の旅とかさ。そーゆうの」

「結構、音楽の方に流れて終わる気もするけどね?」

「はははっ、そうだな」




そんな旅、実際あったら…楽しそうだなぁ。
でも、五人で進む音楽の道も。
ゲームの主人公達みたいな、冒険の旅と同じようなものかもしれない。
魔法や剣や…の代わりに、俺たちは楽器と歌を持って進む旅。

俺はそんな旅の仲間である、隣にいるイノちゃんをちらりと見た。


「…そうだ。イノちゃんはね?」

「ん?」

「イノちゃんのイメージはね、剣士かな」

「剣士?」

「そう。だってさ、」

「…ん?」

「格好いいもの」




フェアリーは、そんな剣士に恋をするんだ。









end…?





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