第一章 calling you

 覚えていますか?

 布団の中にひみつきちを作って、月明かりに見守られながらママには内緒の話をしたこと。

 幼い妄想を膨らませては、物語の中に私たちの幸福を描いたこと。

 その全てを、手放さないでくれていますか?

 星の煌めきに、

 夢の続きに、

 運命の糸の先に、

 愛するあなたの姿を見た時、

 どうか、私の呼び掛けに答えて欲しい。

 もう一度だけあなたの優しい声で、私の名前を呼んで欲しい。

 
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