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拍手お礼夢【twst:ハロウィンイベ(ジェイド)】

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「あ」


第一声がこれである。

この声の持ち主はというと、分が悪そうな顔をしたかと思ったら、瞬時に表情を上部で塗りたくり、いつもの様に完璧な笑みを作り出した。

「……何か、俺と会うことで“まずい”と思うことがある様だな、ジェイド・リーチ」
「…いえ?先生がモストロ・ラウンジに来店してくれて驚愕しただけです」


ある日の放課後、保健室の備品を確認していると包帯が不自然になくなっていることに気がついた。
首を傾げ、今日の訪問者の怪我の状態を思い出していると、足が何かを蹴りシャラリと音がした。
音の方に目を向けると、思い出したのはうつぼの双子。

…そう、あの耳飾りが落ちているではないか。


「……包帯を持ち出した説教がてら、耳飾りを届けに来たんだ。ありがたいと思え」

フロイドをチラと横目で見ると、耳飾りはついているし、いつもの寮服を着ている。
目の前のジェイドはというと、耳飾りが無い。開けた穴が丸見えだ。

そして何より、包帯を巻き…ミイラを彷彿させる衣装に身を包んでいることが何よりの証拠。

それだよ、それ。帽子と手の、それ。

「…耳飾りの方がオマケなんですね」
「当たり前だ、包帯を服飾に使うんじゃない。後日モストロ・ラウンジに請求するからな」
「ふふっ、これは手厳しい」

アーシェングロットにも伝えておけよ。
そう伝えると、ジェイドは反省のはの字も見られないほど綺麗な笑みで「えぇ」と続ける。
…俺からも伝えておこう。一応。


「全く、包帯なら購買でも売ってるだろうに」
「……どうせなら先生の匂いがついていた方がいいじゃ無いですか」
「匂いって…」

…保健室の匂いが俺自身の匂いと言うことか?
それは嬉しいような微妙な様な…と、自分の服の匂いを鼻を鳴らし確認する。

すると、いきなり目の前がモノクロになった
…これは、ジェイドの服…?

「そうです、この香りです」
「んっ…、なんだ、急に」

首にかかる吐息で、ジェイドに抱きしめられているのだとようやく気づく。
…本当に身長が高いな、決して自分も身長が低いわけでは無いと思うが…包まれている様だ。

「この包帯をつけていれば、いつでも先生を思い出せるでしょう?」

その言葉に、不意にジェイドを見上げる。
そこにあった顔は、いつもの意地悪そうな顔ではなく…
無邪気に悪戯を楽しむ、子どものような顔だった。

…!危ない危ない。流されるな俺
説教しに来たんだろう。そう思っても、この顔を見てしまったら言えるものも言えまい…

「……じゃあ耳飾りも渡したし俺はこれで」

俺の背中に回しているジェイドの腕を剥がすように、己の腕を伸ばし距離を取る
帰ろう。そうだ帰ろう。包帯を補充しなくては

「そんな!折角ですから休んで行ってください。ハロウィン限定のメニューは如何です?僕もレシピを考案したんです。」
「……もしかしてそれが目的か?」
「さぁ?どうでしょう」




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