+++ 2016 バレンタイン企画 +++
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「ジョーカー!」
怒りに満ちた叫びと共に、玉座の間にミサイルが撃ち込まれる。それをひらりと避けたドフラミンゴは、事も無げに「ミサイルだった女」に笑いかけた。
「フッフ! どうした、ベビー5。やけにご機嫌斜めだな?」
「しらばっくれないで! よくもまた私の婚約者を消したわね?! 今度という今度は許さないから!!」
また、というのも、彼女が婚約者を消されたのはこれで3度目になる。ベビー5と呼ばれた女は、今度は自らの腕を銃へと変形させてドフラミンゴに襲いかかった。ドフラミンゴはそれを交わしながら壁に向かって後退する。ついに壁際まで追い詰められて、ベビー5が貰った! と、鎌に変えた右腕で斬りかかろうとした、その時。ドフラミンゴは振り上げられた腕を自身の能力で吊り上げて、彼女の動きを封じた。
「お前はまた利用されてたんだ。お前、あの男に船をやったろ?」
「それが何?! あの人は私に『新婚旅行は2人で船旅に出よう』って言ってくれたのよ! だからバレンタインのプレゼントに船を贈った、それだけじゃない!!」
ドフラミンゴは呆れて深い溜息を吐き、また借金が増えてやがるな、と独りごちて、この恋愛体質が過ぎる女の目を醒ますのに、1番効く言葉を囁いた。
「あのなァベビー5。本当に愛してる相手なら、船なんざ貰わなくても、チョコ1つだって嬉しいもんだ。消えちまった男を想って嘆くお前の涙も美しいが、それよりも――俺のために、バレンタインのチョコを用意してくれよ」
「えっ……?! わ、私のチョコが必要だっていうの……?!」
「ああ、そうだ」
「わ、分かったわよ……しょうがないわね!」
さっきまでの気勢はどこへやら、もじもじとしだしたベビー5に、ドフラミンゴはやれやれと溜息を吐く。いそいそと部屋を出て行きざまに、ベビー5は思い出したように振り返った。
「そうだわ、これ。届いてたわよ」
そう言って、ベビー5が胸の谷間から取り出し放って寄越したのは、ピンク色の包装紙に包まれ、赤いリボンを掛けられた箱だった。それを受け取り、悪いな、と声をかけてやると、ベビー5はいいのよ、と言いながら顔を赤らめて微笑む。そしてドフラミンゴに小さく手を振ってみせると、スキップをしながら廊下の向こうへと消えていった。
(おーおー、ネーナじゃねェか……)
背景に花でも背負っていそうなベビー5の浮かれた背中を見送り、ドフラミンゴは手の中の可愛らしい箱を見る。リボンに挟まれたカードには、今のベビー5には到底言えっこないが、待ち望んでいた女の名前が書かれていた。
(フフッ! ちゃんと送ってきたか。だが、問題は中身だな……)
ネーナには去年も手作りチョコを要求したが、贈られたそれは明らかに、チョコを溶かし四角い容器にただ入れて冷やし固めただけの代物だった、という前科がある。それを受けて、今年はハート型にするように、と予め注文をつけておいたのだ。注文通りでなければどんなお仕置きをしてくれよう、と考えながら、ドフラミンゴは包装紙をビリビリと破り捨て、箱を開けた。
「……フフッ! フッフッフ!!」
箱の中には、ハートの片側、丸い部分にチョコがかけられたパイが整然と並べられている。その形は、ドフラミンゴの注文通りの代物だった。
――恐らく、数分前までは。
(……チッ、ベビー5め……)
さっきの騒動で衝撃を受けたのか、それらは全て真っ二つに割れてしまっていた。ドフラミンゴはがっくりと肩を落とす。
(まァ……贈ってきたことには変わりねェんだ、今度会ったら褒美でもくれてやらねェとな……)
宝石か、ドレスか、薔薇の花束か。思考を巡らせながら割れてしまった一欠片を手に取り、口に放り込む。サクサクと香ばしいパイにはうっすらと塩気があり、チョコの甘みを引き立てていた。去年のアレに比べれば、随分と手が込んでいるようだし、腕も上げている。ドフラミンゴは素直に感心した。
これはあの鰐野郎にも自慢してやらねばなるまい。クロコダイルの取り澄ました顔が悔しさに歪むのを想像して、ドフラミンゴは口角を吊り上げて笑う。その脳裏には、クロコダイルもネーナからチョコを貰うのではないか、などという懸念は、一切浮かんでいなかった。
*****
お題配布元:TOY様
★ギャグ編
・開けたら割れてたハート型!
怒りに満ちた叫びと共に、玉座の間にミサイルが撃ち込まれる。それをひらりと避けたドフラミンゴは、事も無げに「ミサイルだった女」に笑いかけた。
「フッフ! どうした、ベビー5。やけにご機嫌斜めだな?」
「しらばっくれないで! よくもまた私の婚約者を消したわね?! 今度という今度は許さないから!!」
また、というのも、彼女が婚約者を消されたのはこれで3度目になる。ベビー5と呼ばれた女は、今度は自らの腕を銃へと変形させてドフラミンゴに襲いかかった。ドフラミンゴはそれを交わしながら壁に向かって後退する。ついに壁際まで追い詰められて、ベビー5が貰った! と、鎌に変えた右腕で斬りかかろうとした、その時。ドフラミンゴは振り上げられた腕を自身の能力で吊り上げて、彼女の動きを封じた。
「お前はまた利用されてたんだ。お前、あの男に船をやったろ?」
「それが何?! あの人は私に『新婚旅行は2人で船旅に出よう』って言ってくれたのよ! だからバレンタインのプレゼントに船を贈った、それだけじゃない!!」
ドフラミンゴは呆れて深い溜息を吐き、また借金が増えてやがるな、と独りごちて、この恋愛体質が過ぎる女の目を醒ますのに、1番効く言葉を囁いた。
「あのなァベビー5。本当に愛してる相手なら、船なんざ貰わなくても、チョコ1つだって嬉しいもんだ。消えちまった男を想って嘆くお前の涙も美しいが、それよりも――俺のために、バレンタインのチョコを用意してくれよ」
「えっ……?! わ、私のチョコが必要だっていうの……?!」
「ああ、そうだ」
「わ、分かったわよ……しょうがないわね!」
さっきまでの気勢はどこへやら、もじもじとしだしたベビー5に、ドフラミンゴはやれやれと溜息を吐く。いそいそと部屋を出て行きざまに、ベビー5は思い出したように振り返った。
「そうだわ、これ。届いてたわよ」
そう言って、ベビー5が胸の谷間から取り出し放って寄越したのは、ピンク色の包装紙に包まれ、赤いリボンを掛けられた箱だった。それを受け取り、悪いな、と声をかけてやると、ベビー5はいいのよ、と言いながら顔を赤らめて微笑む。そしてドフラミンゴに小さく手を振ってみせると、スキップをしながら廊下の向こうへと消えていった。
(おーおー、ネーナじゃねェか……)
背景に花でも背負っていそうなベビー5の浮かれた背中を見送り、ドフラミンゴは手の中の可愛らしい箱を見る。リボンに挟まれたカードには、今のベビー5には到底言えっこないが、待ち望んでいた女の名前が書かれていた。
(フフッ! ちゃんと送ってきたか。だが、問題は中身だな……)
ネーナには去年も手作りチョコを要求したが、贈られたそれは明らかに、チョコを溶かし四角い容器にただ入れて冷やし固めただけの代物だった、という前科がある。それを受けて、今年はハート型にするように、と予め注文をつけておいたのだ。注文通りでなければどんなお仕置きをしてくれよう、と考えながら、ドフラミンゴは包装紙をビリビリと破り捨て、箱を開けた。
「……フフッ! フッフッフ!!」
箱の中には、ハートの片側、丸い部分にチョコがかけられたパイが整然と並べられている。その形は、ドフラミンゴの注文通りの代物だった。
――恐らく、数分前までは。
(……チッ、ベビー5め……)
さっきの騒動で衝撃を受けたのか、それらは全て真っ二つに割れてしまっていた。ドフラミンゴはがっくりと肩を落とす。
(まァ……贈ってきたことには変わりねェんだ、今度会ったら褒美でもくれてやらねェとな……)
宝石か、ドレスか、薔薇の花束か。思考を巡らせながら割れてしまった一欠片を手に取り、口に放り込む。サクサクと香ばしいパイにはうっすらと塩気があり、チョコの甘みを引き立てていた。去年のアレに比べれば、随分と手が込んでいるようだし、腕も上げている。ドフラミンゴは素直に感心した。
これはあの鰐野郎にも自慢してやらねばなるまい。クロコダイルの取り澄ました顔が悔しさに歪むのを想像して、ドフラミンゴは口角を吊り上げて笑う。その脳裏には、クロコダイルもネーナからチョコを貰うのではないか、などという懸念は、一切浮かんでいなかった。
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お題配布元:TOY様
★ギャグ編
・開けたら割れてたハート型!
