DONQUIXOTE
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
王下七武海と繋がれるということもあって、支配人はこの話にかなり乗り気のようであった。終始ニコニコして、全く会話に参加していないドフラミンゴにも愛想を振り撒いている。その様子には、さしもの彼も閉口した。
(俺は媚びを売って欲しくてここへ来たわけじゃねェ──俺がテメェと仕事をして、どんなメリットがあるのかを知りてェんだがな……)
わざとらしくドフラミンゴが溜息を吐いてみせると、支配人は笑顔を浮かべたままピクリと反応を示す。彼はドフラミンゴの機嫌が良くないことは察知したようだが、その原因がどこにあるのか、そこまでは察することが出来なかった。
「あのォ~……ドフラミンゴ様、こちらの酒はお口に合いませんでしたか……?」
「いや……」
そういう訳ではないが。ドフラミンゴは既に、
「では、何か──」
他にお気に召さないことがありましたか、と聞きたそうにドフラミンゴの顔色を窺う支配人に、それを察することは出来ないまでも、自ら知ろうと行動を取るのは評価出来るな、と、ドフラミンゴは感心する。やはり、
「そうだな……お前には
「どういうつもりだ、ドフィ」
支配人室から出て、ディアマンテはドフラミンゴに詰め寄った。主に支配人と話をしていた彼から見ても、男は
「フッフッフ! どうもこうも、言った通りだよ、ディアマンテ。アイツに
「俺に、気を遣っているのか」
「そういう訳じゃねェ」
そういう気持ちもなくはないが、ドフラミンゴの中で、「他の仕事」というのは既に当たりが付いていた。だが、今それを知れば、ディアマンテは猛反対するだろう。ディアマンテには、他に
「まあ、何にせよここに来た甲斐はあったってモンだ。ほら、仕事のことは一旦忘れろ。お前もセニョールから軍資金を貰って楽しんでこい」
「──ああ」
腑に落ちないようではあったが、ディアマンテは頷くと、辺りを見回す。そしてバカラテーブルにいたセニョールを見つけると、行ってくる、と言ってそちらへ向かった。
「──お仕事の話は終わりましたの?」
「フフッ……ああ」
1人になったドフラミンゴの元に、ステラが現れた。ステラは優美に笑うと、では、と言ってV.I.P.ルームに向かって歩き出す。ドフラミンゴも、黙ってその後について歩を進めた。
客達の間から、これからその美しい女ディーラーと2人っきりの時間を過ごすドフラミンゴに、羨望の眼差しが注がれる。だがそんな視線を余所に、サングラスの奥の目は、ネーナというらしい女ディーラーの姿を探していた。
「あのネーナってディーラー──アイツも客を取ってんのか」
V.I.P.ルームの扉が閉まるなり、ドフラミンゴはステラに問い掛ける。ステラは振り返ると、驚いたように遥か頭上にあるドフラミンゴの顔を見た。
「──ご存知、だったのですか?」
「フッフッ! うちのディアマンテは優秀なもんでな」
「そうでしたか……少し、話しても?」
「ああ」
ステラは動揺を隠すように微笑み、ドフラミンゴに椅子を勧める。ドフラミンゴはポーカーテーブルの前に置かれた高いスツールに腰掛け、ステラと向かい合った。
「──ドフラミンゴ様は、当店の『システム』はご存知でいらっしゃいますか?」
ドフラミンゴが首を振ると、ステラはテーブルに伏せられたカードの山に手を伸ばす。彼女はそれを扇状に開き、口を開いた。
「当店には、コインの両替レートが2種類あるのです。1つは、女性のお客様と、初めて来られた男性のお客様用のもの」
そう言って、ステラは開いたカードの中から2枚を抜き出し、テーブルにオープンする。ダイヤのQと、クラブのJ。その芝居がかった素振りにドフラミンゴが笑って頷くと、ステラは続けてもう2枚、カードを抜き出した。
「もう1つは、二度以上ご来店された男性のお客様の中で、支配人が『口が堅く、金を落としそうだ』と判断した方に提示されます。それが、この店の持つ裏の顔」
先にオープンされた2枚のカードの隣に並べられたのは、ジョーカーとスペードのK。自身も裏で「ジョーカー」と呼ばれる事のあるドフラミンゴは、そのカードに描かれたにんまり顔の道化にピクリと反応を示した。
「二つ目のレートは通常より高めに設定されていますが、それを呑んだ上で、ディーラーと勝負をして勝てば、そのディーラーを『好きにしていい』権利が与えられます」
そう言って、ステラはテーブルにハートのAを出す。ドフラミンゴは、仰々しく説明をするばかりで一向に本題に入らない彼女に、段々と苛立ちを覚えていた。
「それで、結局ネーナは──」
「ドフラミンゴ様──わざわざ通常より高い金額を払ってその勝負に挑むお客様は、何を望むと思われます?」
「……?」
焦れて口を挟んだドフラミンゴを、ステラは遮る。見れば、その顔から今まで浮かべていた微笑みは消えていた。その真剣な眼差しに、ドフラミンゴの胸から苛立ちは消え、彼女の問い掛けの答えを探そうと、脳が目まぐるしく働き始めた。
ややあって、ステラが口を開いた。
