相対する2人
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2人分の人間の形を取った砂塵は、サラサラと夜の街を駆ける。声を掛けた私の目を、チラと横目だけで捉えた琥珀色の瞳は、月の光も相まって、今はやんちゃな少年のような輝きを湛えていた。口元が、笑っている。
「お前の命は俺が預かったんだ。まぁ、返してやるつもりはないがな」
クハハ、と月夜に笑う海賊。ピアスが、指輪が、鉤爪が、月の光を浴びて輝く。風を受けて乱れた髪が一束、夜空に揺らめく。
──まったく、絵になりすぎている。
「……悔しい」
ポツリと呟いただけだったのに、クロコダイルの耳にはしっかり届いていたらしい。クハハハハ!と、楽しそうに独特の笑い声をあげる。ええい、笑え。勝負に負けたこと「以外」に、何を悔しいと思っているのかは、絶対に教えてやらない。
......To be continued.