“Anniversaire”=……
Name change
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他にもいくつか挙げてみたが、上位の男性社員のパートナーには、この辺りの人気イベントに纏わるコードネームをつけてやろう。俺はやっと悩みの種を片付けたことに満足して、万年筆を置いた。
(そうすると、あの女にもコードネームが必要か……)
ニコ・ロビンには最重要任務があり、そのため“
(男女ペアとなると、当然俺のペアになるか。俺は1よりも更に上──“Mr.0”と名乗るとして、そのパートナーに相応しい名前、というと……)
ふむ、とまた考え込んでしまう。先程取ったメモを見て、これら以上に女の喜びそうなイベントがあるだろうか、と思考を巡らせ、再び俺はカレンダーを捲った。
カレンダーを捲る手が、ある月のところで止まる。この日なら、誰もが特別に思うだろう。年に一度の一大イベント。この名前なら、この俺のパートナーにも相応しいに違いない。
俺は思い付いたその名前をいそいそとメモする。しかしその時、俺はふと考えた。
──あの女にとって、果たしてこの日はどういう日なのだろうか。
故郷を追われ、賞金首になり、陽の当たる場所では生きていけない、女。そんな女が、その苦労や辛さを知らない人間なら盛大に祝うその日のことを、嬉しい、特別だ、などと思えるだろうか。
メモしたその名前を、俺はぐちゃぐちゃと塗り潰した。奴を喜ばせたいなどとは露程も思わない。だが、名前ごときで恨みを買うつもりもなかった。何しろ、奴の持つ“
(それに、盛大に誤解を招きそうな名前でもある……)
誰しもに特別な日であるが故に、その名を付ければいらぬ詮索を受けそうなことは容易に想像ができた。
俺はまたしばらく頭を悩ませた後、思い立ってその名前をメモした。“ミス・オールサンデー”。全ての祝日を足したとしても、毎週必ず訪れるこの日の数には遠く及ばない。女性をイメージさせる赤色。その頂点に立つ、そんなイメージだとすれば、この名前もなかなかいいのではないだろうか。
口に出してみると響きも良く、自分でも気に入った。メモしたその名前を大きく丸で囲み、俺は伸びをする。このところ座って辞書の小さい文字ばかり目で追っていたから、すっかり疲れてしまった。バナナワニでも眺めて気分転換するとしよう。
ぐちゃぐちゃに塗り潰した、あの名前。あれはいつか俺にとって特別な存在ができることがあれば、そのときに使おう。自分以外誰も信じないことを信条としている俺にそんな相手が出来るとは思えないし、そもそもコードネームをつけるということは、その女は社員だということだ。社内でそんなことになるなど、面倒が過ぎる。
──「ミス・アニヴェルセル」。いい名だと思ったんだがな。
そう遠くない未来にその名前を冠することになる女が現れることを、この時の俺は、まだ知らない。
......To be continued.
