歌詞シリーズ
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スマホの画面をスクロールする指先がふと止まる。タイムラインを流れていく誰かの日常。きらきらした光の粒の隙間に、探している面影はどこにもない。
「更新…されるわけないか」
口からこぼれた呟きは、誰もいない自室に白く溶けて消えた。
この世界とは全く異なる、遠い別の世界から迷い込んできた君。
あのオンボロ寮の壊れた窓から差し込んでいた月光も、錆びついた扉の軋む音も、すべては遠い過去の幻のようだ。
ななしという存在が綺麗さっぱり消え去り、本来あるべき元の世界へと帰ってしまったあの日。残されたのは、ただの日常だった。
大丈夫だなんて、いつだって強がってみせる。
それがオレの生き方で、処世術で、ただの癖だから。
でもね、本当はそんなに強くない。
そうやって笑っている裏側で、どれほど君の不在に爪を立てているか、君はきっと知りもしない。
オレの部屋の片隅。
君が一度だけ忘れていった、なんてことのないヘアピンが今もそこにある。
手にとって、指先でその冷たい金属の感触を確かめる。
目を閉じれば、すぐにあの日の空気感が蘇る。
オレのすぐ隣で、少し困ったように笑っていた姿。
その瞬間に、オレの肺を支配する感覚がある。
それは記憶の底にこびりついた、ある特有の気配。
香水のような人工的なものじゃない。
どこか懐かしくて、胸の奥がぎゅっと切なくなるような君だけの匂い。
名前のつかないその香りが、鼻腔の奥から脳を侵食していく。じわりと身体の芯が熱を帯びる。
君につけてもらった傷なら、それがどんなに痛むものでも、後生大事に抱えて眠りたい。
異なる世界へと繋がっていたあの奇跡の時間が、確かにオレの人生に存在した証拠だから。
「ねぇ、ななしちゃん。オレ、今でも君に会いたいよ」
声に出すと熱を持った感情が視界を滲ませる。
ただ笑い合っていたあの頃にはもう戻れない。
わかっているけれど、それでもやっぱ愛だって綺麗事がいい。
世界を隔てた夢のような奇跡がもう一度起きるなら、オレはどんな嘘だって本物に変えてみせる。
今でも指先が覚えている。
からめた熱の高さ。
君の輪郭。
触れるか触れないかの距離で交わした吐息。
深く、濃く、オレの精神の奥底に沈殿した君という熱量。
目を閉じればいつでも、その熱がオレの肌を、心を、なぞるように満たしていく。
どれだけ時間が経っても、オレの瞳の奥で揺れる色彩は、君と過ごしたあの鮮やかな世界のままだ。
窓の外を見上げる。
空の向こうにあるはずの、君がいる異世界へと思いを馳せる。
泣いた分だけ笑おうなんて、まだそんな風には思えない。
だけど、君がかつて存在したこの世界で、オレは今日も笑顔を作って生きている。
いつかまた、君がどこかでこのオレの笑顔を見つけてくれる日のために。
---
Song by SKY-HI
「更新…されるわけないか」
口からこぼれた呟きは、誰もいない自室に白く溶けて消えた。
この世界とは全く異なる、遠い別の世界から迷い込んできた君。
あのオンボロ寮の壊れた窓から差し込んでいた月光も、錆びついた扉の軋む音も、すべては遠い過去の幻のようだ。
ななしという存在が綺麗さっぱり消え去り、本来あるべき元の世界へと帰ってしまったあの日。残されたのは、ただの日常だった。
大丈夫だなんて、いつだって強がってみせる。
それがオレの生き方で、処世術で、ただの癖だから。
でもね、本当はそんなに強くない。
そうやって笑っている裏側で、どれほど君の不在に爪を立てているか、君はきっと知りもしない。
オレの部屋の片隅。
君が一度だけ忘れていった、なんてことのないヘアピンが今もそこにある。
手にとって、指先でその冷たい金属の感触を確かめる。
目を閉じれば、すぐにあの日の空気感が蘇る。
オレのすぐ隣で、少し困ったように笑っていた姿。
その瞬間に、オレの肺を支配する感覚がある。
それは記憶の底にこびりついた、ある特有の気配。
香水のような人工的なものじゃない。
どこか懐かしくて、胸の奥がぎゅっと切なくなるような君だけの匂い。
名前のつかないその香りが、鼻腔の奥から脳を侵食していく。じわりと身体の芯が熱を帯びる。
君につけてもらった傷なら、それがどんなに痛むものでも、後生大事に抱えて眠りたい。
異なる世界へと繋がっていたあの奇跡の時間が、確かにオレの人生に存在した証拠だから。
「ねぇ、ななしちゃん。オレ、今でも君に会いたいよ」
声に出すと熱を持った感情が視界を滲ませる。
ただ笑い合っていたあの頃にはもう戻れない。
わかっているけれど、それでもやっぱ愛だって綺麗事がいい。
世界を隔てた夢のような奇跡がもう一度起きるなら、オレはどんな嘘だって本物に変えてみせる。
今でも指先が覚えている。
からめた熱の高さ。
君の輪郭。
触れるか触れないかの距離で交わした吐息。
深く、濃く、オレの精神の奥底に沈殿した君という熱量。
目を閉じればいつでも、その熱がオレの肌を、心を、なぞるように満たしていく。
どれだけ時間が経っても、オレの瞳の奥で揺れる色彩は、君と過ごしたあの鮮やかな世界のままだ。
窓の外を見上げる。
空の向こうにあるはずの、君がいる異世界へと思いを馳せる。
泣いた分だけ笑おうなんて、まだそんな風には思えない。
だけど、君がかつて存在したこの世界で、オレは今日も笑顔を作って生きている。
いつかまた、君がどこかでこのオレの笑顔を見つけてくれる日のために。
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Song by SKY-HI
