TRIANGLE
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「さあ、夜はまだ始まったばかりだ。騒がしい猛獣のことは忘れて、僕との時間を楽しもう」
マレウスの底なしの深い夜の沼に引きずり込まれるようにして、ななしはなんとかオンボロ寮の玄関まで辿り着いた。月明かりに照らされた彼の美貌に終始ドキドキさせられ、ななしのライフはすでにゼロに近い。
「……ツノ太郎、送ってくれてありがとう。ここまで来ればもう大丈夫だから、リリア先輩たちが心配する前に戻ってね!」
「お前がそう言うなら、今夜はここで失礼するとしよう」
マレウスは名残惜しそうにななしの手の甲から手を離すと、ふっと優しく微笑んだ。
「だが、忘れないでくれよ。ななし、僕がいつでもお前のすぐ後ろにいるということを」
緑色の火花が夜の闇に美しく散ったかと思うと、マレウスの姿は掻き消えるように消え去っていた。
「……行った。行ったよね!? あぁもう、放課後はレオナさんにサバナクローへ連行され、夜はツノ太郎に底なしの沼へ沈められ……私の心臓、今日だけで完全に耐用年数を迎えそう」
「子分!それより大変なんだゾ!」
グリムがオンボロ寮の扉を開けた瞬間、短い悲鳴が上がった。
「えっ、何!?」
ななしが慌てて談話室に駆け込むと、そこには見慣れない巨大な段ボール箱がいくつか、部屋の真ん中にドンと鎮座していた。
「なにこれ!? 頼んだ覚えのない密林からの宅配便!? それとも、ツノ太郎かレオナさんの貢ぎ物の第二陣!?」
「箱にサバナクローのマークと、ディアソムニアのマークが別々に描いてあるんだゾ!」
グリムが指差した通り、箱の表面にはそれぞれの寮の紋章が丁寧に印字されていた。恐る恐るななしがそのうちの一つを開けると、中から出てきたのは――大量の防犯グッズ、最高級のトリートメント、そして怪しげな緑色のハーブティーのティーバッグの山だった。
さらに箱の天面には一枚の手紙が添えられている。
『あの毛玉じゃ頼りにならねぇから、これで寮の戸締まりでもしとけ。あと、ブラシは俺専用だ。 レオナ』
『先ほどは髪を梳いてやれなくてすまない。これを使い、夜は僕のことを想いながら温かいお茶を飲むといい。 マレウス』
「追撃が早すぎる!!」
ななしのヤケクソな絶叫がオンボロ寮に木霊する。
「オレ様、ツナ缶がよかったんだゾ!」
ななしは送り付けられた大量の物資を前に、再びヤケクソな防衛本能をメラメラと燃え上がらせるのだった。終わりの見えない争奪戦の余韻は、静まり返ったオンボロ寮の夜をどこまでも騒がしく侵食していく。
マレウスの底なしの深い夜の沼に引きずり込まれるようにして、ななしはなんとかオンボロ寮の玄関まで辿り着いた。月明かりに照らされた彼の美貌に終始ドキドキさせられ、ななしのライフはすでにゼロに近い。
「……ツノ太郎、送ってくれてありがとう。ここまで来ればもう大丈夫だから、リリア先輩たちが心配する前に戻ってね!」
「お前がそう言うなら、今夜はここで失礼するとしよう」
マレウスは名残惜しそうにななしの手の甲から手を離すと、ふっと優しく微笑んだ。
「だが、忘れないでくれよ。ななし、僕がいつでもお前のすぐ後ろにいるということを」
緑色の火花が夜の闇に美しく散ったかと思うと、マレウスの姿は掻き消えるように消え去っていた。
「……行った。行ったよね!? あぁもう、放課後はレオナさんにサバナクローへ連行され、夜はツノ太郎に底なしの沼へ沈められ……私の心臓、今日だけで完全に耐用年数を迎えそう」
「子分!それより大変なんだゾ!」
グリムがオンボロ寮の扉を開けた瞬間、短い悲鳴が上がった。
「えっ、何!?」
ななしが慌てて談話室に駆け込むと、そこには見慣れない巨大な段ボール箱がいくつか、部屋の真ん中にドンと鎮座していた。
「なにこれ!? 頼んだ覚えのない密林からの宅配便!? それとも、ツノ太郎かレオナさんの貢ぎ物の第二陣!?」
「箱にサバナクローのマークと、ディアソムニアのマークが別々に描いてあるんだゾ!」
グリムが指差した通り、箱の表面にはそれぞれの寮の紋章が丁寧に印字されていた。恐る恐るななしがそのうちの一つを開けると、中から出てきたのは――大量の防犯グッズ、最高級のトリートメント、そして怪しげな緑色のハーブティーのティーバッグの山だった。
さらに箱の天面には一枚の手紙が添えられている。
『あの毛玉じゃ頼りにならねぇから、これで寮の戸締まりでもしとけ。あと、ブラシは俺専用だ。 レオナ』
『先ほどは髪を梳いてやれなくてすまない。これを使い、夜は僕のことを想いながら温かいお茶を飲むといい。 マレウス』
「追撃が早すぎる!!」
ななしのヤケクソな絶叫がオンボロ寮に木霊する。
「オレ様、ツナ缶がよかったんだゾ!」
ななしは送り付けられた大量の物資を前に、再びヤケクソな防衛本能をメラメラと燃え上がらせるのだった。終わりの見えない争奪戦の余韻は、静まり返ったオンボロ寮の夜をどこまでも騒がしく侵食していく。
