-
ナユタ
どうも、お招きありがとうございます。
クライン王国出身の検事、ナユタ・サードマディです。 -
牙琉響也
堅苦しいねぇ
おデコくんの言っていた通りだ -
ナユタ
御剣検事局長に
『うちの検事たちと交流するかね?』
とわざわざ有難いお誘いを受けましたので。
それに、挨拶は基本でしょう? -
牙琉響也
ホントは局長も誘ったんだけど、あの人、
『そういうアレは、苦手なのだ』
ってグループに入ってくれなかったんだよね -
夕神
さっきから通知音がうるせェんだが……
-
ナユタ
おや、意外な方が参加なさっておりますね?
-
牙琉響也
ぼくが誘ったんだけど、最初は夕神検事断ったんだよ
けどそこは鶴の一声、だね! -
夕神
局長に言われたら断りづれェだろうが
つーかよ、何を語れっていうンだ?
野郎が雁首揃えて何を -
牙琉響也
じゃあ恋バナしよう
-
ナユタ
?
-
夕神
見間違いかァ?
いいか、もう一度聞くぞ?
野郎が雁首揃えて何を -
牙琉響也
恋バナしよう
-
ナユタ
全く揺るぎなき意志を感じますね。
と言いますか……何故貴方たちと恋バナ、つまり恋愛について語らねばならぬのでしょう? -
牙琉響也
単なる興味だけど?
-
ナユタ
大した理由ではないのですね。
では嫌とお答えします。 -
牙琉響也
何で?
いいじゃないか、減るもんじゃなし -
ナユタ
減りますよ
-
牙琉響也
何が?
-
ナユタ
彼女の可愛らしさを拙僧だけが知っていたいという男心がわからないのですか?
-
夕神
……もう既に惚気てンじゃねェか
-
牙琉響也
惚気だねぇ
ていうかキミ、僧侶だけど恋愛経験とかあるのかい? -
ナユタ
拙僧の初恋は彼女ですよ。
そして彼女の初恋も拙僧なのです。
ですからお互いに初心者と言えましょう。 -
牙琉響也
へー
じゃあもっと彼女との話聞かせておくれよ! -
ナユタ
その手には乗りません。
そして調子に乗らないで下さいませ、ド腐れドリル頭。 -
牙琉響也
急に毒舌(笑)
僧侶のクセに口悪いな!
おデコくんが言ってたのコレかぁ -
夕神
おぉ、この坊主は優しい顔して口が悪ィ。
俺のこと、パンダとか言ってきやがったからなァ… -
牙琉響也
wwwwww
-
夕神
笑ってんじゃねェぞ、牙琉!!
-
ナユタ
成る程...これが『草』ですか。
面白過ぎる場合の文章表現…… -
夕神
真面目か!!
-
牙琉響也
だって……パンダって
何で愛され動物のパンダなんだい? -
ナユタ
見たままですよ。
配色がパンダでしょう?
……まあパンダのような愛くるしさは全くございませんが。 -
夕神
あってたまるか
……つーかよォ、牙琉だって『ドリル頭』って言われてンじゃねェか
そこには触れねェのか? -
牙琉響也
あー
確かにパンダには負けるね、可愛らしさが(笑) -
夕神
てめえ、検事局で会ったら覚えてやがれェ……
-
ナユタ
と言いますか貴方の呼称もなかなか独特だと思いますが?
-
牙琉響也
え?ぼく?
-
ナユタ
ホースケを『おデコくん』と呼んでおりますし。
特別親しい方に愛称をつける心はわかるのですがね。 -
牙琉響也
それ言ったら夕神検事は『泥の字』だよ?
-
ナユタ
……一応確認ですが。
よもや、拙僧の彼女にそのような呼称をしておりませんでしょうね? -
夕神
してねェ
……そんな勘繰りしなくても、おめえさんの恋人に粉かける真似はしねェから安心しなァ -
ナユタ
それを聞いて安心いたしました。
危うく貴方を締め上げるところでございました。 -
夕神
牙琉はわかんねェけどなァ
-
牙琉響也
ちょっと!?
-
ナユタ
検察側、数珠の準備完了しております。
日本の検事局で出会いましたら覚悟することです。 -
牙琉響也
急に毒舌どころじゃないこと言い出したよ!?
なに数珠って -
夕神
この坊主、弁護士が舐めた真似してっと数珠投げつけてきて
そんで呪文唱えて締め上げるぞ -
ナユタ
僧侶ですので。
-
牙琉響也
検事も僧侶も、度が行き過ぎてるよ!!
そして何で夕神検事は知ってるのさ? -
夕神
経験ありだから、だなァ
俺は数珠を斬ったがな -
ナユタ
拙僧もまだまだ修行不足ですね……
-
牙琉響也
何何何、え?キミたち裁判で戦ったのかい?
検事VS検事ってどういうこと?? -
夕神
色々あってなァ
-
ナユタ
ええ、いろいろあ
-
牙琉響也
??
なに?変換ミス? -
夕神
中途半端なセリフで終わったなァ…
-
牙琉響也
(30分経過)
……それにしてもナユタ検事、全然喋らないね? -
夕神
多忙なヤツとは聞いてるしなァ
仕事でも入ったんじゃねェか? -
牙琉響也
えー?
まだ彼から恋バナ聞いてないよ? -
夕神
まだ諦めてなかったのかい、おめえさんはよォ
……つーかよォ、おめえさんと話すネタがもうねェよ -
牙琉響也
じゃあ恋バナしておくれよ
-
ナユタ
申し訳ございません。
途中で投げ出したことをすっかり失念しておりました。 -
夕神
おら、坊主帰ってきたぜ
好きなだけ語りやがれ、俺は聞く専門になる -
牙琉響也
見事にナユタ検事に擦りつけるねぇ?
ていうかナユタ検事、急にどうしたんだい?仕事? -
ナユタ
いえ、仕事よりも重要な役目が発生いたしまして。
-
牙琉響也
??
-
ナユタ
拙僧が貴方がたとやり取りしている最中に、
……彼女が、拙僧の羽衣で遊び始めまして。 -
牙琉響也
…………猫とかがじゃれた話?
-
ナユタ
拙僧の恋人です。人間です。ですが可愛らしくて困ります。どうしたらよいのでしょう?
-
牙琉響也
どうしたらって、構ってあげなよ
可愛い子猫ちゃんを可愛がりなよ -
ナユタ
拙僧もそれが己だけに許された責務と思い、構ったのです。
ですが……最終的に逃げられました。 -
牙琉響也
猫だねぇ
-
夕神
猫だなァ
-
ナユタ
初心なのです。
いえ、猫のような愛らしさも否定はできないのですが……
と言いますか、拙僧の最愛たる恋人が猫扱いとは。 -
牙琉響也
自分だって否定してないのに、ぼくらは非難されるのかい?
-
夕神
とんでもなくウゼェ矛盾かつ理不尽だなァ
-
ナユタ
拙僧は猫を飼った経験がないのですが……
ホースケに聞くところ、
猫は構いすぎると逃げるし、そっけないのだとか。 -
牙琉響也
そういう話はよく聞くねぇ
ぼくは犬派だけどさ -
夕神
俺は鳥派だなァ
-
ナユタ
貴方がたの好みはどうでも宜しいのですが。
……話を戻しますよ。宜しいですか? -
牙琉響也
うん
-
夕神
おう
-
ナユタ
とにかく拙僧の恋人は初心で……しかしいつまで経っても無垢なもので。
拙僧と手を繋ぐだけでもとても嬉しそうにするほどなのですよ。 -
牙琉響也
……ピュアだねぇ
キミはそれで納得してるのかい? -
ナユタ
そうした進展しか築けていないとしても、です。
彼女の意思を尊重し、納得と理解をしなければなりませんでしょう。
それを無視した場合、拙僧はまともな恋人とは認められないでしょうし。 -
夕神
正論だなァ
つーか、事を急いても一歩間違えれば一瞬で関係は崩れるモンだしなァ -
牙琉響也
そうなんだけどさぁ
でも男としては、もっと進展したいとか思うだろ?
好きな子とは仲良くしたいもんじゃないか -
ナユタ
それもまた理解できるものなのですが。
……しかし夕神検事の仰る通りに事を急いては、拙僧の場合は誤解も受けます。 -
牙琉響也
?
-
ナユタ
拙僧も、王族籍に復籍いたしましたので……
あまり急いた真似をすると、単に『後継者問題』を理由にしていると思われる可能性があるのですよ。 -
夕神
あー……成る程なァ
-
牙琉響也
そういえばキミ、王子だったねぇ
あー、それは辛いものがあるねぇ
好きな子に、それが理由で進展を望んでるなんて誤解は、やだねぇ -
ナユタ
そうでしょう?
……まあ、それはきちんと話し合えばいいだけなのでしょうがね。
ですがあまりに事を急くのは、拙僧としてはまだ複雑な心境になる要因がございまして。 -
夕神
おめえさん、意外と話の引き出し多いな
どんだけネタがあるんだ? -
牙琉響也
まあまあ、まずは話を聞こうよ
で? -
ナユタ
これは拙僧の父の話なのですが。
……父は、豪胆で愛情深い男でして。
国内で指名手配犯だったにもかかわらず、母上と愛を交わし、妹を儲けておりまして…… -
牙琉響也
……それは、アレかな?
緊迫状態だと、余計に興奮しちゃうってパターンかい? -
夕神
いや、指名手配中に子供作るって……何つーか、色々とすげェな?
-
ナユタ
結果的に跡継ぎ問題は解消しましたので、それはまあ問題はないのです。
ですが……息子の観点ですと愛情ゆえにという意味も理解はしているのですが、手が早いという思いもすると言いますか。 -
牙琉響也
でも、今は妹のお姫さま、あ、もう女王さまか。
レイファ様とは家族として仲良くできているんだろ?
いいじゃないか、それはそれで -
夕神
牙琉、坊主が言いてェのはそういうことじゃねェさ
……恋人に、早々に手を出したら自分も手が早い男認定されるのが複雑だって話だろ? -
ナユタ
そうなのです。さすがは心理学を学んだ検事でございますね。
……拙僧は僧侶であり、しかし王族でもありますので、手が早いことが良いことなのか悪いことなのか……
少々悩むことがあります。 -
牙琉響也
成る程ねぇ……
え、でもさ
ぶっちゃけ、手を出してもいいなら手は出したいのかい? -
ナユタ
…………そろそろ明日に差し支えるので就寝いたします。
-
牙琉響也
あ!手は出したいんだね!?
ごめんよ、無自覚にキミの心を暴いちゃって! -
夕神
……とりあえず牙琉
てめえは、次に坊主に会ったら締め上げられる覚悟してろ -
牙琉響也
え、やだよ
-
夕神
じゃあ、次は坊主に自分の恋愛について語れや
おめえさん、どうせそういうネタが多いだろ? -
牙琉響也
え?惚気ていいってこと?
ていうか夕神検事は? -
夕神
…………許可が出れば、話してもいい
-
牙琉響也
え
……まさかの、既に尻に敷かれてる恋バナかい? -
夕神
黙りなァッ!!
タップで続きを読む