8th. 翼あるもの
そんなある日、
「ねえ、アズライル」
死者の魂を迎えるため地上に降りようとしていた告死天使のアズライルに、アラエルは笑顔で近づいていった。
「なんだい、アラエル?」
アズライルが尋ねると、アラエルは無邪気な笑顔でこう言った。
「またお仕事をしに地上に行くの?」
「そうだよ」
アズライルはにこりと頷いた。
そんなアズライルに向かって、本当にまったく邪気ひとつない笑顔でアラエルは質問した。
「あんなどうしようもない生き物たちの魂を導いて何になるの?生まれ変わったって、また同じような間違いを繰り返すだけだよ?そんな無駄なことをしても、ぜんぜん意味がないじゃない」
「何だって?」
驚いたアズライルが眉を顰めたのと、眩しい金色の雷がひとすじ天界の空を走ったのはほぼ同時だった。
「あっ!」
アラエルが小さな悲鳴を上げた。
雷は光の矢となってまっすぐにアラエルの片方の翼を打ち抜くと、そのまま地上に向かってすさまじい速度で落ちて行く。
「僕の翼が――!」
「待て、アラエル!」
アズライルが慌てて手を伸ばしたのだが、アラエルは、雷ともぎ取られた翼の後を追うように、まっさかさまに落ちて行ってしまった。
「アラエル!!」
アズライルはすっかり驚いて、アラエルが落ちて行った方角を確かめようとした。
だが、
「いいのだよ、アズライル」
静かな声がそっとアズライルを制した。
聞き覚えのある声にアズライルが振り返ると、全身に聖なるの金色の光をまとった大天使ミカエルの姿があった。
「アラエルのことは、心配しなくても大丈夫だよ」
「でも――」
不安そうに見つめてくるアズライルに、ミカエルはにっこりとほほ笑んでみせる。
「大丈夫。あとは、癒しの大天使と猫の天使にまかせよう」
✽
「ねえ、アズライル」
死者の魂を迎えるため地上に降りようとしていた告死天使のアズライルに、アラエルは笑顔で近づいていった。
「なんだい、アラエル?」
アズライルが尋ねると、アラエルは無邪気な笑顔でこう言った。
「またお仕事をしに地上に行くの?」
「そうだよ」
アズライルはにこりと頷いた。
そんなアズライルに向かって、本当にまったく邪気ひとつない笑顔でアラエルは質問した。
「あんなどうしようもない生き物たちの魂を導いて何になるの?生まれ変わったって、また同じような間違いを繰り返すだけだよ?そんな無駄なことをしても、ぜんぜん意味がないじゃない」
「何だって?」
驚いたアズライルが眉を顰めたのと、眩しい金色の雷がひとすじ天界の空を走ったのはほぼ同時だった。
「あっ!」
アラエルが小さな悲鳴を上げた。
雷は光の矢となってまっすぐにアラエルの片方の翼を打ち抜くと、そのまま地上に向かってすさまじい速度で落ちて行く。
「僕の翼が――!」
「待て、アラエル!」
アズライルが慌てて手を伸ばしたのだが、アラエルは、雷ともぎ取られた翼の後を追うように、まっさかさまに落ちて行ってしまった。
「アラエル!!」
アズライルはすっかり驚いて、アラエルが落ちて行った方角を確かめようとした。
だが、
「いいのだよ、アズライル」
静かな声がそっとアズライルを制した。
聞き覚えのある声にアズライルが振り返ると、全身に聖なるの金色の光をまとった大天使ミカエルの姿があった。
「アラエルのことは、心配しなくても大丈夫だよ」
「でも――」
不安そうに見つめてくるアズライルに、ミカエルはにっこりとほほ笑んでみせる。
「大丈夫。あとは、癒しの大天使と猫の天使にまかせよう」
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