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桜は多聞衆1年と手分けして、見回りに勤しんでいた。今日は迷い猫探し。街の掲示板に貼られていたお知らせを思い出しながら街の人たちに聞き回っていた。
「あー全然見つかんねー」
「目立つ容貌だったからすぐ見つかると思ったんスけど……」
「街の外へ行っちゃったらどうしようもないね」
級長の桜、副級長の楡井、蘇枋。一旦人気のないところに移動して作戦会議をしては、頭を悩ませる。
「ああ?てめえ邪魔すんなよ」
そんな中、3人の声とは違う、いかにも不穏な空気をまとった声が耳に入った。 駆けつけると、一箇所に寄ってたかっているガラの悪い複数人の男たち。
「か弱い動物をいたぶらないとストレスを発散できないなんて、その狭い心に同情いたしますわ」
「んだと!?」
中の様子はよく見えないが、囲まれているのは女の子らしい。桜と楡井は走り出そうと足に力を入れた。
「おい、何するんだよ」
「どうしたんですか蘇枋さん! 早く行かないとあの子危ないんじゃ」
二人は後ろにいた蘇枋に肩を掴まれる。二人から訝しげな視線で刺されても、彼は屈託のない笑みを崩さなかった。
「まあまあ、見てればわかるよ」
「はあ?」
「え……?」
といいつつ、二人が渦中の少女に再び目をやったときにはもう男の一人が殴りかかろうとしていた。いやさすがにヤバいだろ。そう直感した桜は蘇枋の静止を振り切って本能で突撃しようとした。が、その必要はなかった。
「はっ……?」
桜と楡井は予想だにしない光景を目にする。
清楚な黒のセーラー服がはためくのに合わせて赤髪を揺らし、彼女の目の前で男たちは体勢をくずしていく。まるで彼らが自分で転んでるようだ。たかが女一人に一発も殴ることすらできずに倒れていく男たち。しつこく立ち上がっても最終的には急所に上手く打撃を入れられ、彼女の周りを囲むように男たちは地に伏した。冷ややかな赤眼でそれらを一瞥してから、彼女はしゃがんで足元の白い何かを撫でた。
「……て、あれ! 見つけた!」
楡井が真っ先に我に返って彼女の手元を指さす。
黒と白のツートンカラーの毛にオッドアイ。クラスの皆で見たときには「桜にそっくりだな」と満場一致だった。探していた猫だ。
「あ、あの、その子、どこで」
「えーっと、この子の鳴き声が聞こえて、追ってみたらここに」
楡井が尋ねると、彼女は猫を撫でながら説明する。
「ひとまず、これで飼い主のもとへ届けられますね」
「あら、飼い主がいたのですか?」
「ああ、オレらが届けとく。お前は気をつけて帰れ」
「わかりました。じゃあ、よろしくお願いします」
「おう、って痛え!?」
彼女が猫を桜に差し出そうとした途端、猫は桜を引っ掻いた。猫は彼女にピッタリとくっつき、シャーッと桜を威嚇していた。楡井や蘇枋が抱きかかえようとしても、猫はそっぽを向いたまま少女の足から離れなかった。
「……私が連れてったほうがよさそうですね。そういえばその子、怪我しています。やっぱり私も行きますわ」
彼女は猫の怒りをおさめるべく背中を何回か撫で、猫が彼女のほうに向いてからもしばらく撫で続ける。
「さて、行きましょうか」
彼女が立ち上がると、髪飾りがシャランと音を立てた。
「にしても彩理、さっきもっと早く倒せたでしょ~」
「げっ、それ兄さんが言う?」
さっきまで後ろで見守っていただけだった蘇枋が口を開くと、少女は顔を歪ませてフランクに返す。制服からして街の外にある有名なお嬢様学校に通っているのだろうが、蘇枋と会話しているときだけ、優美なお嬢様から素の少女に戻っていた。
「あ、そういえば君たちは初対面だね。この子、俺の妹」
人気のない道路に、二人の叫び声がこだました。
蘇枋 彩理
蘇枋隼飛の双子の妹。街の外のお嬢様学校に通っている。兄と同じ師匠のもとで鍛えられたので強い。このあと合流した彼女に興味津々で肩掴んできた柘浦くんをとっさに投げ飛ばして多聞衆1年を呆然とさせるも、秒ですげぇすげぇと賞賛される。
桜 遥
少女の赤髪赤眼髪飾りで「誰かに似てるなー」と思ってたけど「いやまさか……」と半信半疑だった。兄と違って妹は怒りっぽいけど、猫に見せた優しい顔を見て得体のしれない胸の痛みが走った。
蘇枋 隼飛
妹が最近ツンツン気味なので寂しい。
楡井 秋彦
蘇枋の口から妹の話を一切聞いたことがないのでめっちゃ驚いた。
「あー全然見つかんねー」
「目立つ容貌だったからすぐ見つかると思ったんスけど……」
「街の外へ行っちゃったらどうしようもないね」
級長の桜、副級長の楡井、蘇枋。一旦人気のないところに移動して作戦会議をしては、頭を悩ませる。
「ああ?てめえ邪魔すんなよ」
そんな中、3人の声とは違う、いかにも不穏な空気をまとった声が耳に入った。 駆けつけると、一箇所に寄ってたかっているガラの悪い複数人の男たち。
「か弱い動物をいたぶらないとストレスを発散できないなんて、その狭い心に同情いたしますわ」
「んだと!?」
中の様子はよく見えないが、囲まれているのは女の子らしい。桜と楡井は走り出そうと足に力を入れた。
「おい、何するんだよ」
「どうしたんですか蘇枋さん! 早く行かないとあの子危ないんじゃ」
二人は後ろにいた蘇枋に肩を掴まれる。二人から訝しげな視線で刺されても、彼は屈託のない笑みを崩さなかった。
「まあまあ、見てればわかるよ」
「はあ?」
「え……?」
といいつつ、二人が渦中の少女に再び目をやったときにはもう男の一人が殴りかかろうとしていた。いやさすがにヤバいだろ。そう直感した桜は蘇枋の静止を振り切って本能で突撃しようとした。が、その必要はなかった。
「はっ……?」
桜と楡井は予想だにしない光景を目にする。
清楚な黒のセーラー服がはためくのに合わせて赤髪を揺らし、彼女の目の前で男たちは体勢をくずしていく。まるで彼らが自分で転んでるようだ。たかが女一人に一発も殴ることすらできずに倒れていく男たち。しつこく立ち上がっても最終的には急所に上手く打撃を入れられ、彼女の周りを囲むように男たちは地に伏した。冷ややかな赤眼でそれらを一瞥してから、彼女はしゃがんで足元の白い何かを撫でた。
「……て、あれ! 見つけた!」
楡井が真っ先に我に返って彼女の手元を指さす。
黒と白のツートンカラーの毛にオッドアイ。クラスの皆で見たときには「桜にそっくりだな」と満場一致だった。探していた猫だ。
「あ、あの、その子、どこで」
「えーっと、この子の鳴き声が聞こえて、追ってみたらここに」
楡井が尋ねると、彼女は猫を撫でながら説明する。
「ひとまず、これで飼い主のもとへ届けられますね」
「あら、飼い主がいたのですか?」
「ああ、オレらが届けとく。お前は気をつけて帰れ」
「わかりました。じゃあ、よろしくお願いします」
「おう、って痛え!?」
彼女が猫を桜に差し出そうとした途端、猫は桜を引っ掻いた。猫は彼女にピッタリとくっつき、シャーッと桜を威嚇していた。楡井や蘇枋が抱きかかえようとしても、猫はそっぽを向いたまま少女の足から離れなかった。
「……私が連れてったほうがよさそうですね。そういえばその子、怪我しています。やっぱり私も行きますわ」
彼女は猫の怒りをおさめるべく背中を何回か撫で、猫が彼女のほうに向いてからもしばらく撫で続ける。
「さて、行きましょうか」
彼女が立ち上がると、髪飾りがシャランと音を立てた。
「にしても彩理、さっきもっと早く倒せたでしょ~」
「げっ、それ兄さんが言う?」
さっきまで後ろで見守っていただけだった蘇枋が口を開くと、少女は顔を歪ませてフランクに返す。制服からして街の外にある有名なお嬢様学校に通っているのだろうが、蘇枋と会話しているときだけ、優美なお嬢様から素の少女に戻っていた。
「あ、そういえば君たちは初対面だね。この子、俺の妹」
人気のない道路に、二人の叫び声がこだました。
蘇枋 彩理
蘇枋隼飛の双子の妹。街の外のお嬢様学校に通っている。兄と同じ師匠のもとで鍛えられたので強い。このあと合流した彼女に興味津々で肩掴んできた柘浦くんをとっさに投げ飛ばして多聞衆1年を呆然とさせるも、秒ですげぇすげぇと賞賛される。
桜 遥
少女の赤髪赤眼髪飾りで「誰かに似てるなー」と思ってたけど「いやまさか……」と半信半疑だった。兄と違って妹は怒りっぽいけど、猫に見せた優しい顔を見て得体のしれない胸の痛みが走った。
蘇枋 隼飛
妹が最近ツンツン気味なので寂しい。
楡井 秋彦
蘇枋の口から妹の話を一切聞いたことがないのでめっちゃ驚いた。
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