エスパーと天使~小話~
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今年から恋人と誕生日
シンが目を覚ましたときにはもう8時だった。いつもなら遅刻だが、今日は休暇を言い渡されている。時計を見るために布団から出した腕をまた潜り込ませた。
二度寝したくなってきた。原因は隣ですやすや寝ている、アヤの温もり。今日ゆっくりできるのをいいことに、昨夜はおめでとう、ありがとうと言い合いながら日付をまたいで愛し合った。
「んー……」
アヤのエメラルドの瞳がゆっくりと垣間見えた。もぞもぞと寝返りを何度かしてから、一糸纏わぬ脚をベッドの外へ出すアヤを、シンは腕の中に閉じ込めた。とたん、彼女の耳は一気に赤に染まる。
『もう……心臓に悪いわ。これじゃあ私が誕生日みたいじゃない。ダメよ、今日はシンの誕生日なんだから。シンに楽しんでもらわないと』
もう幸せだからそんな気負わなくていいのに。
シンはアヤの思考を読んで内心ニヤニヤした。
こうしてアヤの心の声がストレートに聞こえるようになったのは最近のこと。アヤが恋を自覚するまで、アヤはそもそも心の声が小さかったか、邪な思いを隠すように医学の知識ばかり頭に浮かべていた。
でも、今は違う。アヤの頭の中はオレのことでいっぱいになっている。もう少し楽しみたくて、シンは抱きしめる力を強くした。
「っ……シン、起きるわよ」
「んーもうちょっと」
「デートは!?」
「オマエがいればもうデート」
シンの誕生日パーティーが坂本商店の食卓で開かれる夜まで、アヤとデートする約束をしたのは昨日のことであった。
「いつも一緒でしょう!?」
「2人きりもっと堪能させろ」
シンの胸板を押していたアヤの手の力が抜けた。抵抗は諦めたらしい。このまま平和な二度寝に突入するはずだったのだが。
「夜、また2人きりになるでしょ……」
わざわざアヤの口から出た囁きを、シンは聞き逃さなかった。
「言質とったぜ」
シンはニヤニヤを通り越して屈託のない笑みをアヤに向けてから身体を起こし、頬をほんのり赤くして視線をそらすアヤを見下ろした。
15年も一緒にいたというのに、最近まで幼馴染止まりだったのか不思議でしょうがない。けれど、その分までこれからも触れ合っていけばいいのだ。
アヤが恋人になって初めて迎える誕生日の朝は、シンにとって今までで一番幸せだ。
シンが目を覚ましたときにはもう8時だった。いつもなら遅刻だが、今日は休暇を言い渡されている。時計を見るために布団から出した腕をまた潜り込ませた。
二度寝したくなってきた。原因は隣ですやすや寝ている、アヤの温もり。今日ゆっくりできるのをいいことに、昨夜はおめでとう、ありがとうと言い合いながら日付をまたいで愛し合った。
「んー……」
アヤのエメラルドの瞳がゆっくりと垣間見えた。もぞもぞと寝返りを何度かしてから、一糸纏わぬ脚をベッドの外へ出すアヤを、シンは腕の中に閉じ込めた。とたん、彼女の耳は一気に赤に染まる。
『もう……心臓に悪いわ。これじゃあ私が誕生日みたいじゃない。ダメよ、今日はシンの誕生日なんだから。シンに楽しんでもらわないと』
もう幸せだからそんな気負わなくていいのに。
シンはアヤの思考を読んで内心ニヤニヤした。
こうしてアヤの心の声がストレートに聞こえるようになったのは最近のこと。アヤが恋を自覚するまで、アヤはそもそも心の声が小さかったか、邪な思いを隠すように医学の知識ばかり頭に浮かべていた。
でも、今は違う。アヤの頭の中はオレのことでいっぱいになっている。もう少し楽しみたくて、シンは抱きしめる力を強くした。
「っ……シン、起きるわよ」
「んーもうちょっと」
「デートは!?」
「オマエがいればもうデート」
シンの誕生日パーティーが坂本商店の食卓で開かれる夜まで、アヤとデートする約束をしたのは昨日のことであった。
「いつも一緒でしょう!?」
「2人きりもっと堪能させろ」
シンの胸板を押していたアヤの手の力が抜けた。抵抗は諦めたらしい。このまま平和な二度寝に突入するはずだったのだが。
「夜、また2人きりになるでしょ……」
わざわざアヤの口から出た囁きを、シンは聞き逃さなかった。
「言質とったぜ」
シンはニヤニヤを通り越して屈託のない笑みをアヤに向けてから身体を起こし、頬をほんのり赤くして視線をそらすアヤを見下ろした。
15年も一緒にいたというのに、最近まで幼馴染止まりだったのか不思議でしょうがない。けれど、その分までこれからも触れ合っていけばいいのだ。
アヤが恋人になって初めて迎える誕生日の朝は、シンにとって今までで一番幸せだ。