エスパーと天使~小話~
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寿司枕
枕が所狭しと積まれた透明な箱の前に座り、機械的に上下するアームを睨みつけながらカチャカチャ操作する金髪の青年。隣には、青年と同い年くらいの黒髪の女性。彼女の翡翠の瞳もまた、アームの行く末を見守っていた。
「いける! だあーーーーまたかよ!」
上からがっちり掴んだかと思われた綿の集合体はするりと抜けてしまった。
昼下がりの商店街。おなじみの緑のエプロンをまとったシンとアヤは、配達が早く終わって余った時間で商店街を散策していた。アヤがUFOキャッチャーを少しだけ見つめていたのに目ざとく気づいたシンが、かわいい恋人のために寿司枕をゲットしようと躍起になっていた。
「へたくそ」
「うるせー」
シンは口を尖らせてぼやいた。単純にけなされてイラッとしたのではない。好きな女の前ではカッコよくゲットしてクールに渡すべきところだったのだ。悲しいことに、殺し屋時代のシンはナイフや体術と、近接主体で戦っていたため、銃などの遠距離武器で標的を仕留めるのはどちらかというと苦手だった。シンは機械を扱う己のセンスの足りなさを恨んだ。
「代わって。私もやりたい」
きまりの悪い顔をしたシンは、おずおずとアヤに場所を譲る。カラン、とアヤはワンコインを投入した。
「うそだろ」
なんということだろうか。シンが5回も挑戦して取れなかったものを一発でつかみ取り、手元に呼び寄せた。さすが、シンとは逆に遠距離武器を扱うのが得意な元殺し屋。
「ジャストフィット……」
アヤは手元にきた枕をむにゅっと抱きしめ、枕を吸うかのごとくシャリ側に顔を埋めた。シンもネタ側であるエビを撫でたり、尻尾をちょん、とはじいたりする。意外にも感触がよかった。
「試しにこれで寝てみるか?」
「いいわね!」
アヤは目をキラキラさせて同意する。彼女はお寿司を店まで抱えて持って帰り、シンは終始その姿を愛しそうに見つめていた。その姿に、殺し屋を生業とするコンビの面影はない。世間一般のカップルと何ら変わりなかった。
枕が所狭しと積まれた透明な箱の前に座り、機械的に上下するアームを睨みつけながらカチャカチャ操作する金髪の青年。隣には、青年と同い年くらいの黒髪の女性。彼女の翡翠の瞳もまた、アームの行く末を見守っていた。
「いける! だあーーーーまたかよ!」
上からがっちり掴んだかと思われた綿の集合体はするりと抜けてしまった。
昼下がりの商店街。おなじみの緑のエプロンをまとったシンとアヤは、配達が早く終わって余った時間で商店街を散策していた。アヤがUFOキャッチャーを少しだけ見つめていたのに目ざとく気づいたシンが、かわいい恋人のために寿司枕をゲットしようと躍起になっていた。
「へたくそ」
「うるせー」
シンは口を尖らせてぼやいた。単純にけなされてイラッとしたのではない。好きな女の前ではカッコよくゲットしてクールに渡すべきところだったのだ。悲しいことに、殺し屋時代のシンはナイフや体術と、近接主体で戦っていたため、銃などの遠距離武器で標的を仕留めるのはどちらかというと苦手だった。シンは機械を扱う己のセンスの足りなさを恨んだ。
「代わって。私もやりたい」
きまりの悪い顔をしたシンは、おずおずとアヤに場所を譲る。カラン、とアヤはワンコインを投入した。
「うそだろ」
なんということだろうか。シンが5回も挑戦して取れなかったものを一発でつかみ取り、手元に呼び寄せた。さすが、シンとは逆に遠距離武器を扱うのが得意な元殺し屋。
「ジャストフィット……」
アヤは手元にきた枕をむにゅっと抱きしめ、枕を吸うかのごとくシャリ側に顔を埋めた。シンもネタ側であるエビを撫でたり、尻尾をちょん、とはじいたりする。意外にも感触がよかった。
「試しにこれで寝てみるか?」
「いいわね!」
アヤは目をキラキラさせて同意する。彼女はお寿司を店まで抱えて持って帰り、シンは終始その姿を愛しそうに見つめていた。その姿に、殺し屋を生業とするコンビの面影はない。世間一般のカップルと何ら変わりなかった。