エスパーと天使~小話~
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人ってこんなあったけーんだな
起きれば深夜1時。明かりをつけるのもめんどくさくて、真っ暗な廊下を壁伝いに歩き、トイレをすます。寝る前に水を飲み過ぎたんだろう。寒い廊下をさっさと通り過ぎようとトイレから部屋までの道のりを半分くらい行ったところで俺は足を止めた。眠くてぼやける視界に、ぼんやりした光が入った。
アヤの部屋のドアの隙間から、わずかな光が漏れていた。あいつ、まだ起きてんのか? 医学部をめざして受験勉強してるとはいえ、ここ最近ムリしてるんじゃないか? 心配になって俺はドアの壁に顔を押し付けた。隙間からアヤを覗く。あいつの頭がはっきり見えない。机の電気スタンドの下でアヤは突っ伏していた。ドアのきしむ音を立てないようにそっと開け、足音を立てないようアヤに近づき、俺もアヤの頭の隣に両腕とアゴを置いた。長いまつ毛は完全に伏せられていて、規則正しく寝息を立てている。手の甲をアヤのすべすべの頬、アゴ、喉と滑らせる。起きる気配が全くない。しかもちょっと冷えている。結構早い時間に寝落ちしたんだろう。このままじゃこいつ風邪ひいちまう。後ろからそっと毛布だけかけて俺もさっさと自室に戻るはずだったが、アヤをちゃんとベッドに運んでから毛布をかけた。でも、その毛布も冷えていたから、俺もアヤを温めてあげようとベッドに潜り込んだ。
最後に一緒に寝たの、いつだっけ。小学校くらいじゃねえかな。それからだった。俺がアヤへの恋心を忘れようとケンカに明け暮れるようになったのは。高校の半ばでやっと彼氏彼女になれたわけだけど、どうせ毎日家で一緒にいるから親と寝るのは恥ずかしい原理で今でも別々の部屋で寝ていた。人ってこんなあったけーんだな。それを噛みしめるように俺はアヤの頭に手をそっと置いて、スリスリと撫でた。
「んー……」
やべ、起こして……なかった。セーフ。アヤがもぞもぞとすり寄ってきた。こいつ、無意識でも撫でられるの好きだよな。かわいい。力いっぱい抱きしめそうになったけど、寝てるアヤが苦しいのはアレだから、なんとかふんわり抱きしめるのにとどめた。
「おやすみ、アヤ」
起きれば深夜1時。明かりをつけるのもめんどくさくて、真っ暗な廊下を壁伝いに歩き、トイレをすます。寝る前に水を飲み過ぎたんだろう。寒い廊下をさっさと通り過ぎようとトイレから部屋までの道のりを半分くらい行ったところで俺は足を止めた。眠くてぼやける視界に、ぼんやりした光が入った。
アヤの部屋のドアの隙間から、わずかな光が漏れていた。あいつ、まだ起きてんのか? 医学部をめざして受験勉強してるとはいえ、ここ最近ムリしてるんじゃないか? 心配になって俺はドアの壁に顔を押し付けた。隙間からアヤを覗く。あいつの頭がはっきり見えない。机の電気スタンドの下でアヤは突っ伏していた。ドアのきしむ音を立てないようにそっと開け、足音を立てないようアヤに近づき、俺もアヤの頭の隣に両腕とアゴを置いた。長いまつ毛は完全に伏せられていて、規則正しく寝息を立てている。手の甲をアヤのすべすべの頬、アゴ、喉と滑らせる。起きる気配が全くない。しかもちょっと冷えている。結構早い時間に寝落ちしたんだろう。このままじゃこいつ風邪ひいちまう。後ろからそっと毛布だけかけて俺もさっさと自室に戻るはずだったが、アヤをちゃんとベッドに運んでから毛布をかけた。でも、その毛布も冷えていたから、俺もアヤを温めてあげようとベッドに潜り込んだ。
最後に一緒に寝たの、いつだっけ。小学校くらいじゃねえかな。それからだった。俺がアヤへの恋心を忘れようとケンカに明け暮れるようになったのは。高校の半ばでやっと彼氏彼女になれたわけだけど、どうせ毎日家で一緒にいるから親と寝るのは恥ずかしい原理で今でも別々の部屋で寝ていた。人ってこんなあったけーんだな。それを噛みしめるように俺はアヤの頭に手をそっと置いて、スリスリと撫でた。
「んー……」
やべ、起こして……なかった。セーフ。アヤがもぞもぞとすり寄ってきた。こいつ、無意識でも撫でられるの好きだよな。かわいい。力いっぱい抱きしめそうになったけど、寝てるアヤが苦しいのはアレだから、なんとかふんわり抱きしめるのにとどめた。
「おやすみ、アヤ」