エスパーと天使~小話~
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気休め
「うぅ……」
シンは頭をおさえて枕に顔を埋める。来たる世紀の殺し屋展でスラー陣営を止めるべく、毎日のように店の業務の合間を縫っては私とシンで坂本さんに勝負を仕掛けていた。未来視までできるようになって、坂本さんが一人でタイに行くのを止めたときのシンは、坂本さんと互角に戦えてたと思っていたけど、やはり最強の殺し屋にはまだまだ遠く及ばない。
「こっち来て」
「んー」
私が両腕を広げると、シンは鉛のように重い身体を起こして、ポスっと胸元に収まる。私はシンの頭をふわふわした力でそっと撫でた。
治癒能力は直接傷に触れられれば最も効果があるのだが、頭痛は頭蓋骨を隔てて神経に圧迫による痛みだから、触れたところでそんな効果はない。ただの気休めだけど、しないよりはマシ。
最近なんだか先を急ぐように未来視を酷使している気がする。私はエスパーじゃないけど十年以上一緒にいればわかる。この間平助がORDERのスナイパーと渡り合って、俺もうかうかしてられねーとか思ってるんだろう。でも、止めたところで突っ走るのがシンだ。強くなるためならどんな手だって使う。身体を痛めるとわかっていても、JCCでナツキのグローブを酷使したように。
私は、シンが怪我したらすぐ治せるように備えるだけだ。ずっとシンのそばにいる。シンは絶対に死なせない。
「うぅ……」
シンは頭をおさえて枕に顔を埋める。来たる世紀の殺し屋展でスラー陣営を止めるべく、毎日のように店の業務の合間を縫っては私とシンで坂本さんに勝負を仕掛けていた。未来視までできるようになって、坂本さんが一人でタイに行くのを止めたときのシンは、坂本さんと互角に戦えてたと思っていたけど、やはり最強の殺し屋にはまだまだ遠く及ばない。
「こっち来て」
「んー」
私が両腕を広げると、シンは鉛のように重い身体を起こして、ポスっと胸元に収まる。私はシンの頭をふわふわした力でそっと撫でた。
治癒能力は直接傷に触れられれば最も効果があるのだが、頭痛は頭蓋骨を隔てて神経に圧迫による痛みだから、触れたところでそんな効果はない。ただの気休めだけど、しないよりはマシ。
最近なんだか先を急ぐように未来視を酷使している気がする。私はエスパーじゃないけど十年以上一緒にいればわかる。この間平助がORDERのスナイパーと渡り合って、俺もうかうかしてられねーとか思ってるんだろう。でも、止めたところで突っ走るのがシンだ。強くなるためならどんな手だって使う。身体を痛めるとわかっていても、JCCでナツキのグローブを酷使したように。
私は、シンが怪我したらすぐ治せるように備えるだけだ。ずっとシンのそばにいる。シンは絶対に死なせない。