生えてたら、触りたくなるものだろ?
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今日のオレは1日ヒマだ。シズは大学の講義があるから一緒にいられない。
てわけで退屈しのぎに佐野家にふらっと寄り、気づけば縁側でうとうとして寝ていただけだったのに。
「シンイチロー! 来てよ!」
「ワカ君が! 早く見て!!」
遠くからガキどもの声が響いてきて、オレは目を覚ます。寝すぎたな、とあくびを1つしていたら、真ちゃんと万次郎とエマちゃんが現れた。
「オマエらそんなに興奮してどうし、たん……」
のそのそと出てきた真ちゃんは、は? と1文字発したっきり口を開けたまま固まった。その後目を擦ったり、自身のほっぺたを叩いたりしてる。
「真ちゃん何してんのさっきから」
「ワカは……リアルの白豹、だった……」
全然話が通じない。
エマちゃんが何かに気づいたように駆け出し、鏡を持って戻ってきた。目の前にかざされる。オレもさっきの真ちゃんと同じように思考が止まった。
頭に──動物の耳が2つあった。
よく見ると豹柄で、白い毛が密集している……シズが触りたくなりそうな見た目だ。
「コレ感覚あんのー?」
「っ!」
万次郎が何かを触り、オレはビクッと身体を震わす。
何だ今のは。
尻辺りに変な感覚を感じたが尻を触られたわけではないことはわかる。オレは尻に自分の手を這わす。自分の尻から細長い何かが生えていて、オレはそれを自分の前に持ってきた。
それもまた、耳と同じく白い毛に豹柄。
つまり今、オレの体には──豹の耳と尻尾が生えているということだ。
***
夕方。私は家でいつものように稽古の真っ最中であった。
しかし1本の電話により、その日課は崩れることとなる。
家の固定電話がけたたましく鳴り、受話器を取った。
「もしもしシズいますかー?」
「私だ」
「おっ! ちょうどよかったわ! オマエ、今すぐウチに来いよ面白えモン見れるぞ」
声の主は真一郎だった。だが突然言われても困る。
「あのな、今稽古中だぞわかっててかけ」
「シズネェ今すぐ来て!! ワカ君が大変なの!!」
エマの声が割って入った。鬼気迫る声だ。
「見ればわかるから!」
断ったら後が怖そうだ。
私は行く、と言って電話を切り、即座に着替えに走る。
「静紀、どこへ行くのですか?」
玄関で靴を履いていると、師範が通りかかった。
「真一郎のところへ。ワカに何かあったとのことです」
「暗くなってますから、気をつけて」
行って参ります、と叫んで私は家を飛び出す。
それにしても、ワカに何かあるって一体何だ? 怪我か? 風邪か?
いや真一郎が面白いものって言ってたから悪いことではないはず。電話口でのエマの圧がすごかったが、そういえばどこかウキウキしてるような声だったような……。
その答えを早く知りたくて、私は足を動かす速度を上げた。
てわけで退屈しのぎに佐野家にふらっと寄り、気づけば縁側でうとうとして寝ていただけだったのに。
「シンイチロー! 来てよ!」
「ワカ君が! 早く見て!!」
遠くからガキどもの声が響いてきて、オレは目を覚ます。寝すぎたな、とあくびを1つしていたら、真ちゃんと万次郎とエマちゃんが現れた。
「オマエらそんなに興奮してどうし、たん……」
のそのそと出てきた真ちゃんは、は? と1文字発したっきり口を開けたまま固まった。その後目を擦ったり、自身のほっぺたを叩いたりしてる。
「真ちゃん何してんのさっきから」
「ワカは……リアルの白豹、だった……」
全然話が通じない。
エマちゃんが何かに気づいたように駆け出し、鏡を持って戻ってきた。目の前にかざされる。オレもさっきの真ちゃんと同じように思考が止まった。
頭に──動物の耳が2つあった。
よく見ると豹柄で、白い毛が密集している……シズが触りたくなりそうな見た目だ。
「コレ感覚あんのー?」
「っ!」
万次郎が何かを触り、オレはビクッと身体を震わす。
何だ今のは。
尻辺りに変な感覚を感じたが尻を触られたわけではないことはわかる。オレは尻に自分の手を這わす。自分の尻から細長い何かが生えていて、オレはそれを自分の前に持ってきた。
それもまた、耳と同じく白い毛に豹柄。
つまり今、オレの体には──豹の耳と尻尾が生えているということだ。
***
夕方。私は家でいつものように稽古の真っ最中であった。
しかし1本の電話により、その日課は崩れることとなる。
家の固定電話がけたたましく鳴り、受話器を取った。
「もしもしシズいますかー?」
「私だ」
「おっ! ちょうどよかったわ! オマエ、今すぐウチに来いよ面白えモン見れるぞ」
声の主は真一郎だった。だが突然言われても困る。
「あのな、今稽古中だぞわかっててかけ」
「シズネェ今すぐ来て!! ワカ君が大変なの!!」
エマの声が割って入った。鬼気迫る声だ。
「見ればわかるから!」
断ったら後が怖そうだ。
私は行く、と言って電話を切り、即座に着替えに走る。
「静紀、どこへ行くのですか?」
玄関で靴を履いていると、師範が通りかかった。
「真一郎のところへ。ワカに何かあったとのことです」
「暗くなってますから、気をつけて」
行って参ります、と叫んで私は家を飛び出す。
それにしても、ワカに何かあるって一体何だ? 怪我か? 風邪か?
いや真一郎が面白いものって言ってたから悪いことではないはず。電話口でのエマの圧がすごかったが、そういえばどこかウキウキしてるような声だったような……。
その答えを早く知りたくて、私は足を動かす速度を上げた。