朝起きたらS.S.M.にいた
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目を徐々に開けると、まずは見慣れない天井が目に入った。
ここはどこだ。意識が覚醒して真っ先にそう思った。
起き上がれば、いつもより明らかに高い目線に違和感を抱く。朝日が差し込んでくるカーテンを開けば、見覚えのあるようなないような、そんな景色。
他の窓を探そうと、自分の寝ていた部屋を出る。突き当たりに階段があった。試しに下って1階に行く。一面にバイクがずらりと並んでいた。
ここは、真一郎の店――S.S MOTORSだ。
昨日の夜は確かに自分の家にいた。師範はここ数日旅行中で、ワカは私の家に泊まりに来ていた。そこで私は、次の日お互い休みだと知って調子に乗ったワカに容赦なく、記憶が飛んでしまうほど食い尽くされた。
そういえばあれだけ激しかったのに腰のだるさが微塵もない。首に髪が触れてこない。さらに、今自分が身に纏っている服は、どこぞの長男の普段着そっくりだ。
まさか、と思って鏡を探し求める。洗面所の鏡に駆け込んだ。
嫌な予感は当たる。自分の見た目は真一郎だ。何度目を擦っても、ぎゅっと目を閉じたり開いたりしても、見えるものは変わらない。
……ん? 私の体は? 本物の真一郎は?
自分の寝ていた部屋に戻り、枕元にあった真一郎の携帯から家にある自分の携帯に電話をかけた。
***
頭上から聞こえる音によってオレは目が覚めた。目を疑った。まず見えたのが、住み込んでいるバイクショップの一室の天井ではなく、上半身裸で熟睡するダチだったからだ。
枕元を探る。音の正体は携帯の着信音で、よく見るとそれはシズのケータイだった。そこに表示されているのはオレのケー番だ。オレの今の状況を理解する助けになるのではと思い、電話に出る。
「もしもし」
「確認だ、お前は真一郎か?」
「はあ? ……おう」
おかしい。自分から出た声は明らかに男のものではなかった。
「……真一郎、鏡見たか? 見てないなら1回見ろ」
ケータイを持ったまま、オレは言われた通りに部屋の鏡を見る。
「……は?」
鏡に映っているのは、くびれのある腰、慎ましい胸の膨らみ。そしてサラサラの長髪。
「なんでオレ……シズになってるんだ?」
電話口で、やっぱりか……と溜め息まじりの声が聞こえる。
「てことはオマエ、シズか?」
「ああ。 私も今、真一郎になってる。とりあえずそっち行くからそのまま待ってろ」
ちょっと待て、と言う隙も与えられず電話が切れた。まあいいか。アイツなら、10分もしないうちに来るだろう。
とりあえずオレは服を着ることにした。首から胸元にかけて鬱血痕や噛み跡が至るところにあり、いつまでもそれを眺める耐性はオレにはなかった。オマエらどんだけヤったんだ……。
ついでに胸を揉んでみた。男なら一度は触ってみたいと思うだろ。今のうちに堪能しておく。柔らけーなとは思ったが大きさが今ひとつだった。
ベッド脇に無造作に脱ぎ捨ててあったシャツを適当に取って着る。なんかやたら大きいサイズだな、とは思ったものの、シズは緩めの服も好んで着るヤツだからオレは違和感なくスルーした。
「なに、自分から彼シャツとか誘ってんの?」
「んあっ……」
突然背後から気配もなく抱きしめられ、寝起きのような掠れた声で色っぽく囁かれた。
オレは変な声を出してしまった。しかも今オレから出るのはシズの声だ。身内の喘ぎ声を自分で出して聞いてしまうとは。ワカは起きていたのだ。最悪のタイミングで。
オレが着たシャツはどうやらワカのものだったらしい。後ろを振り向くと、ストレートに垂れ下がる金髪をオレのほうにスリスリしながら気だるげな目をこちらに向けるワカが見えた。コイツは男でも放っておかないような綺麗な顔立ちをしているだけあって、近づかれるとオレでも心臓に悪い。不覚にもドキッとした。
いやそんなことはどうでもいい。オレは今、童貞にもかかわらず女の体でダチに襲われかけている。抜け出そうとしてもワカのホールドにシズの筋力はかなわない。それどころか、ワカがいやらしく腰を撫でてきたり、耳元で甘く息を吹きかけたり、ついには耳を舐め始めた。腰が砕けて身体の自由がきかない。この感覚、こんな状況で知りたくなかった……。
「真一郎ー!! 鍵開けろー!!」
玄関から声が聞こえた。やっとアイツが来た。
ワカが一瞬困惑したのを見計らってオレは拘束を抜け出し、玄関めがけて走った。
ここはどこだ。意識が覚醒して真っ先にそう思った。
起き上がれば、いつもより明らかに高い目線に違和感を抱く。朝日が差し込んでくるカーテンを開けば、見覚えのあるようなないような、そんな景色。
他の窓を探そうと、自分の寝ていた部屋を出る。突き当たりに階段があった。試しに下って1階に行く。一面にバイクがずらりと並んでいた。
ここは、真一郎の店――S.S MOTORSだ。
昨日の夜は確かに自分の家にいた。師範はここ数日旅行中で、ワカは私の家に泊まりに来ていた。そこで私は、次の日お互い休みだと知って調子に乗ったワカに容赦なく、記憶が飛んでしまうほど食い尽くされた。
そういえばあれだけ激しかったのに腰のだるさが微塵もない。首に髪が触れてこない。さらに、今自分が身に纏っている服は、どこぞの長男の普段着そっくりだ。
まさか、と思って鏡を探し求める。洗面所の鏡に駆け込んだ。
嫌な予感は当たる。自分の見た目は真一郎だ。何度目を擦っても、ぎゅっと目を閉じたり開いたりしても、見えるものは変わらない。
……ん? 私の体は? 本物の真一郎は?
自分の寝ていた部屋に戻り、枕元にあった真一郎の携帯から家にある自分の携帯に電話をかけた。
***
頭上から聞こえる音によってオレは目が覚めた。目を疑った。まず見えたのが、住み込んでいるバイクショップの一室の天井ではなく、上半身裸で熟睡するダチだったからだ。
枕元を探る。音の正体は携帯の着信音で、よく見るとそれはシズのケータイだった。そこに表示されているのはオレのケー番だ。オレの今の状況を理解する助けになるのではと思い、電話に出る。
「もしもし」
「確認だ、お前は真一郎か?」
「はあ? ……おう」
おかしい。自分から出た声は明らかに男のものではなかった。
「……真一郎、鏡見たか? 見てないなら1回見ろ」
ケータイを持ったまま、オレは言われた通りに部屋の鏡を見る。
「……は?」
鏡に映っているのは、くびれのある腰、慎ましい胸の膨らみ。そしてサラサラの長髪。
「なんでオレ……シズになってるんだ?」
電話口で、やっぱりか……と溜め息まじりの声が聞こえる。
「てことはオマエ、シズか?」
「ああ。 私も今、真一郎になってる。とりあえずそっち行くからそのまま待ってろ」
ちょっと待て、と言う隙も与えられず電話が切れた。まあいいか。アイツなら、10分もしないうちに来るだろう。
とりあえずオレは服を着ることにした。首から胸元にかけて鬱血痕や噛み跡が至るところにあり、いつまでもそれを眺める耐性はオレにはなかった。オマエらどんだけヤったんだ……。
ついでに胸を揉んでみた。男なら一度は触ってみたいと思うだろ。今のうちに堪能しておく。柔らけーなとは思ったが大きさが今ひとつだった。
ベッド脇に無造作に脱ぎ捨ててあったシャツを適当に取って着る。なんかやたら大きいサイズだな、とは思ったものの、シズは緩めの服も好んで着るヤツだからオレは違和感なくスルーした。
「なに、自分から彼シャツとか誘ってんの?」
「んあっ……」
突然背後から気配もなく抱きしめられ、寝起きのような掠れた声で色っぽく囁かれた。
オレは変な声を出してしまった。しかも今オレから出るのはシズの声だ。身内の喘ぎ声を自分で出して聞いてしまうとは。ワカは起きていたのだ。最悪のタイミングで。
オレが着たシャツはどうやらワカのものだったらしい。後ろを振り向くと、ストレートに垂れ下がる金髪をオレのほうにスリスリしながら気だるげな目をこちらに向けるワカが見えた。コイツは男でも放っておかないような綺麗な顔立ちをしているだけあって、近づかれるとオレでも心臓に悪い。不覚にもドキッとした。
いやそんなことはどうでもいい。オレは今、童貞にもかかわらず女の体でダチに襲われかけている。抜け出そうとしてもワカのホールドにシズの筋力はかなわない。それどころか、ワカがいやらしく腰を撫でてきたり、耳元で甘く息を吹きかけたり、ついには耳を舐め始めた。腰が砕けて身体の自由がきかない。この感覚、こんな状況で知りたくなかった……。
「真一郎ー!! 鍵開けろー!!」
玄関から声が聞こえた。やっとアイツが来た。
ワカが一瞬困惑したのを見計らってオレは拘束を抜け出し、玄関めがけて走った。