マイロ夢
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夜はまだ、終わらない
マイロ・モリアーティが次なる完全犯罪の計画を立て終えたときには、ビッグベンの鐘が鳴り響いていた。時計を見れば、夜の10時。犯罪一家の首領にしては、思いのほか長引いてしまった。
マイロは足早に執務室をあとにする。いつも彼に付きっきりのメイドが自室で耐えきれない熱を必死に抑えようとする艶やかな姿を想像して、シャンパンゴールドの瞳を細めた。
やっと、触れ合える。僕の愛しい恋人に。
誰も彼女のフェロモンにあてられることがないよう極限まで通気性をなくしたその部屋は、扉を開けた瞬間、むせ返るような甘い匂いが押し寄せる。甘い蜜に誘われる蝶のように、マイロは最短ルートで香りの発生源にコツ、コツと焦らすように足を進める。
「はぁ、はぁ、まいろ、さま、ぁ……」
ベッドの上にのさばる男物の真っ白なスーツから寝巻きに至るまで乱雑に積み上げられた服の山をかき分ければ、中心から蚊の鳴くような声が出て、宙に消えた。
「一人で巣作りできたようだね」
――ナマエ
マイロが吐息混じりに名前を耳元で囁やけば、ナマエはびくびくっ、と身体を震わせた。
「いい子には、ご褒美をあげようか」
彼の夜はまだ、終わらない。
マイロ・モリアーティが次なる完全犯罪の計画を立て終えたときには、ビッグベンの鐘が鳴り響いていた。時計を見れば、夜の10時。犯罪一家の首領にしては、思いのほか長引いてしまった。
マイロは足早に執務室をあとにする。いつも彼に付きっきりのメイドが自室で耐えきれない熱を必死に抑えようとする艶やかな姿を想像して、シャンパンゴールドの瞳を細めた。
やっと、触れ合える。僕の愛しい恋人に。
誰も彼女のフェロモンにあてられることがないよう極限まで通気性をなくしたその部屋は、扉を開けた瞬間、むせ返るような甘い匂いが押し寄せる。甘い蜜に誘われる蝶のように、マイロは最短ルートで香りの発生源にコツ、コツと焦らすように足を進める。
「はぁ、はぁ、まいろ、さま、ぁ……」
ベッドの上にのさばる男物の真っ白なスーツから寝巻きに至るまで乱雑に積み上げられた服の山をかき分ければ、中心から蚊の鳴くような声が出て、宙に消えた。
「一人で巣作りできたようだね」
――ナマエ
マイロが吐息混じりに名前を耳元で囁やけば、ナマエはびくびくっ、と身体を震わせた。
「いい子には、ご褒美をあげようか」
彼の夜はまだ、終わらない。
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