ロン夢
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似合ってる……?
海水浴場に来た。以前ロンとトト、そしてもふ先生と来たときには事件が起こって、充分に満喫できなかったから。今回はロンと二人きりで。
が、ただ今更衣室にて、猛烈に後悔している。
水着を新調した。というか新しいのを買うしかなかった。心配になって以前の水着を試しに着てみたら、すっかり入らなくなっていて。ロンの美味しいごはんと黒蜜を絶えず口に入れていたせいだろう。
ワンサイズ上の水着になると、大人っぽい水着とか、布面積が少ない水着が多かった。着てみたい欲に勝てなくて、ビキニを買ってしまった。改めて自分の胸に手をあてる。自分にはビキニを着こなすだけの果実を持ち合わせていなかった。水着売り場のマネキンとは程遠くて、余計に子どもっぽくなってしまった。ロンの隣に似合うような格好をしたかったのに。
行くときに着てきた半袖のパーカーを羽織る。ファスナーを一番上までしっかり上げた。脚にパレオを巻きつける。幾分か大人っぽさを取り戻したと言い聞かせて、更衣室を出た。
「ごめんなさい、待たせたわね」
「いや、今来たとこさ」
同じく水着に着替えていたロンは、引き締まった身体が太陽に照らされていてまぶしかった。
「パーカー、暑くないのかい?」
「べ、べつに、暑くないわ」
「汗ダラダラで言われても、説得力ないよ」
ロンはこめかみに伝っていた私の汗を指ですくい取る。真っ黒なパーカーは強い日差しの熱をすべて受け止め、湿気とともに身体にまとわりつく。
「恋人の水着姿を見られないのは、僕としても寂しいんだが」
ここでしょうがないと思ってしまうのは、惚れた弱みだろうか。それに、これ以上は熱中症になりそうだ。観念してパーカーをゆっくりとひらいていく。恥ずかしいからロンと目を合わせないようにしていたけど、しばらくしても見せろと言ってきた当の本人の声が聞こえてこない。
「やっぱ、似合わないわよね……」
きっと私を傷つけたくなくて、言葉を探しているんだろう。ロンは肝心なときにはっきりと言ってくれない。そのせいで付き合うまで拗れていたほどに。
「わっ、どうしたのよ」
ロンは私の手首をつかんでズカズカと足を進める。慣れない砂浜に足を取られる私を煩わしく思ったのか、途中からお姫様抱っこをされた。着いた先は、人のいないパラソル。
「ちょっと、何するの急にって、いっ……」
足裏に砂の柔らかさを感じたのもつかの間、中途半端にパーカーを脱がされ、肩が露出する。細身ながらも鍛えられた体躯に閉じ込められたかと思えば右肩の後ろに痛みが走った。
「ロン、ここ、人いるからっ」
かなり長い時間、ロンの唇は皮膚を逃さなかった。ようやく離れると、ロンの指先は吸引したところを触れるか触れないかの力で弧を描いた。くすぐったくて、思わず身体がビクッと反応した。
「見えるとこにつけないでよ!」
「じゃあパーカーを着ざるをえないね」
私からは見えないけど、隠せないくらいの濃い跡をつけられたことは察した。肩に届くか届かないかくらいの髪では、散らされた赤を隠すこともできまい。蚊に刺されたといえば、ごまかせるか。いや、むりだろう。蚊に刺されたにしては不自然な大きさのアザであることは、寝起きに鏡に立ったときに散々思い知らされたではないか。
「僕はもう見たからね、他の男に見せる必要はない」
ロンはさっきの巻き戻しをするように、きれいに私にパーカーを着せた。
海水浴場に来た。以前ロンとトト、そしてもふ先生と来たときには事件が起こって、充分に満喫できなかったから。今回はロンと二人きりで。
が、ただ今更衣室にて、猛烈に後悔している。
水着を新調した。というか新しいのを買うしかなかった。心配になって以前の水着を試しに着てみたら、すっかり入らなくなっていて。ロンの美味しいごはんと黒蜜を絶えず口に入れていたせいだろう。
ワンサイズ上の水着になると、大人っぽい水着とか、布面積が少ない水着が多かった。着てみたい欲に勝てなくて、ビキニを買ってしまった。改めて自分の胸に手をあてる。自分にはビキニを着こなすだけの果実を持ち合わせていなかった。水着売り場のマネキンとは程遠くて、余計に子どもっぽくなってしまった。ロンの隣に似合うような格好をしたかったのに。
行くときに着てきた半袖のパーカーを羽織る。ファスナーを一番上までしっかり上げた。脚にパレオを巻きつける。幾分か大人っぽさを取り戻したと言い聞かせて、更衣室を出た。
「ごめんなさい、待たせたわね」
「いや、今来たとこさ」
同じく水着に着替えていたロンは、引き締まった身体が太陽に照らされていてまぶしかった。
「パーカー、暑くないのかい?」
「べ、べつに、暑くないわ」
「汗ダラダラで言われても、説得力ないよ」
ロンはこめかみに伝っていた私の汗を指ですくい取る。真っ黒なパーカーは強い日差しの熱をすべて受け止め、湿気とともに身体にまとわりつく。
「恋人の水着姿を見られないのは、僕としても寂しいんだが」
ここでしょうがないと思ってしまうのは、惚れた弱みだろうか。それに、これ以上は熱中症になりそうだ。観念してパーカーをゆっくりとひらいていく。恥ずかしいからロンと目を合わせないようにしていたけど、しばらくしても見せろと言ってきた当の本人の声が聞こえてこない。
「やっぱ、似合わないわよね……」
きっと私を傷つけたくなくて、言葉を探しているんだろう。ロンは肝心なときにはっきりと言ってくれない。そのせいで付き合うまで拗れていたほどに。
「わっ、どうしたのよ」
ロンは私の手首をつかんでズカズカと足を進める。慣れない砂浜に足を取られる私を煩わしく思ったのか、途中からお姫様抱っこをされた。着いた先は、人のいないパラソル。
「ちょっと、何するの急にって、いっ……」
足裏に砂の柔らかさを感じたのもつかの間、中途半端にパーカーを脱がされ、肩が露出する。細身ながらも鍛えられた体躯に閉じ込められたかと思えば右肩の後ろに痛みが走った。
「ロン、ここ、人いるからっ」
かなり長い時間、ロンの唇は皮膚を逃さなかった。ようやく離れると、ロンの指先は吸引したところを触れるか触れないかの力で弧を描いた。くすぐったくて、思わず身体がビクッと反応した。
「見えるとこにつけないでよ!」
「じゃあパーカーを着ざるをえないね」
私からは見えないけど、隠せないくらいの濃い跡をつけられたことは察した。肩に届くか届かないかくらいの髪では、散らされた赤を隠すこともできまい。蚊に刺されたといえば、ごまかせるか。いや、むりだろう。蚊に刺されたにしては不自然な大きさのアザであることは、寝起きに鏡に立ったときに散々思い知らされたではないか。
「僕はもう見たからね、他の男に見せる必要はない」
ロンはさっきの巻き戻しをするように、きれいに私にパーカーを着せた。
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