ハッチン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私は今日、高校の友達と一緒に区立DO根性北学園の学園祭に来ている。
DOKONJOFINGERというバンドのライブを楽しみにしている友達の付き添い、という形で私もライブを見に来たわけだけど……ステージに立つハッチンの姿に驚かされた。
それに、同じ小学校だったヤスくんらしき人も……
同級生がメンバーにいるバンドとなるとそれだけで興味は湧くわけで、彼らの音楽を聴く姿勢は、当初の付き添いという気持ちがまるで嘘のように、うまく言えないけど……嬉しい気持ちでいっぱいになりながら楽しんだ。
ハッチンがバンドなんて、本気で音楽をやっているなんて、初めて知った。
小学校、そして中学と一緒の学校で、高校は別になっちゃったけど、割と仲のいい友達の1人だと思っていたのに、こんなふうにギターを弾けるだなんて知らなかった。
初めてハッチンの事をかっこいいと思ったし、感心した。
もちろんハッチン個人を特別な意味でカッコいいと思ったわけじゃない。
それにしても、どこんじょうふぃんがーというバンド名はかっこよくはない。
そう思うのは私だけ?
バンド名に愛着が湧くまでしばらくかかりそうだった。
ライブが終わってから、ハッチンが担当しているというハロウィンコスプレ喫茶に顔を出す予定だったんだけど……既にライブの後の興奮冷めやらぬ女子たちが群がっていて、その熱気に圧倒された私と友達は足を踏み入れる事がとうとうできなかった。
文化祭終了まであまり時間がないし、コスプレ喫茶、興味あったんだけど無理かもなぁ……。
少し疲れてしまった私は、休憩したいから好きなところ見てきていーよと友達に告げ、ちょうど空いていた中庭のベンチに腰を降ろした。
友達に手を振りながらその姿を見送った後、文化祭独特の喧騒を聞きながらぼーっとしていた私のところに、ハロウィンのコスプレ姿のハッチンがやって来た。
「ハロウィンコスプレって聞いてたから、ゾンビとか怖い感じなのかと思ってた。……うん、似合ってる!」
「完璧なコスプレだろっ!?な!?」
完璧かどうかはわかんないけど、カラフルで可愛いくてなかなか似合っているので文句はない。
「コスプレ喫茶、大繁盛で大変そうだったけど、こんな所に居て大丈夫?」
あの様子じゃ未だ熱気冷めやらぬ大勢の女子たちをさばくのに忙しいだろう。
「別にサボってるわけじゃねーからな!トイレに行くのに抜けて来ただけだ。そしたらお前がいるのが見えたから……」
サボってるわけじゃないと言ったはずのハッチンは、私の隣にドカッと腰掛ける。
「ベンチに座っちゃったら、それもうサボりじゃない?」
「サボりじゃねーって!ただベンチに座っただけだろ?」
だから、それをサボりって言うんじゃん!と思ったが、口には出さなかった。
「ねぇねぇ、このプリン、どこで売ってるの?病みつきになるこの甘さ……気に入っちゃった♪」
「だろだろ?!うまいよなー!プリン専門の店なんだけどよー、今度教えてやるよ!」
ハッチンとそんな約束を交わしていたのを、ふと思い出した私。
果たしてハッチンは覚えてくれてるだろうか?
「そういえばあの約束、覚えてる……?」
ハッチンが早く戻らないと忙しくしている他の生徒に悪いよねと思い、本当は早く戻るよう促すべきなんだけど……つい私は尋ねてしまった。
はちみつプリンのお店を教えてくれるというあの約束。
ただお店の場所を教えてもらいたいのではなく、一緒に行きたいなーなんて思っていた私。
もしハッチンが覚えてたら、一緒に行こうと誘ってみようと考えていた。
場所だけ教えてもらって、女友達ときゃーきゃー言いながら行くのもいいけど……
この約束をした時から、ハッチンと一緒に行くのだと勝手に思い浮かべていたのだ。
でも、軽い口約束だから覚えていないかもなぁ……
「はちみつプリンの事か?……もちろん覚えてるっつの!思い出したら食べたくなってきたなー?」
覚えててくれたけど、ハッチンが私を誘ってくれる気配はない。
……いやいや、こんな他力本願じゃダメだよね。
誘おうって決めてたのに、いざとなると断られた時の事を考えてしまって、勇気がでない……。
サラッと言っちゃえばいいじゃん。
例え断られたとしても、傷つく必要ないじゃない。
他の誰かを誘って、甘くて美味しいプリンを食べれば幸せな気分になれるんだから。
そう自分に言い聞かせて、私は口を開く。
「あ、あの……一緒に行こ?そうじゃないと、私が迷子になっちゃう。可哀想でしょ?」
我ながら可愛くない誘い方。
だからと言って、連れて行って♡なんて、可愛く言える自信もないし、口が裂けても言えないとはこの事だと思った。
もちろんその約束は覚えてた。
だけど、オレの方からいつ行く?なんて言えねーし……考えすぎかも知んねーけど、なんつーか、がっついてる男みてーな???
名前は俺のこと男だなんて、そんなこと意識してねーかもしんねーけど……
場所だけ聞いて他の友達と行くつもりだったら、一緒に行こうと言って断られんのダセーし……
そんな理由から、今度教えてやると言ったものの、名前からこの話題が出るまで黙っていようと決めてた。
まさか名前から誘ってくるなんて、思いも寄らなかったけど……
つーかアレだよ。つまりコレって、デートじゃね?デートの約束なんじゃねーの?
そう思うと緊張しちまって、変な汗が出る。
「お、おうっ!オレが案内してやるよ!お前が迷子になったら教えたオレが悪いみたいで嫌だしな!」
気持ちを悟られたくないオレは、なるべくいつもの調子で答えたつもりだ。
「じゃあ、今日の夜にでもまた連絡するね」
そう言いながらベンチから立ち上がった私は、友達の所へ戻る旨を伝え、最後に頑張ってとだけ言ってその場を後にした。
まだ話したい事はあったけど、それはまた今度話せばいい。
そう思うと自然と笑顔になってたんだと思うけど……
何かいい事でもあった?と聞いてきた合流した友達は、もしかしてエスパーなのか!?と、真面目に考えた。
ちょっとだけ、ほんの一瞬ね!
DOKONJOFINGERというバンドのライブを楽しみにしている友達の付き添い、という形で私もライブを見に来たわけだけど……ステージに立つハッチンの姿に驚かされた。
それに、同じ小学校だったヤスくんらしき人も……
同級生がメンバーにいるバンドとなるとそれだけで興味は湧くわけで、彼らの音楽を聴く姿勢は、当初の付き添いという気持ちがまるで嘘のように、うまく言えないけど……嬉しい気持ちでいっぱいになりながら楽しんだ。
ハッチンがバンドなんて、本気で音楽をやっているなんて、初めて知った。
小学校、そして中学と一緒の学校で、高校は別になっちゃったけど、割と仲のいい友達の1人だと思っていたのに、こんなふうにギターを弾けるだなんて知らなかった。
初めてハッチンの事をかっこいいと思ったし、感心した。
もちろんハッチン個人を特別な意味でカッコいいと思ったわけじゃない。
それにしても、どこんじょうふぃんがーというバンド名はかっこよくはない。
そう思うのは私だけ?
バンド名に愛着が湧くまでしばらくかかりそうだった。
ライブが終わってから、ハッチンが担当しているというハロウィンコスプレ喫茶に顔を出す予定だったんだけど……既にライブの後の興奮冷めやらぬ女子たちが群がっていて、その熱気に圧倒された私と友達は足を踏み入れる事がとうとうできなかった。
文化祭終了まであまり時間がないし、コスプレ喫茶、興味あったんだけど無理かもなぁ……。
少し疲れてしまった私は、休憩したいから好きなところ見てきていーよと友達に告げ、ちょうど空いていた中庭のベンチに腰を降ろした。
友達に手を振りながらその姿を見送った後、文化祭独特の喧騒を聞きながらぼーっとしていた私のところに、ハロウィンのコスプレ姿のハッチンがやって来た。
「ハロウィンコスプレって聞いてたから、ゾンビとか怖い感じなのかと思ってた。……うん、似合ってる!」
「完璧なコスプレだろっ!?な!?」
完璧かどうかはわかんないけど、カラフルで可愛いくてなかなか似合っているので文句はない。
「コスプレ喫茶、大繁盛で大変そうだったけど、こんな所に居て大丈夫?」
あの様子じゃ未だ熱気冷めやらぬ大勢の女子たちをさばくのに忙しいだろう。
「別にサボってるわけじゃねーからな!トイレに行くのに抜けて来ただけだ。そしたらお前がいるのが見えたから……」
サボってるわけじゃないと言ったはずのハッチンは、私の隣にドカッと腰掛ける。
「ベンチに座っちゃったら、それもうサボりじゃない?」
「サボりじゃねーって!ただベンチに座っただけだろ?」
だから、それをサボりって言うんじゃん!と思ったが、口には出さなかった。
「ねぇねぇ、このプリン、どこで売ってるの?病みつきになるこの甘さ……気に入っちゃった♪」
「だろだろ?!うまいよなー!プリン専門の店なんだけどよー、今度教えてやるよ!」
ハッチンとそんな約束を交わしていたのを、ふと思い出した私。
果たしてハッチンは覚えてくれてるだろうか?
「そういえばあの約束、覚えてる……?」
ハッチンが早く戻らないと忙しくしている他の生徒に悪いよねと思い、本当は早く戻るよう促すべきなんだけど……つい私は尋ねてしまった。
はちみつプリンのお店を教えてくれるというあの約束。
ただお店の場所を教えてもらいたいのではなく、一緒に行きたいなーなんて思っていた私。
もしハッチンが覚えてたら、一緒に行こうと誘ってみようと考えていた。
場所だけ教えてもらって、女友達ときゃーきゃー言いながら行くのもいいけど……
この約束をした時から、ハッチンと一緒に行くのだと勝手に思い浮かべていたのだ。
でも、軽い口約束だから覚えていないかもなぁ……
「はちみつプリンの事か?……もちろん覚えてるっつの!思い出したら食べたくなってきたなー?」
覚えててくれたけど、ハッチンが私を誘ってくれる気配はない。
……いやいや、こんな他力本願じゃダメだよね。
誘おうって決めてたのに、いざとなると断られた時の事を考えてしまって、勇気がでない……。
サラッと言っちゃえばいいじゃん。
例え断られたとしても、傷つく必要ないじゃない。
他の誰かを誘って、甘くて美味しいプリンを食べれば幸せな気分になれるんだから。
そう自分に言い聞かせて、私は口を開く。
「あ、あの……一緒に行こ?そうじゃないと、私が迷子になっちゃう。可哀想でしょ?」
我ながら可愛くない誘い方。
だからと言って、連れて行って♡なんて、可愛く言える自信もないし、口が裂けても言えないとはこの事だと思った。
もちろんその約束は覚えてた。
だけど、オレの方からいつ行く?なんて言えねーし……考えすぎかも知んねーけど、なんつーか、がっついてる男みてーな???
名前は俺のこと男だなんて、そんなこと意識してねーかもしんねーけど……
場所だけ聞いて他の友達と行くつもりだったら、一緒に行こうと言って断られんのダセーし……
そんな理由から、今度教えてやると言ったものの、名前からこの話題が出るまで黙っていようと決めてた。
まさか名前から誘ってくるなんて、思いも寄らなかったけど……
つーかアレだよ。つまりコレって、デートじゃね?デートの約束なんじゃねーの?
そう思うと緊張しちまって、変な汗が出る。
「お、おうっ!オレが案内してやるよ!お前が迷子になったら教えたオレが悪いみたいで嫌だしな!」
気持ちを悟られたくないオレは、なるべくいつもの調子で答えたつもりだ。
「じゃあ、今日の夜にでもまた連絡するね」
そう言いながらベンチから立ち上がった私は、友達の所へ戻る旨を伝え、最後に頑張ってとだけ言ってその場を後にした。
まだ話したい事はあったけど、それはまた今度話せばいい。
そう思うと自然と笑顔になってたんだと思うけど……
何かいい事でもあった?と聞いてきた合流した友達は、もしかしてエスパーなのか!?と、真面目に考えた。
ちょっとだけ、ほんの一瞬ね!
2/2ページ