俺だけを
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『シャチ!』
「ん?どうした桜?」
『あのね、この町って安全だった?』
「は?」
今朝早くついた島の町の安全性をシャチに尋ねる。
…ローやペンギンだと企みがバレちゃうから。
「安全だったけど…なんでだ?」
『あ、えーっと…ほ、ほら!安全だったら後でローとお出かけ出来るから!』
「あぁ、そういう事か!ったく、本当ラブラブだよなぁー。」
バシバシと私の背中を叩くシャチに苦笑いを浮かべる。…ち、力が強いから痛い…!!
シャチと別れた後、食堂でペンギンと話すローにバレないようにこっそり船を降りて町へと向かう。
…本当は男装したかったけど、ローにバレたらアウトだから出来なかった。
『わぁ…!』
町は小さいながらも活気に溢れていて、歩いているだけでとてもワクワクする!
『…っと、ゆっくりしていられないんだった。』
私はキョロキョロと辺りを見回して、目的のお店を探した。
-------
目的の品物を購入した帰り道。
ローにバレる前に船に戻ろうと足早に歩いていたら、男の人に声をかけられた。
「こんにちは、良い天気だね。」
『え?えぇ、そうですね。』
「…俺、実は方向音痴でさ。花屋に行くつもりだったんだけど迷っちゃって…道、知らない?」
『ごめんなさい!私、今朝この島についたばかりで…』
「うわ、そうだったんだ!ごめんね!」
『いえいえ、私こそお役に立てず…』
「気にしないでよ、他の人にも聞いてみるし。…でも、そうだな…気にさせちゃったお詫びにお茶でもご馳走させてくれない?」
『そ、そんな!貴方こそお気になさらず!』
「…だってお姉さん、泣きそうなくらい申し訳なさそうな顔してるから。」
はは、と爽やかに笑う彼に咄嗟に両頬を押さえた。
「そんなに気にさせちゃったならなにかお詫びしないと俺の気が済まないよ。」
『で、でも…』
「あ、心配しなくても本当にお茶するだけだよ?」
だから行こう、と彼が私に手を伸ばした瞬間。
後ろからグイッと強い力で誰かに引き寄せられる。
「…お前、何ナンパされてんだよ。」
聞き慣れた、けどいつもより低いその声に…一瞬で私の身体は硬直した。