その先はまだ(LoSサガ夢)
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むっと頬を膨らませ、麗子はクッションを抱きながらベッドに転がった。
机には開いたままの参考書、傍にはカッチリとしたシャツとネクタイを着こなす男。
麗子は寝転がったまま、スマホを片手に書類を眺めるサガを見る。ジャケットこそ脱いでいるが、これから商談にでも行くような格好だ。今日は休日の筈だが、仕事なのだろうか。
ならば予定をキャンセルして自宅なり会社なりですれば良いのに。わざわざこの部屋に来てまですることはないだろうと思う。
暫くじっと見つめていると、サガは溜め息を吐いて視線を動かした。
「お嬢様、勉強なさらないというなら私は社に戻ります」
あえて此処にいる必要もないでしょう、とわざとらしく嫌みな発言をする男に麗子は唇を尖らせた。
「そんなに私と二人でいるのが嫌なの?」
「私は専務から貴女の家庭教師を頼まれて此処に居るのです。その事をお忘れなく」
秀麗な彼の眉が僅かに釣り上がる。
仕事でトラブルでもあったのだろう。いつもより機嫌が悪い。
父曰く、会社では人格者と評判も良く能力も高い。所謂エリートで自慢の部下。らしいが、二人で居るとどうも猫を被って過ごしているらしいことがよく分かった。
「嫌なら嫌って、お父さんにそう言えば良いでしょう?」
「私からお父上にそのような事が言えるとでも?」
言える筈がない。そんなことは分かっているが、どうしても言葉に棘が出る。
寝返りをうって男に背を向けると、また溜め息が聞こえてきた。けれど次に彼が吐き出したのは予想していたよりも幾分優しい言葉だった。
「その気になれば直ぐに終わるのだから、あまり駄々を捏ねないでくれ」
その分共に居る時間が減ってしまうが良いのか、と。
父の部下としてではない、家庭教師としての砕けた口調になったことで渋々彼女は起き上がり、机に向かう。
「君の学力ならわざわざ家庭教師など必要ないだろうに……」
自分も暇ではない、と言外に言ったことに対しては事実であるので特に何も思いはしない。
忙しい彼に手間を掛けさせていることに多少の罪悪感がないでもない。
しかしサガに想いを寄せる数多の女達に比べ、共に過ごす時間が多いということは間違いなく、優越感を抱いているのも事実。
その点に関しては父に感謝していた。
……それも自分の大学受験が終わるまで、と考えれば虚しさもあるが。
上司の娘。年の差。
障害は数え出せばキリがない。
それでも……。
「……好きなんだもの……」
「……は?」
つい口から出た言葉にしまった、と思うが既に遅い。余計な事を考えずに集中しろ、とそう怒られるに決まっている。
しかし恐る恐る顔を上げた先にあったのは、目を丸くしてこちらを見ているサガという珍しいものだった。
サガは普段あまり感情を表に出さない。なのでついじっと見つめ返してしまった。時間としてはそう長いものではなかったに違いないが、状況を理解したサガが背を向けるまで麗子は食い入るようにサガの顔を見ていた。
「……早く今日の分を終わらせてしまってください」
それだけ言うと、サガは誰かに電話を掛けた。英語で話しているようなので取引先か何処かなのだろう。
邪魔をしてはいけないと課題に集中する。
……終わったら話を聞いてくれる、ということなのか、それとも聞かなかったことにするという意味なのか。
どちらか分からぬまま、ノルマを終える頃にはサガは電話を終えていた。
「これで終了ですね。特に不正解もありませんし、よく頑張りました」
全く心の篭っていない褒め言葉。
敬語に戻ってしまった口調に胸が苦しくなった。
「ねえ、サガ……きゃっ!?」
ぐい、と肩を掴まれ引き寄せられる。
気付けば身体はすっぽりとサガの腕の中だ。
「お前はどうも私のペースを乱すのが得意らしいな」
心底呆れたような口ぶりに戸惑っていると、サガが片手でネクタイを外した。え、と思い顔を見上げると視線が重なる。同時にサガの唇が弧を描き、片手が後頭部に回された。
「んっ……」
初めは触れるだけのキス。そこから徐々に深く。角度を変えて。
慣れぬ行為について行けず、麗子はされるがままだ。まだ幼さの残る少女の口内を貪る男の正体を知る者は一体何人居るだろうか。
暫くして唇が離れると、二人の間を銀糸が繋いだ。
初めてではないといえども、数える程しか経験のない行為に麗子は顔を赤く染めた。恥ずかしさに目線を彷徨わせる姿がサガの征服欲を刺激するとは気付かない。
「そろそろ慣れたらどうだ?」
「だって、んんっ……!」
サガは再び麗子に口付けると、痛みを与えないよう優しく床に押し倒した。
全くもって、この男は紳士なのかそうではないのか。一応“恋人”と呼べる関係になった筈なのに麗子にはよく分からなかった。
机には開いたままの参考書、傍にはカッチリとしたシャツとネクタイを着こなす男。
麗子は寝転がったまま、スマホを片手に書類を眺めるサガを見る。ジャケットこそ脱いでいるが、これから商談にでも行くような格好だ。今日は休日の筈だが、仕事なのだろうか。
ならば予定をキャンセルして自宅なり会社なりですれば良いのに。わざわざこの部屋に来てまですることはないだろうと思う。
暫くじっと見つめていると、サガは溜め息を吐いて視線を動かした。
「お嬢様、勉強なさらないというなら私は社に戻ります」
あえて此処にいる必要もないでしょう、とわざとらしく嫌みな発言をする男に麗子は唇を尖らせた。
「そんなに私と二人でいるのが嫌なの?」
「私は専務から貴女の家庭教師を頼まれて此処に居るのです。その事をお忘れなく」
秀麗な彼の眉が僅かに釣り上がる。
仕事でトラブルでもあったのだろう。いつもより機嫌が悪い。
父曰く、会社では人格者と評判も良く能力も高い。所謂エリートで自慢の部下。らしいが、二人で居るとどうも猫を被って過ごしているらしいことがよく分かった。
「嫌なら嫌って、お父さんにそう言えば良いでしょう?」
「私からお父上にそのような事が言えるとでも?」
言える筈がない。そんなことは分かっているが、どうしても言葉に棘が出る。
寝返りをうって男に背を向けると、また溜め息が聞こえてきた。けれど次に彼が吐き出したのは予想していたよりも幾分優しい言葉だった。
「その気になれば直ぐに終わるのだから、あまり駄々を捏ねないでくれ」
その分共に居る時間が減ってしまうが良いのか、と。
父の部下としてではない、家庭教師としての砕けた口調になったことで渋々彼女は起き上がり、机に向かう。
「君の学力ならわざわざ家庭教師など必要ないだろうに……」
自分も暇ではない、と言外に言ったことに対しては事実であるので特に何も思いはしない。
忙しい彼に手間を掛けさせていることに多少の罪悪感がないでもない。
しかしサガに想いを寄せる数多の女達に比べ、共に過ごす時間が多いということは間違いなく、優越感を抱いているのも事実。
その点に関しては父に感謝していた。
……それも自分の大学受験が終わるまで、と考えれば虚しさもあるが。
上司の娘。年の差。
障害は数え出せばキリがない。
それでも……。
「……好きなんだもの……」
「……は?」
つい口から出た言葉にしまった、と思うが既に遅い。余計な事を考えずに集中しろ、とそう怒られるに決まっている。
しかし恐る恐る顔を上げた先にあったのは、目を丸くしてこちらを見ているサガという珍しいものだった。
サガは普段あまり感情を表に出さない。なのでついじっと見つめ返してしまった。時間としてはそう長いものではなかったに違いないが、状況を理解したサガが背を向けるまで麗子は食い入るようにサガの顔を見ていた。
「……早く今日の分を終わらせてしまってください」
それだけ言うと、サガは誰かに電話を掛けた。英語で話しているようなので取引先か何処かなのだろう。
邪魔をしてはいけないと課題に集中する。
……終わったら話を聞いてくれる、ということなのか、それとも聞かなかったことにするという意味なのか。
どちらか分からぬまま、ノルマを終える頃にはサガは電話を終えていた。
「これで終了ですね。特に不正解もありませんし、よく頑張りました」
全く心の篭っていない褒め言葉。
敬語に戻ってしまった口調に胸が苦しくなった。
「ねえ、サガ……きゃっ!?」
ぐい、と肩を掴まれ引き寄せられる。
気付けば身体はすっぽりとサガの腕の中だ。
「お前はどうも私のペースを乱すのが得意らしいな」
心底呆れたような口ぶりに戸惑っていると、サガが片手でネクタイを外した。え、と思い顔を見上げると視線が重なる。同時にサガの唇が弧を描き、片手が後頭部に回された。
「んっ……」
初めは触れるだけのキス。そこから徐々に深く。角度を変えて。
慣れぬ行為について行けず、麗子はされるがままだ。まだ幼さの残る少女の口内を貪る男の正体を知る者は一体何人居るだろうか。
暫くして唇が離れると、二人の間を銀糸が繋いだ。
初めてではないといえども、数える程しか経験のない行為に麗子は顔を赤く染めた。恥ずかしさに目線を彷徨わせる姿がサガの征服欲を刺激するとは気付かない。
「そろそろ慣れたらどうだ?」
「だって、んんっ……!」
サガは再び麗子に口付けると、痛みを与えないよう優しく床に押し倒した。
全くもって、この男は紳士なのかそうではないのか。一応“恋人”と呼べる関係になった筈なのに麗子にはよく分からなかった。
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