Is this destiny or the punishment of the goddess?
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「だれ……?」
祈るような声が聞こえた気がした。助けてと言う誰かの声が。
幼く未熟な少年には兄たちのような力はまだない。
どこから聞こえてくるのだろう、と辺りを見回すもそれらしい姿はなかった。
気の所為か。
そう思って先を行く二人の後を追おうとした時、頭の中に映像が浮かんだ。
どこか薄暗い場所で泣いている、自分より小さな子供。
ほんの一瞬だけ見えたその光景に胸がざわついた。
もし自分が迷子になったとしたら、兄は必死に探してくれるに違いない。
帰り道が分からなくても、待っていれば必ず見つけてもらえる。
それは確信ではなく事実だ。圧倒的な力を持つ兄か、或いはその親友 が。
勿論、沢山叱られるだろう。それでも絶対に助けてくれる。無事でよかったと抱き締めてくれる。
……けれどあの子はどうだろう。
心配して探してくれる人が居ないわけではないと思う。
しかし果たして、兄たちのように見つけられる力を持っているだろうか。
「……兄さん! サガ!」
もしかしたら、誰かが直ぐに見つけてくれるかもしれない。
でも自分が見なかったことにしたら、あの子は長い時間あの場所で泣いているままかもしれない。
そんなことにはしたくなかった。させてはいけないと思った。
いつか自分も、兄たちのような聖闘士 になるのだから。
「どうした、アイオリア?」
後ろを歩いていた弟の呼びかけにアイオロスは立ち止まる。
振り返って問いかけてみれば、弟は幼い顔に鬼気迫る表情を乗せていた。
「泣いてるんだ」
「え……?」
「兄さん、だれか泣いてる」
兄を見上げ、必死に訴えてくる弟。その様子はとても嘘だとは思えない。
しかし誰かの泣き声などアイオロスには聞こえなかった。
「お前はどうだ?」
怪訝に思い、隣にいるサガに声をかける。しかし当のサガはアイオロスの声が聞こえているのか否か。眉間に皺を寄せて辺りを見回していた。
「サガ?」
「確かに聞こえる……。」
無意識の内に、と言った風に呟いた言葉にアイオロスも周りを見渡した。
此処は村の広場にあたる場所なので当然子供も居る。だが、泣いている子は見当たらない。
「サガ、本当に……っておい!」
視線を親友に戻した時には既に姿はなく、走り出した後。
特徴的な青銀の髪が今にも見えなくなりそうだった。
「……追いかけるぞ」
いつもは自分が彼を振り回しているだけに悪態を吐く訳にもいかず。
アイオロスはぐしゃっと髪を掻き乱すと、弟を抱き上げてサガの後を追った。
「……さっきより声が大きくなってる……。」
市場の方に出ると、不安そうにアイオリアが呟いた。
しかし常人より秀でている筈のアイオロスの耳は子供の泣き声を拾ってはくれず、聞こえてくるのは人々の喧騒ばかり。
ついつい幼い弟に対して疑いの感情が前面に出てしまう。
「本当か? さっきより賑やかで余計聞こえないぞ?」
兄から訝しげな反応を返されたアイオリアはムッとした様子で本当に聞こえるんだ、と身を乗り出した。
「アイオリア、どの方向から聞こえる?」
「サガ!?」
突然聞こえた声にアイオロスは飛び上がった。
親友の姿を見失い、困り果てていたところだ。戻って来てくれたのは良いが、あまり驚かせないで欲しい。
なんとも釈然としない兄に反して弟は驚いた風もなく、兄に降ろしてくれと訴える。そして抱かれていた腕から解放されると真剣に辺りを見回した。
「こっち、こっちから聞こえる!」
方向を特定したアイオリアは兄たちの返事を待たずに走り出した。アイオロスはまたかと頭を抱えたくなる。
歩幅が違う分、先程よりは楽であるがのんびりしていては流石に見失ってしまう。
年長者二人は顔を見合せるとアイオリアの後に続いて人波を進んでいった。
祈るような声が聞こえた気がした。助けてと言う誰かの声が。
幼く未熟な少年には兄たちのような力はまだない。
どこから聞こえてくるのだろう、と辺りを見回すもそれらしい姿はなかった。
気の所為か。
そう思って先を行く二人の後を追おうとした時、頭の中に映像が浮かんだ。
どこか薄暗い場所で泣いている、自分より小さな子供。
ほんの一瞬だけ見えたその光景に胸がざわついた。
もし自分が迷子になったとしたら、兄は必死に探してくれるに違いない。
帰り道が分からなくても、待っていれば必ず見つけてもらえる。
それは確信ではなく事実だ。圧倒的な力を持つ兄か、或いはその
勿論、沢山叱られるだろう。それでも絶対に助けてくれる。無事でよかったと抱き締めてくれる。
……けれどあの子はどうだろう。
心配して探してくれる人が居ないわけではないと思う。
しかし果たして、兄たちのように見つけられる力を持っているだろうか。
「……兄さん! サガ!」
もしかしたら、誰かが直ぐに見つけてくれるかもしれない。
でも自分が見なかったことにしたら、あの子は長い時間あの場所で泣いているままかもしれない。
そんなことにはしたくなかった。させてはいけないと思った。
いつか自分も、兄たちのような
「どうした、アイオリア?」
後ろを歩いていた弟の呼びかけにアイオロスは立ち止まる。
振り返って問いかけてみれば、弟は幼い顔に鬼気迫る表情を乗せていた。
「泣いてるんだ」
「え……?」
「兄さん、だれか泣いてる」
兄を見上げ、必死に訴えてくる弟。その様子はとても嘘だとは思えない。
しかし誰かの泣き声などアイオロスには聞こえなかった。
「お前はどうだ?」
怪訝に思い、隣にいるサガに声をかける。しかし当のサガはアイオロスの声が聞こえているのか否か。眉間に皺を寄せて辺りを見回していた。
「サガ?」
「確かに聞こえる……。」
無意識の内に、と言った風に呟いた言葉にアイオロスも周りを見渡した。
此処は村の広場にあたる場所なので当然子供も居る。だが、泣いている子は見当たらない。
「サガ、本当に……っておい!」
視線を親友に戻した時には既に姿はなく、走り出した後。
特徴的な青銀の髪が今にも見えなくなりそうだった。
「……追いかけるぞ」
いつもは自分が彼を振り回しているだけに悪態を吐く訳にもいかず。
アイオロスはぐしゃっと髪を掻き乱すと、弟を抱き上げてサガの後を追った。
「……さっきより声が大きくなってる……。」
市場の方に出ると、不安そうにアイオリアが呟いた。
しかし常人より秀でている筈のアイオロスの耳は子供の泣き声を拾ってはくれず、聞こえてくるのは人々の喧騒ばかり。
ついつい幼い弟に対して疑いの感情が前面に出てしまう。
「本当か? さっきより賑やかで余計聞こえないぞ?」
兄から訝しげな反応を返されたアイオリアはムッとした様子で本当に聞こえるんだ、と身を乗り出した。
「アイオリア、どの方向から聞こえる?」
「サガ!?」
突然聞こえた声にアイオロスは飛び上がった。
親友の姿を見失い、困り果てていたところだ。戻って来てくれたのは良いが、あまり驚かせないで欲しい。
なんとも釈然としない兄に反して弟は驚いた風もなく、兄に降ろしてくれと訴える。そして抱かれていた腕から解放されると真剣に辺りを見回した。
「こっち、こっちから聞こえる!」
方向を特定したアイオリアは兄たちの返事を待たずに走り出した。アイオロスはまたかと頭を抱えたくなる。
歩幅が違う分、先程よりは楽であるがのんびりしていては流石に見失ってしまう。
年長者二人は顔を見合せるとアイオリアの後に続いて人波を進んでいった。
