良亜美
『うさぎちゃんと衛さんのような』
そんな関係に憧れなかった訳じゃないの。
皆みたいに恋がしたいって、思わなかった訳じゃない。
それでも、どうしても一歩は踏み出せなかった。
怖くて、不安で……ううん。本当は分かってた。
好きな人、居ないの?恋は?
誰かにそう聞かれる度に、ちらつく顔があったから。
でも私は、私だけは。
そう言い訳して、気持ちに蓋をして。
気が付かないフリをしてた。
……初めて彼らを見た時。
こんな事ってあるのかしら、という程、強く惹かれたの。
でもこれは恋じゃない。
相手は芸能人だから。
アイドルだから。
叶う筈のない、ただの憧れ。
自分にそう言い聞かせて、ファンクラブにも入って。
今思うと、本当にらしくないって思う。
けれど、それくらい彼らは輝いていたから……。
仲良くなって、お互いを知って、ぶつかり合って。
どうしたら良いのか分からなくて、でも分かって欲しくて。
我武者羅になる自分を顧みた時。
もしここに、隣に貴方が居たらって思った。
会いたかったけど、私から会いには行けなかった。
探すことすら出来なかった。
「……誰ですか?」
……貴方にそう言われるのが怖くて。
貴方が私を覚えていないという事実を知りたくなくて。
本当は分かってたの。
皆が楽しそうに語る、恋の相手。
私にとっては、貴方だったってこと。
私にとって貴方は、かけがえのない、たった一人の人だってこと。
大きな戦いが終わって、やっとの想いで分かり合えて。
……そして訪れる別れは必然だった。
彼らには彼らの使命がある。
私たちにも『私たちのプリンセスを守る』という使命があるように。
あの時……泣き腫らしたプリンセス の顔を見た時。
この子の為に生きよう、って、そう思ったの。
私は、私の心を優先したりしない。
もうこの気持ちには蓋をして開かないでおこう。
その方が貴方の為でもあるから、って……。
取り戻した平和、戻ってきた日常。
そんな中で偶然見つけた名前。
外部模試の結果発表で一人だけ、全教科満点の人がいたの。
震える手を、熱くなる目頭を必死に抑えたわ。
今にも溢れそうな気持ちにも気付いてないフリをした。
見てはいけないと、気にしてはいけないと自分に言い聞かせて。
心が悲鳴を上げていたけれど、聞こえなかったフリをした。
……なのに、その蓋を開け放ってくれたのも親友 だった。
「好きな気持ちを我慢しちゃダメ!」
遠い昔、守護戦士 が言っていた事とは真逆の事を言われたの。
私は、何て返したら良いのか分からなかった。
ただ、ポロポロと涙を流すしか出来なかった。
震える背中を撫でてくれる手は、とても暖かくて、まるでお母さんの胸に縋っているようで……。
……そして、そんなことがあった後も、うさぎちゃんは変わらずに接してくれた。
でもそれとなく気にかけてもくれて…………。
そんなある日。
私は奇跡だと思った。夢じゃないかって。
繰り返す沢山の出遭いと別離れ。
何も疑問には思わなかった。
沢山ある出遭いの一つ。
先生の後ろで教室の扉をくぐった、貴方の顔を見るまでは。
「今日から十番高校に転校してきました。浦和良です。どうぞよろしくお願いします。」
そう自己紹介して、暖かくクラスに迎え入れられた転校生は私が誰よりも会いたいと願っていた貴方だった。
人前だというのに涙を流しそうになった私は、恥ずかしいけどその日の一限目の記憶が全くない。
気付いた時にはもう休み時間で、貴方が私の眼の前に立っていたの。
そして再会した貴方は、私が初めましてを言う前に
「お久しぶりです、亜美さん。」
って、そう言って笑ってくれたから……。
私は生まれて初めて、恋がこんなに素敵なものなんだと実感したの。
そんな関係に憧れなかった訳じゃないの。
皆みたいに恋がしたいって、思わなかった訳じゃない。
それでも、どうしても一歩は踏み出せなかった。
怖くて、不安で……ううん。本当は分かってた。
好きな人、居ないの?恋は?
誰かにそう聞かれる度に、ちらつく顔があったから。
でも私は、私だけは。
そう言い訳して、気持ちに蓋をして。
気が付かないフリをしてた。
……初めて彼らを見た時。
こんな事ってあるのかしら、という程、強く惹かれたの。
でもこれは恋じゃない。
相手は芸能人だから。
アイドルだから。
叶う筈のない、ただの憧れ。
自分にそう言い聞かせて、ファンクラブにも入って。
今思うと、本当にらしくないって思う。
けれど、それくらい彼らは輝いていたから……。
仲良くなって、お互いを知って、ぶつかり合って。
どうしたら良いのか分からなくて、でも分かって欲しくて。
我武者羅になる自分を顧みた時。
もしここに、隣に貴方が居たらって思った。
会いたかったけど、私から会いには行けなかった。
探すことすら出来なかった。
「……誰ですか?」
……貴方にそう言われるのが怖くて。
貴方が私を覚えていないという事実を知りたくなくて。
本当は分かってたの。
皆が楽しそうに語る、恋の相手。
私にとっては、貴方だったってこと。
私にとって貴方は、かけがえのない、たった一人の人だってこと。
大きな戦いが終わって、やっとの想いで分かり合えて。
……そして訪れる別れは必然だった。
彼らには彼らの使命がある。
私たちにも『私たちのプリンセスを守る』という使命があるように。
あの時……泣き腫らした
この子の為に生きよう、って、そう思ったの。
私は、私の心を優先したりしない。
もうこの気持ちには蓋をして開かないでおこう。
その方が貴方の為でもあるから、って……。
取り戻した平和、戻ってきた日常。
そんな中で偶然見つけた名前。
外部模試の結果発表で一人だけ、全教科満点の人がいたの。
震える手を、熱くなる目頭を必死に抑えたわ。
今にも溢れそうな気持ちにも気付いてないフリをした。
見てはいけないと、気にしてはいけないと自分に言い聞かせて。
心が悲鳴を上げていたけれど、聞こえなかったフリをした。
……なのに、その蓋を開け放ってくれたのも
「好きな気持ちを我慢しちゃダメ!」
遠い昔、
私は、何て返したら良いのか分からなかった。
ただ、ポロポロと涙を流すしか出来なかった。
震える背中を撫でてくれる手は、とても暖かくて、まるでお母さんの胸に縋っているようで……。
……そして、そんなことがあった後も、うさぎちゃんは変わらずに接してくれた。
でもそれとなく気にかけてもくれて…………。
そんなある日。
私は奇跡だと思った。夢じゃないかって。
繰り返す沢山の出遭いと別離れ。
何も疑問には思わなかった。
沢山ある出遭いの一つ。
先生の後ろで教室の扉をくぐった、貴方の顔を見るまでは。
「今日から十番高校に転校してきました。浦和良です。どうぞよろしくお願いします。」
そう自己紹介して、暖かくクラスに迎え入れられた転校生は私が誰よりも会いたいと願っていた貴方だった。
人前だというのに涙を流しそうになった私は、恥ずかしいけどその日の一限目の記憶が全くない。
気付いた時にはもう休み時間で、貴方が私の眼の前に立っていたの。
そして再会した貴方は、私が初めましてを言う前に
「お久しぶりです、亜美さん。」
って、そう言って笑ってくれたから……。
私は生まれて初めて、恋がこんなに素敵なものなんだと実感したの。
