OW




 時刻は23時を回った頃。約束通り家にやってきたウーヤンの手を引く。
 明日はウーヤンの誕生日だ。少々女々しいが、日付が変わる瞬間くらい一緒にいたかった。だから、用事が終わったら家に来て欲しいと誘ったのだ。
「ミズキ?」
「なあ、お前明日誕生日なんだろ?祝ってやるよ」
「そ、そうだけど」
 ケーキだとか誕生日らしいものは用意していない。どうせ後程パーティーでもするのだろうから、それだったら俺にしか出来ないことをしたかった。
 手を引っ張って、そのまま寝室へ引き摺り込むと、布団に彼を押し倒す。うっ、と小さく呻いた後、驚いたように瞬きをする彼の唇にキスを落とす。否定はさせない。肯定しか許さない。
「みず、っ」
 名前を呼ぼうとする口に舌を差し込んで歯列をなぞる。手を絡めて握りしめれば握り返されて、それがとにかく嬉しいなんて。ふっと微笑んで、ぎこちなく動く舌を絡め取る。ぞわぞわと鳥肌が立って、気持ちが昂る。焦れて焦れて、早く気持ち良くなりたくて仕方がない。もうダメなんだ、とっくにダメになっている。
 名残惜しいと思いながらも離れると、二人の間を繋ぐように銀の橋がかかった。
「ミズキ」
「忘れられない夜にしちゃる」
 そう囁いて、服の上から陰茎をまさぐれば既に芯を持ち始めていた。良かった、嫌じゃないみたいだ。
 そうして焦らすように陰茎を撫でていけば、少しづつ彼の息が乱れてくる。あは、可愛い。そう思って微笑みながらズボンを下ろせば、目の前に勃ち上がったそれが現れた。思わずごくりと喉を鳴らす。腹の奥がずくりと疼いて仕方がない。少し躊躇った後、その剛直に舌を這わせる。しょっぱい。汗の香りと、精の青臭さ。でも、嫌いじゃない。
「はぁっ、♡」
 もっと欲しくて、尿道口をほじるように舌を動かす。滲んだそれを唾液と共に飲み込んで、見上げれば欲に濡れた二つの瞳がこちらを見ていた。伸ばされた手、髪を掻き分けるように撫でられて、気持ち良さに目を閉じる。
 先端にしゃぶりついて、ゆっくり飲み込んでいく。飲み込みきれない場所は唾液を絡めた手で刺激して、満足してくれるように動かす。
「凄い、気持ちいい」
「うぐっ、んんっ」
 苦味の増す口内に、彼の限界が近いのを察した。とっととイッちまえ。視線を合わせたまま、ミルクを飲む子猫のようにじゅっと吸い付けばその時は来た。
 口内で弾けるように精が吐き出される。それを噎せないようにゆっくり飲み下して、腹に納めていく。熱い。食道が焼けるんじゃないかってくらい。孕む。孕んでしまう。そう錯覚さえ抱きながら、時間をかけて飲み終わると、口を離してうっそり微笑んだ。
「ごちそーさん」
「そんな、飲まなくてもいいのに」
「俺がしたいの」
 体勢を変えて馬乗りになるとスラックスを下ろす。もう後ろは準備万端だ。何時でも挿入れられる。見せ付けるように指で柔らかくなったそこを開けば彼はごくりと喉を鳴らした。触れようと伸ばされた手を取って、そのまま入り口を陰茎に押し付ける。
「ウーヤン、誕生日おめでとう」
「っ、こんな誕生日プレゼント貰うと思わなかった」
「嫌?」
「そんなわけないだろ」
 ぐぷりと音を立てて先端が飲み込まれていく。仕込んだローションのお陰で引っ掛かることなく飲み込まれていくそれに酔いしれる。
 でも、俺が気持ちいいだけじゃダメだから。絶妙な力加減で締め付けながら、ゆっくり腰を下ろしていく。
「はぁっ♡あぁ、あぐっ……♡」
 気持ちいい所に先端が掠めて、腰が抜けそうになるのを気合いで耐える。ぷるぷると笑う膝を軽く叩いて、結合部が見えるように開脚をした。
 もう少しで全部飲める。そう思った瞬間、ウーヤンがいたずらに腰を動かす。
「ああっ!ん、うっ♡お前は動くなっ♡」
「んなの無理だろ!」
「ダメ、俺がするの♡」
 危なかった。危うくいつもみたいに訳がわからなくなるところだった。最初の頃は慣れていないのもあって自分が主導権を握っていたが、最近はひっくり返されることも増えてきた。でも、今日はちゃんと奉仕したい。
 奥まで飲み込んで、一息つくと腰を持ち上げる。そうしてまた奥まで飲み込んで、それを締め付けながら何度も繰り返す。
「ん、う♡ぐっ、あ♡んっ!♡うぅっ、見て♡」
「言われなくても見てるって」
 媚びきった声が止められない。でもそれも喜ぶのを知っているから。だから止めなくてもいいだろう。
「はぁっ、えろ。なぁ、本当に動いちゃダメなのか?」
「わけわかんなくなるから、だめ♡」
「もっと気持ち良くなるぜ?」
「だめっ」
 静止が意味ないことなんて知っている。こんなの、茶番でしかない。はあっと息を吐いた瞬間、ばつんと剛直に貫かれて、身体を震わせた。
「~~~~っ!♡♡」
「ほら、気持ちいい」
 途端に言うことを聞かなくなる身体、ぐらりとそのまま前方に倒れ込んで、彼の胸に汗ばんだ額を押し付ける。ああ、だめだこれ。なんも考えられん。
 いつもとは違うとこをごりごり削られて、訳がわからなくなる。もう口からは意味のなしていない、あ、だとかう、だとか言う音しか出せない。
 気持ちが良い。焼ける。可笑しくなる。
「ぐ、ん~~~~っ!♡♡う、やん♡♡それらめ♡♡」
「ははっ、可愛い」
 ぱちゅぱちゅと腰を打ち付けられて、身体の奥底から震えがくる。絶頂の気配に身体中の毛穴が開くような感覚がする。あ、だめだくる。唾液を垂れ流しながら好き勝手に動かれて、ギクリと身体が強張った。
「っ、~~~~!♡♡♡やっ、あーーーっ、!♡♡」
 目の前に火花が散って、弾けて飛んだ。精を出さずにイッたのか、メスイキの波に頭が溶かされていく。気持ちいい、気持ち良すぎて怖い。宙ぶらりんになった身体をがっつり掴まれて、また腰を打ち付けられた。
「ぐあ、ーーーっ!♡♡♡それ、やばいけん♡♡♡」
「気持ちいい?」
 こくこくと壊れたように首を振る。奥が開く感覚に、逃げたくなるが逃がして貰えるわけもなく、そのまま結腸口を貫かれた。
「~~~~っ!♡♡あ゛あ゛~~~っ、♡♡」
「すごい声っ、可愛い」
 ボロボロと涙が溢れ落ちて彼の服に染みをつくっていく。でも、そんなの気にしていられないくらいに気持ちいい。
 ぐぽりと嫌な音が身体の奥からして、瞬間どうしようもないくらいの快感に襲われて、怖くてしがみついた。
「おぐっ♡♡♡」
 ぎゅっと服を掴んで快感の波に耐えようとするが、そんなの爆発的な気持ち良さの前では小さな足掻きでしかなくて。酷い声を上げながら揺さぶられる。
「はぁ、ミズキ、」
「きゃ、う♡♡♡うーやん♡♡こんなの可笑しくなるけん♡♡」
「いいよ。おかしくなって」
 俺しか見てないからさ、なんて続けられて、目の前がチカチカ明滅する。ぎゅーっと足先が丸まって、でかい絶頂に身体をしならせた。
「い、あ~~~っ♡♡♡」
「ミズキ、すき」
 びくびくと身体の奥で出されている感覚がある。多幸感に襲われて、頭が可笑しくなってしまったみたいに白に塗りつぶされていく。
「すいとーと、すいとーと♡♡」
「かわいっ、なあ、も一回してもいい?」
 こくこくと頷いて、差し出された手にすり寄る。何処を触られても気持ちが良くて、思わず鼻を啜った。
「誕生日、だから♡♡すきにして、いいけん♡♡」
「そんなに言われたら抱き潰しちゃうだろぉ。ミズキも誕生日会行くんだから」
「いくけど、♡♡大丈夫やけん♡♡すきにして♡♡」
 身体のナカでウーヤンのそれが硬さを増したのがわかった。あっ♡と喉の奥から期待にまみれた声が漏れて、ふと捕食者の瞳と目が合う。ぞわりと鳥肌が立って、身体を震わせたのだった。

3/21ページ
スキ