アークナイツ
※心恋(うらごい)ーー心に恋しく思うさま。また、何となく恋しく思うさま。
7/21ネタ
奴が用事とやらで外に出てからもうすぐ一週間になる。詳しい事は敢えて聞く程でもないと問わなかったが、予定ではそろそろ帰ってくる筈であった。それが3日程延びると言うのだ。
オペレーター経由で伝えられたそれを詳しく聞けば、どうも悪天候に阻まれているらしい。元より心配はしていないが、怪我ではないから安心しろとまで言われてしまえば、そうかとしか言えなかった。
長兄が居なくても、ここには常々複数名の代理人が滞在している。だから毎日話題には事欠かない。妹弟達を除いてわざわざ私に話し掛けてくる者は余り居ないが、特段困っているわけではなく、それで良いと思っている。それでも、何かが足りない。
答えは出ているけれど認めたく無くて見ないふりを決め込んでいたが、それも限界が来ている。たった一週間でこうなるとは思っていなかったが、それだけ奴に毒されていたのだろう。
「ウァン、なんだか上の空だね」
端末を叩きながらドクターが言う。バイザーで顔を隠したこの人間はロドスの頭脳である。戦場に立てばその並々ならぬ才で自軍を勝利に導く将たる者だが、その実仕事中毒の変人に他ならない。
「体調優れない?自室で休んでいていいよ?」
「いや、問題ない」
「それとも重岳が心配なのかな?」
「……ドクター」
見透かされている。この者は相も変わらず底が知れない。溜め息混じりに眉間に皺を寄せれば、ふふっと笑う声がする。
「本当のことだろうに。もうすぐしたら交代が来るからさ、早めに戻っていいよ」
「……痛み入る」
せっかくの厚意だ。受け取っておくとしよう。何より、声の調子から明らかに楽しそうなドクターを前に、余り相手をしたくないのが本音か。
椅子から立ち上がり、ドクターに会釈をするとそのまま彼の公務室を出る。
目指すは一つ。あの場所だ。
エレベーターで目的の階に着くと、長い廊下をそのまま歩く。その間、ありがたいことに誰にもすれ違わなかった。そうして辿り着いたのは奴に宛がわれた自室である。予備のパスキーは持たされているし、何時入り込んでも構わないと言われているからきっと大丈夫だろう。そうして鍵を開けて、しんと静まり返った部屋に入る。
奴の匂いがする。電気を付けるでもなく、薄暗い部屋を歩いて寝台へ辿り着くと、そのまま沈み込んだ。
「……」
あれだけ離れていても平気だったのに。たったの一週間でこの様だ。本当に、どうしようもない。
清潔なシーツに頬を擦り寄せて、その香りを肺一杯に吸い込む。腹の奥が切ない。どうしてこんな目に合わねばならないのか。帰ってきたら、とことん付き合って貰わねば。
「朔」
奴の名前を呟く。そうして肌に手を這わせた。奴に触られるのを思い出しながら、恐る恐る。
服の隙間に手を差し込んで、胸の突起に触れる。すりすりと指の腹でそれを撫でれば、快感の芽に自然と息が上がっていく。
「あ、っ……」
こんな場所、なんてことない筈なのに。奴に触られる様になってからすっかり性感帯になってしまったそこを慰める。
「っ、ぅ!」
奴の匂いを嗅ぎながら、奴の手を思い出して自慰をしている。浅ましいとしか言い様がない。終わっている。
胸を刺激する度に腹の奥が疼いて、勝手に腰が揺れる。欲のままにサイドチェストから香油を取り出して、指に絡めた。
そうして服を寛げると後孔に這わせる。ふっと息を吐いて指を滑り込ませると、拡げていく。
じわじわと精神を削っていくような快感に身を焼かれながら身動ぎをする。
「っ……朔っ」
でも、奥に届かない。届かないからこそ、焦れて焦れてしょうがなくって。なんとか指で満足しようとするが、どうしようもない熱ばかりが溜まっていく。
すっかりしこり立った前立腺を押し込めば、目の前がちかちか明滅した。気持ち良くて、目の前のシーツに噛み付く。
「う゛、うぅっ……!」
足りない。絶望的な中で、何か無いかとサイドチェストを漁れば、先の丸まった少し太いペンが見付かった。少し悩んでから、それを恐る恐る後孔に宛がう。
後で弁償せねば。そんなことを思いながら、ひくつくそこに挿入する。固い物が挿入ってくる感覚に身を震わせて、ぎゅっと目を瞑る。
そうしてぐっと腸壁を押し込めば、目の前に火花が散った。待ち望んだ感覚。でも、今度は余りに細すぎる。足りない。その事に絶望しながら、何度か出し入れを繰り返す。
「あぁっ……」
辛い。隙間に指を差し込んで、なんとか満足しようとするが、こればかりはどうしようもなくって。切なくて涙を溢す。
早々に諦め、ペンを引き抜いて天井を向く。何もないシーツの海に、碁石がひとつ転がった。
一週間と3日ぶりに慣れたロドスに戻ってきた。心配していたのだろう。武術教室の生徒達に出迎えられて、嬉しく思う。だが、出迎えの中に当たり前だがウァンの姿はなかった。まぁ、彼の事だ。特に気にしてはいないのだろう。そう思い、ドクターの元へ足を運ぶ。
「やあ、お帰り」
「嗚呼、只今帰還した。変わりはなかったか?」
「あー……それなんだけど……」
ウァンの姿が見えないんだよね。ドクターは書類から目を離してそう言うと、溜め息を吐いた。
「外出の届けは出ていないから多分何処かにはいる筈なんだけど……もし見掛けたら教えてくれる?あの人暫くご飯食べてないと思うから」
「……分かった」
他の妹弟がいるから油断した。まさかロドスからも居なくなるとは。やはり見張っていないといけないのか。思わず頭を抱える。
そうして今回の遠征の内容を報告した後、公務室を出るとひとまず自室を目指すことにした。
何時ものようにエレベーターに乗って目的の階に着くと、長い廊下を歩く。そうして辿り着いた自室の扉を開けて荷物を置くと、そのまま出ようとした。が、ふと違和感に気付く。
確か、出ていくときに寝台を整えた筈だ。それが乱れている。
「……?これは……」
シーツの海に黒い物が転がっている。ウァンの碁石だ。
そうしてそれを掴むと、墨が紙に滲むように視界が黒い霧に包まれる。そうして、気付けば目の前に彼がいた。
「……遅い」
「ずっとここにいたのか?」
返事はない。拗ねているのだろう。彼は表情を動かすこと無く近付いてくると、文句でもありそうな顔でこちらを見る。
「すまなかった。心配を掛けたな」
「心配なぞするものか」
そう言う割に、彼はそのまま身を預けてくる。それを抱き締めてやれば、彼は満足そうにふんと鼻を鳴らした。
再び寝台に目を向ければ、香油が転がっているのが目につく。それだけで、全てを悟った。
「ウァン」
「なんだ?」
「そんなに寂しかったか?」
答えはない。それが答え以外の何物でもなかった。
「でも、だからと言って他人に迷惑は掛けてはいけないだろう?ドクターが心配していたぞ?」
「……説教なぞ、聞きたくない」
「後で謝りにいこう」
「……後でいいのか?」
瞬間、彼を寝台に押し倒す。流石に予想していなかったのか目を白黒させている彼の唇にキスを落とした。
「今は甘やかしてやらないとと思ってな」
そうして開かれた口に舌を差し込むと歯列をなぞる。びくりと跳ねる身体を押さえつけて、やんわりと腹を撫でると彼は小さく呻いた。
招き入れられた口内を、好き勝手蹂躙する。拒絶はない。それもそのはず、恐らくは今一番されたいことだろうから。
ぎこちなく絡められた舌を甘く食んで、手を繋ぐ。離れないように、いなくならないように強く強く。
酷くいやらしい音を立てながら口内を犯していると、胸を叩かれた。
「……苦しかったか?」
「はーっ、はーっ……」
顔を朱に染めながら目を潤める彼に、どうしようなく欲情する。シーツの海に転がった香油を手に取り微笑めば、彼はばつが悪そうに目線を泳がせたのだった。
7/21ネタ
奴が用事とやらで外に出てからもうすぐ一週間になる。詳しい事は敢えて聞く程でもないと問わなかったが、予定ではそろそろ帰ってくる筈であった。それが3日程延びると言うのだ。
オペレーター経由で伝えられたそれを詳しく聞けば、どうも悪天候に阻まれているらしい。元より心配はしていないが、怪我ではないから安心しろとまで言われてしまえば、そうかとしか言えなかった。
長兄が居なくても、ここには常々複数名の代理人が滞在している。だから毎日話題には事欠かない。妹弟達を除いてわざわざ私に話し掛けてくる者は余り居ないが、特段困っているわけではなく、それで良いと思っている。それでも、何かが足りない。
答えは出ているけれど認めたく無くて見ないふりを決め込んでいたが、それも限界が来ている。たった一週間でこうなるとは思っていなかったが、それだけ奴に毒されていたのだろう。
「ウァン、なんだか上の空だね」
端末を叩きながらドクターが言う。バイザーで顔を隠したこの人間はロドスの頭脳である。戦場に立てばその並々ならぬ才で自軍を勝利に導く将たる者だが、その実仕事中毒の変人に他ならない。
「体調優れない?自室で休んでいていいよ?」
「いや、問題ない」
「それとも重岳が心配なのかな?」
「……ドクター」
見透かされている。この者は相も変わらず底が知れない。溜め息混じりに眉間に皺を寄せれば、ふふっと笑う声がする。
「本当のことだろうに。もうすぐしたら交代が来るからさ、早めに戻っていいよ」
「……痛み入る」
せっかくの厚意だ。受け取っておくとしよう。何より、声の調子から明らかに楽しそうなドクターを前に、余り相手をしたくないのが本音か。
椅子から立ち上がり、ドクターに会釈をするとそのまま彼の公務室を出る。
目指すは一つ。あの場所だ。
エレベーターで目的の階に着くと、長い廊下をそのまま歩く。その間、ありがたいことに誰にもすれ違わなかった。そうして辿り着いたのは奴に宛がわれた自室である。予備のパスキーは持たされているし、何時入り込んでも構わないと言われているからきっと大丈夫だろう。そうして鍵を開けて、しんと静まり返った部屋に入る。
奴の匂いがする。電気を付けるでもなく、薄暗い部屋を歩いて寝台へ辿り着くと、そのまま沈み込んだ。
「……」
あれだけ離れていても平気だったのに。たったの一週間でこの様だ。本当に、どうしようもない。
清潔なシーツに頬を擦り寄せて、その香りを肺一杯に吸い込む。腹の奥が切ない。どうしてこんな目に合わねばならないのか。帰ってきたら、とことん付き合って貰わねば。
「朔」
奴の名前を呟く。そうして肌に手を這わせた。奴に触られるのを思い出しながら、恐る恐る。
服の隙間に手を差し込んで、胸の突起に触れる。すりすりと指の腹でそれを撫でれば、快感の芽に自然と息が上がっていく。
「あ、っ……」
こんな場所、なんてことない筈なのに。奴に触られる様になってからすっかり性感帯になってしまったそこを慰める。
「っ、ぅ!」
奴の匂いを嗅ぎながら、奴の手を思い出して自慰をしている。浅ましいとしか言い様がない。終わっている。
胸を刺激する度に腹の奥が疼いて、勝手に腰が揺れる。欲のままにサイドチェストから香油を取り出して、指に絡めた。
そうして服を寛げると後孔に這わせる。ふっと息を吐いて指を滑り込ませると、拡げていく。
じわじわと精神を削っていくような快感に身を焼かれながら身動ぎをする。
「っ……朔っ」
でも、奥に届かない。届かないからこそ、焦れて焦れてしょうがなくって。なんとか指で満足しようとするが、どうしようもない熱ばかりが溜まっていく。
すっかりしこり立った前立腺を押し込めば、目の前がちかちか明滅した。気持ち良くて、目の前のシーツに噛み付く。
「う゛、うぅっ……!」
足りない。絶望的な中で、何か無いかとサイドチェストを漁れば、先の丸まった少し太いペンが見付かった。少し悩んでから、それを恐る恐る後孔に宛がう。
後で弁償せねば。そんなことを思いながら、ひくつくそこに挿入する。固い物が挿入ってくる感覚に身を震わせて、ぎゅっと目を瞑る。
そうしてぐっと腸壁を押し込めば、目の前に火花が散った。待ち望んだ感覚。でも、今度は余りに細すぎる。足りない。その事に絶望しながら、何度か出し入れを繰り返す。
「あぁっ……」
辛い。隙間に指を差し込んで、なんとか満足しようとするが、こればかりはどうしようもなくって。切なくて涙を溢す。
早々に諦め、ペンを引き抜いて天井を向く。何もないシーツの海に、碁石がひとつ転がった。
一週間と3日ぶりに慣れたロドスに戻ってきた。心配していたのだろう。武術教室の生徒達に出迎えられて、嬉しく思う。だが、出迎えの中に当たり前だがウァンの姿はなかった。まぁ、彼の事だ。特に気にしてはいないのだろう。そう思い、ドクターの元へ足を運ぶ。
「やあ、お帰り」
「嗚呼、只今帰還した。変わりはなかったか?」
「あー……それなんだけど……」
ウァンの姿が見えないんだよね。ドクターは書類から目を離してそう言うと、溜め息を吐いた。
「外出の届けは出ていないから多分何処かにはいる筈なんだけど……もし見掛けたら教えてくれる?あの人暫くご飯食べてないと思うから」
「……分かった」
他の妹弟がいるから油断した。まさかロドスからも居なくなるとは。やはり見張っていないといけないのか。思わず頭を抱える。
そうして今回の遠征の内容を報告した後、公務室を出るとひとまず自室を目指すことにした。
何時ものようにエレベーターに乗って目的の階に着くと、長い廊下を歩く。そうして辿り着いた自室の扉を開けて荷物を置くと、そのまま出ようとした。が、ふと違和感に気付く。
確か、出ていくときに寝台を整えた筈だ。それが乱れている。
「……?これは……」
シーツの海に黒い物が転がっている。ウァンの碁石だ。
そうしてそれを掴むと、墨が紙に滲むように視界が黒い霧に包まれる。そうして、気付けば目の前に彼がいた。
「……遅い」
「ずっとここにいたのか?」
返事はない。拗ねているのだろう。彼は表情を動かすこと無く近付いてくると、文句でもありそうな顔でこちらを見る。
「すまなかった。心配を掛けたな」
「心配なぞするものか」
そう言う割に、彼はそのまま身を預けてくる。それを抱き締めてやれば、彼は満足そうにふんと鼻を鳴らした。
再び寝台に目を向ければ、香油が転がっているのが目につく。それだけで、全てを悟った。
「ウァン」
「なんだ?」
「そんなに寂しかったか?」
答えはない。それが答え以外の何物でもなかった。
「でも、だからと言って他人に迷惑は掛けてはいけないだろう?ドクターが心配していたぞ?」
「……説教なぞ、聞きたくない」
「後で謝りにいこう」
「……後でいいのか?」
瞬間、彼を寝台に押し倒す。流石に予想していなかったのか目を白黒させている彼の唇にキスを落とした。
「今は甘やかしてやらないとと思ってな」
そうして開かれた口に舌を差し込むと歯列をなぞる。びくりと跳ねる身体を押さえつけて、やんわりと腹を撫でると彼は小さく呻いた。
招き入れられた口内を、好き勝手蹂躙する。拒絶はない。それもそのはず、恐らくは今一番されたいことだろうから。
ぎこちなく絡められた舌を甘く食んで、手を繋ぐ。離れないように、いなくならないように強く強く。
酷くいやらしい音を立てながら口内を犯していると、胸を叩かれた。
「……苦しかったか?」
「はーっ、はーっ……」
顔を朱に染めながら目を潤める彼に、どうしようなく欲情する。シーツの海に転がった香油を手に取り微笑めば、彼はばつが悪そうに目線を泳がせたのだった。