アークナイツ

※女体化、現パロ


 通販で届いたものを見ながら、乾いた笑いをこぼす。正直、自分でもどうかと思う。極端に過剰な梱包をされて届いたものは、俗に言うバニーガールの衣装。頼んだ時は妹達にせっつかれて、それはもうしこたま酔っていたものだから思考もなにもなかったのだ。
「……」
 それともう一つ。横でにこにこと微笑みを湛えている兄がいる。正直中からこんな時限爆弾にも似たものが出てくると思っていなかったので、なんの警戒もなく兄の目の前で梱包を開けてしまったのだ。
 勿論、着てくれるのだろう?そんな言葉が、奴から聞こえてきそうな始末である。
「これは……その、酔っていてだな」
「この間迎えに行った時の話か?」
「……」
 そも何故これを頼むことになったのか。単純明快、8月2日がバニーの日だからである。あまりに頭が悪い。
「ウァン」
 腰を抱かれて、奴が耳元で名前を呼ぶ。それだけで、ぞわりと鳥肌が立って、腹の奥がずくりと疼いた。私は、この筋肉馬鹿の言うことを断れない。長い時間を掛けて仕込まれた身体は、簡単に熱を持ってしまう。浅ましいにも程がある。
「……待っていろ」
 覚悟を決めてそれを手に取ると、脱衣場に向かったのだった。
 こんなもの、余興に過ぎない。吹っ切れてさえしまえば、何の感情も湧かない筈。そう言い聞かせて、安っぽいボディスーツに身を包む。正直、布があまりに心許ない。布面積的に、どうしても下着を履けなかったのもあって、下着姿で出歩いているような感覚である。おまけに付いていた網タイツだって、こんなの無いのと変わらないではないか。
 これで奴の前に出ろと?そんなの肉食獣を前にした小動物。好き勝手されて食われるのが目に見えている。
「ウァン、どうだ?」
 鏡の前で悩みすぎたのか、脱衣場の扉の前まで奴が来てしまったらしい。そんなに見たいのか、けだものめ。しかし酔っていたとは言え、買ったのは己だ。
「リビングで待っていろ。直ぐに行く」
 こうなれば自棄だ。足音が去っていくのを確かめてから、脱衣場を出る。リビングに行けば、奴はソファに座って行儀良く私を待っていた。
「……」
「何が言いたい」
「そう怒るな。まだ何も言っていないだろう?」
 奴はそう言うと、膝をぽんぽんと叩く。そこに座れということだろうか。胸が無いが故にずれそうになる布を押さえながら誘われるがまま膝に跨がる。
「で?サービスしてくれるんだろう?」
「……抜かせ」
 サービスも何も、今これを着ている段階で既にかなりサービスしているだろうが。文句を込めて奴の胸を軽く叩けば、心底面白そうに奴は笑った。
「で、それを頼んでどうするつもりだったんだ?」
「どうするも何も……」
 これで兄さんを誘惑でもしてみたらどう?妹達の声を思い返す。どうしてそんな話になったのかは覚えていないが、確かそんな話をしていた気がする。
「知らん」
「……そうか」
 そんなの、とてもじゃないが口が裂けても言えない。
「てっきり他の誰かに見せるのだとばかり思ったのだが、違うのか?」
「……こんな姿人に見せられるわけないだろう」
「じゃあ、何故?」
 嗚呼、これは己の口に言わせたいのだろう。ただ一言、兄さんの為である、と。勿論そんなこと言えるわけないので押し黙っていると、奴はわざとらしくため息を吐いた。
 そうして私が座らされている膝を揺らした。急な動きにバランスを崩し、落ちそうになる。咄嗟に奴の服を掴んでなんとか耐えたが、押さえていた胸元が捲れてしまった。
「ほら、サイズが合っていないから捲れてしまっただろう?そんな危ない姿を誰かに見せようとしたのか?」
「っ」
 かあっと顔が熱くなる。いや、今のはお前が悪いだろう。お前が膝を動かさなければこうはなっていない。そう文句を言おうと開いた口にそのままキスを落とされる。隙間から舌が入り込んで来て、動けずにいる私の舌に絡み付いた。ざらつく表面を擦り合いながら、勝手に高められていく。ぞくぞくと快感の芽が開いて、散々教え込まれた身体がその先を期待をする。浅ましいにも程がある。だって、私達は兄妹で、血が繋がっていて。それなのにこんな風に発情してしまっている己が情けなくて仕方ない。
 キスに夢中になっていると、急に奴の手が剥き出しになった胸の突起をつねった。瞬間、面白いくらい身体が跳ねる。
「ふっ、ぅ!」
 頭上の、安っぽい作りの兎耳が揺れる。苦しくなって逃れようと踠くが、逃げるなと言わんばかりに舌を食まれて、つままれた突起を引っ張られ逃げる気を失った。そこが伸びてしまったらどうするつもりなのか。責任を取ってくれるのか。いや、そんなこと言った日には本当に責任を取りかねないので言ってはやらないが。
「はっ、あ……んんっ」
 離れていく奴との間に、銀色の橋が掛かる。名残惜しくそれを見ていると、奴はふっと笑った。
 そうして私が座らされている膝を悪戯に揺らし始める。愛液で湿ったそこが擦れて、じわりと理性が削られていく。
「あぁっ」
 落ちないように咄嗟に足にしがみついたが、いっそのこと落ちてしまえば良かったのにと直ぐに後悔した。緩い刺激だ。高められた身体には、あまりにも弱い。もっと、気持ち良くなりたい。
「ウァン」
 奴の声が鼓膜を揺らす。下を向いてなんとか耐えようとするが、理性はもう既に殆ど瓦解していた。
 自分から快感を得ようと、無意識に腰を揺らして股を擦り付ける。でも、こんなんじゃ足りない。早く、焼かれてしまいたい。瞳に涙を溜めながら顔を上げれば、楽しそうな奴と目があった。
「気持ちいいか?」
「っ、悪趣味だっ」
 勃ち上がった両の突起を捏ねられて、がくんと身体が跳ねる。びりびりと背筋を電流の様な快感が走っていく。連動するように腹がずくんと疼いて仕方ない。
「ああっ!んっ、う!」
「こんなにも快楽に弱いのに、こんな格好で誘おうなんて……怒りたくもなるだろう?」
「弱くないっ」
「それは無理がある」
 そんなことは自分が一番分かっている。でも、私の身体をこう躾けたのはこいつだ。だったら私は悪くない筈だ。
「全部兄さんのせいだ」
「ふふ、私のせいなのか?」
「兄さんがこうさせた癖に」
 そうして奴の身体に寄りかかって、媚びるようにすり寄れば、彼の両の目が細められた。そのまま顔を近付けてキスを強請る。
「兄さん、したい」
「何を?」
「皆まで言わせるつもりか」
「嗚呼」
「……悪趣味だ」
 少し悩んだ後、小さい小さい声で「セックス」と呟けば、そのままソファに押し倒された。噛みつくように何度も唇に吸い付かれて、貪られる。
 奴の指がしとどに濡れた股に伸びる。そうして一撫でして、動きを止めた。
「ウァンよ……。お前、下着は?」
「っ、丁度良いのがなかったんだ!」
「……」
 見ずともわかる。過保護な奴は怒っている。無言のまま、奴は体勢を変えると、股座に顔を近付けた。
「なっ、何を……」
「お前には分かって貰わないといけないようだな」
 そう言って、奴はそのまま割れ目に顔を埋めたのだ。一瞬、何が起こっているのか分からなかった。布越しに奴の舌が陰核をつつく。
「あぁっ!」
 愛液と唾液でぬるぬる滑るそこをじゅるじゅるとわざとらしく音を立てて啜られ、羞恥を感じる暇もなく身体を跳ねさせる。散々焦らされたからか、気持ち良くて仕方がない。
「やっ、にいさんっ!そんなとこ舐めないでっ」
 頭を掴んで離そうとするけれど、力で敵う訳もなく。咄嗟に口を押さえて喘ぎ声が出ないようにするが、そんなの知らないと言わんばかりに責め立てられてじわじわと端から溶けていく。
「ひぁっ、あぁっ!兄さん、止まってっ!」
 返事は無い。代わりに布をずらされて、蜜に濡れたそこが奴の目の前に晒された。ふっと息が当たる度、身体が跳ねる。
 既にキャパオーバーであるが、奴は全く気にしていないようだった。そのまま剥き出しの陰核を舐られて、目の前に火花が散る。
「っ!ぅ、うぅ~~~っ!」
 足先までぴんと伸ばしながら絶頂を迎える。気持ち良くて溶けてしまいそうだ。ふわふわとした浮遊感を味わっていると、奴が「これじゃあ仕置きにならないな」なんて言って笑った。
「っ、分かっている癖に!」
「何がだ?」
「知らばくれるな」
 それでもわからないと言いたげな奴を両の太ももで挟み込む。なんの事はない。ただの仕返しだ。
「全部兄さんの為なのにっ」
 言ってしまった。言う気の無かったことが、勝手に口からこぼれ落ちていく。すると奴は「分かっていたさ」等と口にし出した。分かった上でからかっていたのだ。
「意地悪」
「すまない」
「……許さん」
「……どうしたら許してくれる?」
「甘やかせ……たくさん。そうしたら許してやらないこともない」
 瞬間ぎゅうっと強く抱き締められる。それだけだと言うのに許してしまいたくなるのだから、私もどうしようもないなと笑いをこぼすのだった。

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