ONE先生原作、作画設楽清人先生。
2巻同時発売されたので読んでみました。
ONE先生原作は他にもVSバーサスという漫画もあって、バグエゴはモブサイコ寄り、バーサスはワンパンマン寄りかなと感じます。
ONE先生の傾向を知ることは、モブサイコをより深く味わうことにも繋がると思いました。
とても面白い漫画です。怖さも感じました。
モブサイコのどこか静かで不気味な描写や、人の心理に迫る怖さがバグエゴでは際立っているなという印象でした。
集英社オンライン2025.2.18の記事でONE先生と設楽先生の対談が掲載されていて、設楽先生はONE先生のどことなく怖いところ、ジトッとしたホラー感を大切にしたいと記載されていました。
ONE先生もちょっと怖い不気味な物語。と言っていました。
また、打ち合わせで設楽先生が友情とかそういったものにフィーチャーしたい気持ちをONE先生が理解して、ONE先生がキャラクターの感情を意識するようになったともありました。
そしてONE先生は、人間関係の変化、物事への価値の見出し方、キャラクターの心情を表現できたらいいなと思っています。と書かれていました。
何より設楽先生が、ONEさんのマンガなので、やっぱり最終的にはONEさんに決めてもらいたい気持ちがあるんです。とおっしゃっていたことに感動しました。

そしてモブサイコファン(モブ霊ファン)としては、モブサイコとバグエゴを比較して楽しみ、両方の良さを味わいたいと思いました。

まず主人公二人の比較点です。

年齢差
モブサイコ　
モブ君14歳、霊幻28歳。歳の差14歳。
バグエゴ　
黒堂(こくどう)、羊谷(ひつじや)共に17歳(高校2年生)。歳の差なし。

モブ君と霊幻が14歳の歳の差があり、黒堂と羊谷は同級生です。なので、言葉遣いも違ってきます。

言葉遣いと一人称
モブサイコ　
モブ君は敬語「僕」「師匠」「あんた」
霊幻は「俺」「モブ」「お前」
バグエゴ　
黒堂「僕」「羊谷君」「君」
羊谷「俺」「黒堂」「お前」

このへんはどことなく黒堂ーモブ君、羊谷ー霊幻みたいな感じです。

身長差
モブサイコ　
モブ君157.7cm、霊幻179cm
身長差21.3cm
バグエゴ　
明記なし。カラーカットイラストの自動販売機との比較をみると羊谷178cm前後、黒堂110cmくらい。
黒堂の方が小柄で羊谷とは20cm以上の差はあるように見える。

服装
モブサイコ　
モブ君学ラン、霊幻スーツ
バグエゴ　
2人とも学ラン

やはり学ラン率高め。

容姿
モブサイコ　
モブ君、学ランに前髪ぱっつんのおかっぱ黒髪。体力はない方。
霊幻、スーツに淡い色の髪、見目は良い。体力はモブ君よりないが、暴漢などを抑え込めるあらゆる技を持つ。
バグエゴ　
黒堂、学ランにモサモサの天然パーマ。小柄。体力はない方。過敏性腸症候群と鼻炎持ち。
羊谷、学ラン(上着が短い短ランと言われるヤンキー風に、ボタンを開けて着るスタイル)髪型はアップバングショート(ツーブロック刈り上げ)、少し細めの体型、チャーハンなら無限に食べられる。

立場
モブサイコ　
モブ君、主人公であり世界一強い超能力者、感情を抑えている分、茂夫という2面性の部分が暴走した。茂夫は超能力を利用されていることを感じ人を信じていない。モブも超能力を捨てたいと思いつつ、最終的に超能力者の自分を受け入れ心から笑えるようになった。
霊幻、モブ君からみた世界で大人という立場。自身を霊能者と名乗りモブ君の超能力を利用。最終的にモブ君に真実を告げるも仲間は離れず、霊とか相談所を続ける。

バグエゴ
黒堂、数々の怪奇現象を引き起こす条件が記されたノート(ウラワザノート)を拾う。友達がおらず、友達が欲しいと願っている。自分に近付いた羊谷がウラワザ目的じゃないかと疑い、羊谷にもはっきりと、これ(ノート)が目的なんだろ？と言っている。
羊谷、転校生。好奇心旺盛でウラワザノートに惹かれている。黒堂に下痢を我慢する裏ワザや生き抜く為(？)の裏ワザを教える。2巻ではウラワザノートの謎を解くために黒堂とウラギレン(裏技連盟)を発足。

2人の関係
モブサイコ
師弟関係ではあるが、最上編では霊幻が命を賭けてモブ君の帰りを待つ。モブ君も鈴木社長との戦いで霊幻を殺されかけ、本気モードに突入。
霊幻の言動にモブ君が冷静なツッコミを入れることもある。

バグエゴ
二人は少しずつ友情を育む。黒堂は羊谷に友達になりたかったと言い、羊谷もウラワザの世界で黒堂を守って惨殺される。
黒堂も羊谷を助ける際、電話越しに「いいから聞け バカッ」と声を荒らげる。
黒堂のツッコミは厳しくサディスティックさが光る(ウラワザ世界で羊谷が本物であることを確かめるために四つん這いにして肛門のシワを観察、助けてくれた羊谷めがけて落下しドロップキックと思われる状態で羊谷をノックアウト、優木から辛辣なことを言われ反論する際に羊谷を無意識にけなして羊谷が泣く等)

バグエゴでのカップリングは非常に難しく感じます。黒堂が羊谷にサディスティックなので、黒堂✕羊谷ではあるのですが、黒堂が襲い受かなとも思います。
そして、黒堂は友達が欲しい、羊谷も友達としての関係を深めたいと思っているので、付き合ってしまったら友情という関係が変わってしまい、それはこの二人の願いとは離れてしまいます。ここはウラワザ並行世界とかで恋愛に発展して欲しいと思います。

こうしてみると、モブサイコもバグエゴも男二人コンビのうち、ツッコミ役が攻みたいな感じがあります。
ONE先生がアイデアを出したイラストのラフスケッチも、黒堂が乾電池を持ち、その中に羊谷が閉じ込められている構図でした。これはモブサイコの初期に描かれたONE先生のイラストでモブ君がスプーンに霊幻を乗せている構図にも似ています。

面白いのは、小柄な方が冷静でツッコミ役もしくはサディスティックな方、もう片方が感情表現が豊かで優しく、物語を回していく(トラブルを起こす)方になっていることです。
そして身長差があること、物語を回す方が周囲の男性と比べて見た目が良い感じです。
もちろんモブ君もかっこいいし、黒堂もシリアスな場面ではかっこいい顔を見せてくれます。

カップリングを組む際の難しさはさすがONE先生だと思いました。

私的にはモブ霊、黒堂襲受(関係性は対等)が好きだと思いました。