眩しい空の夢
「ここじゃ僕が不審者と思われてしまうので場所を変えませんか?」
そう提案された私は、黒くて高そうな車の前に案内された。
案内された車の隣には、まるで物語の中に出てくるような燕尾服の人が立っていて、そのく人がドアを開けてくれ、どうぞと言われるまま不審者のような人とその車の中に乗り込む。
車の中は今まで見た事がないくらい広くて、ソファみたいな感じが物語の中のリビングみたいな感じで、何と……表せばいいのか分からないくらい広かった。
私と不審者の人は1つのソファに隣り合わせに座って、不審者の人が飲み物を聞いてきたので桃ジュースをもらった。
どうやら燕尾服の人が運転手のようで、その人が前に乗り込むと車は発進した。
「僕が言うのもなんですけれど、知らない人の車には無闇に乗り込むものじゃあありませんよ。」
不審者の人はティーカップを優雅に持ちながら言う。
「本当に君が言う事じゃあないな。」
私は、世界一美味しいんじゃないかと思うキンキンに冷えた桃ジュースをポーカーフェイスで飲み干した。
不審者の人は目をぱちくりとさせた後、ふっと微笑んだ。
「生意気な女の子とは可愛いものですね。」
ニコニコと微笑みながら言い放つそいつに、私は桃ジュースのおかわりを宣言した。