一応、先輩!




「どうしてさっき聞いた時に頭痛と目眩
言わなかったの?
嘘はダメだよって言ったよね?」

う…、、そんな事言われたら
皐月は困ります
だって嘘をついたのは
早く仕事に戻りたいからで…

文月なら皐月の気持ちを汲んで
水無月に症状を伝えない
と思っていたからです
でも……甘かったですね

まさか文月が皐月の事を心配して
叱ってくれるまでに成長するなんて…
皐月は嬉しいです

「ちょっと〜?
皐月先輩、別のこと考えてるでしょ?
今お説教してるんだよ?分かってる?」

皐月の頬を挟んでいた両手で
むにゅりとほっぺたを摘まれました
いたいです。

「…頭の中覗かないで 」

皐月がむむむと抗議すると
水無月はにこりと微笑みました

「やっぱり別のこと考えてたんだ
嘘はつくし隠し事はするし
お説教中に別のこと考えるし
…お仕置きだね」

嫌です、絶対に嫌です

前に一度だけ水無月に
お尻を叩かれた事があります
旦那様よりはマシですが
後輩に叱られるという羞恥が
痛みを増幅させてきました

その時の記憶が蘇ってきて
顔が熱くなります

「……皐月先輩、
もう恥ずかしくなっちゃったの?
ふっ…、、可愛いかよ」

水無月は憎たらしくも
にやにやとしていました

でも私は叱られている立場
むっとした顔をすることしかできません


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