一応、先輩!
「ふはっ…
それ旦那様にも言われてたよね」
頭上でくすくすと
水無月の笑い声が聞こえます
文月にも言われるなんて…屈辱です
「お尻ぺんぺんくらいならしても大丈夫だから
無茶しようとしたらみーくんが止めてよね!」
なっ……
「分かりました(笑)」
「あんまり心配かけるんなら
ぼくもお尻叩いちゃおっかな〜☆
んじゃーねー♡♡」
文月はそう言い残すと医務室を去りました
皐月はそんなに子供じゃありません!
文月は
みみ様の所に行くのでしょうか…?
「はははっ、だって〜
可愛いっすね文月も先輩も 」
はい!?
文月が可愛いのは当たり前ですが
何故皐月が可愛い
という話になるのでしょうか
「皐月からすれば
水無月も可愛い後輩だから 」
皐月がそう言うと
水無月は唇を一直線にきゅうと結んで
照れていました、珍しい
そして水無月は
いきなりはっとしました
嫌な予感…
「…そういえば皐月先輩
俺に嘘ついたよね?」
「……、、、なんのこと?」
気付かないと思っていたのに
気付かれてしまいました
とりあえずシラを切ろ…うと思ったのですが
水無月は私の頬を両手で挟み
顔を背けさせてくれません
「誤魔化してもだーめ 」
水無月の真っ直ぐ
キラキラとした目が私の目を捉えます
せめて、目線だけでも
合わせないようにしようと
頑張って逸らそうと足掻きます
「こら、目逸らさない。」