憂鬱への扉
長月は文月と身長差も体格差も大きいので、文月が片腕で抱えられて、借りてきたネコのようになっていました。
「文月ちゃんはいきなり知らない子にキスしないってお約束、何回破れば気が済むんですかぁ?」
パン!! バシッ!
長月は文月の身体の向きを持ち替え、お尻を前に持ってきました。そして、ショートパンツに隠れている文月のお尻を叩き始めます。
「だって想像してたより可愛かったんだもん!!
我慢できなかったの〜!」
「なら私も文月ちゃんの反応が可愛いのでたくさんお尻叩きますね〜♡ 我慢できませんし〜♡♡」
そう言ってソファに腰かけた長月は、文月の事を膝の上に乗せてショートパンツも下着も一気に下ろしてしまいました。
後ろに隠れているみみちゃんは、その様子をじぃっと眺めています。
「やめてぇ〜っ!! 恥ずいって流石に!!」
「初対面の幼い女の子に襲いかかる方がよっぽど恥ずかしいと思わないんですかぁ〜??」
バチンッ!! バシッ!
急にお尻を打つ音が痛そうになりました。
事実痛いのでしょう、先程とは違って文月は顔を顰めています。
「うっ...でもでも...だってぇ……」
「だって、じゃありません!」
バチン!! バチッ!
「みみちゃんさまが舌入れてきたんだもん!!
初動しかしてないよ…!」
思っていたのとは違うことを言われて固まる長月。
僕が「最初に襲ったのは文月ですよね…。」と呟くと長月は固まりから解けました。
「はっ…ごほん。まぁた言い訳ばかりして...真夏さまの前でも謝れないんですかぁ?
真夏さまに代わってもらいます?」
「それはやだ!!!」
地味に傷付くんですけど…。
考え方を変えれば躾の為ならまあ良いんですかね、最後の砦の父親的ポジションにいれてるという事ですよね、きっと。
恐らく僕のお仕置きが怖いのは、痛みがダイレクトに伝わるからだと思います。
文月は身体の治癒能力を飛躍的に向上させる能力の持ち主で、結果的には唾液を体内に摂取して能力を使用したおかげでみみちゃんの折れていた骨はくっついています。
他人の身体も治せるということは自分の身体なんてすぐに治せるという事です。
だからお尻を叩いたところですぐに治ります、叩いた瞬間に。
僕の能力は殆ど万能なので、触れなくても近くにいるだけで力が使えます。能力を抑制できたり体力を強化する事もできます、そのおかげで長月の手はあまり赤くないのに文月のお尻は真っ赤になっていました。
痛みとは無縁なだけに痛いのには弱いんですよね、文月は。