文化祭編
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爆豪「(放課後また走って教室出て……)デク」
緑谷「ひっ!?」
切島「エリちゃんなら病院行くってよ!」
爆豪「は?」
54.エリちゃんと
病院についた私は……
エリ「あははは!」
気まずそうにしている相澤は病室で空を見ていた。大声で笑うエリはここは病院だった!と口をすぼめ、それでも溢れてくるふつふつとした笑いを堪えるのに必死で、エリは不思議そうに観ているのだった。
エリ「エリちゃん可愛いから何でも似合う?」
「「(思い直してアイリス!!)」」
上下柄物の服を拾い上げ、首を傾げるエリはマジマジとそれを見つめる。
扉の外から見守る看護師の表情は必死だ。
エリ「私もチビエリちゃんに服を送りたいな!待っててくれる?」
エリ「服を……?」
エリ「そう!これはこれで可愛いんだけど、何枚あっても困らないから」
エリ「…………あの、エリさん」
エリ「ん?」
エリ「大事な、人がいるの?」
そうか、いっちゃんが聞きたい事があるみたいだと言っていた。先生すごく目を逸らしてるけど……ここは正直でいたいな。
エリ「う、うん。いるよ」
エリ「そうなんだ……」
エリ「ふふ、ほら行きましょう!相澤先生面会時間終わっちゃう」
相澤「おい待ー」
エリ「きえた……」
あっという間に病院からデパートへ。
鼻歌を歌いながらこども服を見るエリと自分はどう映っているのだろう……
アイリスと声が聞こえるたびに相澤はピクリと反応する。
エリ「この服可愛い!ねー、先生」
「あの子アイリスじゃない?」
「雄英の……あれ、子ども服見てる……え?隣の人……」
相澤「(いや、マズいだろこれは……)」
ザワザワと周りの視線を感じて居た堪れなくなった相澤は足早にエリへと寄ると
相澤「おい、早く決めろ」
エリ「だってこれも可愛いし、あっちも……」
相澤「ほらこれで買ってこい。2つ共だ」
エリ「え……私が払」
相澤「いいから」
よくわからない様子のエリは渋々レジへと向かう。
エリ「私が買ってあげたかったのになぁ」
相澤「仮にもお前は生徒だ。金を出させるわけにはいかんだろ」
そう、たとえギャラが想定外の金額でもだ
相澤「卒業したら奢ってくれ」
エリ「はーい」
無事にプレゼントを渡せたエリはご機嫌で帰宅し、対して相澤はグッタリとしていた。
それを心配そうにみる蛙吹と麗日はエリに事情を聞いてもさっぱりな様子で、人に囲まれたとか……?とお茶子が言うときっとそうだわと梅雨が同調する。
昼からは文化祭の自主練だ。
しかしエリはミスコンに出るため、出し物ではそれほど重要な役割を担っていなかった。
エリ「(響香、ずっとノートに何か書いてるなぁ……)」
何してるの?と覗き込むとバンドメンバーに宛てたものだと分かった。
耳郎「エリが言ってた事、少しだけ分かった気がする」
エリ「……?」
何のことかわからないエリは首を傾げて耳郎を見た。
耳郎「爆豪の事……ウチ勘違いしてたかもって」
『かっちゃんは凄い!』
キラキラした目でいつもそう話してる親友にそれ以上は聞かなかったけど……あのドラムを聴いたら、踏み出さずにはいられなくて
「てめェらご機嫌取りのつもりならやめちまえ。馴れ合いじゃなく殴り合い……!!やるならガチでーー…雄英全員音で殺るぞ!!」
エリ「そっか……そんな事が」
耳郎「正直、爆豪の言葉に奮い立った」
エリ「ふふっ、かっちゃんは凄いんだよ」
耳郎「また言った」
エリ「かっちゃんの横に並ぶのは大変だ」
耳郎「横……?」
エリ「うん。私も頑張るぞー!」
耳郎「エリはそのままでも宇宙一1位」
エリ「え?」
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私がいるのは早朝、学園の茂み。とりあえず5個くらいでいいかなーと小ぶりで少し重さのある"石"を選んでいた。相澤先生にこっちの個性はあまり使うな、と言われていたし、実際に"今は"見られない方がいいんだろうなという思いもあって早朝にこの特訓をする事にした。
エリ「この石達に意識を集中して浮かせて……」
浮かせる事は難なく出来た。……が、ここからが難しい。何が難しいって、考えずに今の位置をずらす事はできても、瞬間移動みたいに確実に狙ってる場所に100%に持っていく事が難しい……
やっぱり複数はできないのだろうか……ひとつくらいならできそうなもんだけどなぁ……
『ザッ』『ドサッ』
エリ「ぐえっ」
茂みから何かが現れて覆いかぶさってきた。
「おや、貴女は……」
エリ「発……!!」
発目「小桜さん……!」
サポート科の発目さんが泥だらけになって転がっていた。私のベィビィがと、手に持って居る小型ロボットが目に入る。何だか可愛いなぁ
発目「特訓ですか!?熱心ですねヒーロー科も」
エリ「……も?」
発目「さっきそこに緑の子とオールマイト先生が居ましたよ!」
いっちゃんとオールマイトが……?
いっちゃんはヒーローオタクだから昔からオールマイトが大好きで、憧れのヒーローである事は知ってるんだけど特別仲が良いような……何となくだけど、他のヒーローとは違う何かを感じていたけれど、それが上手く言葉に出来なくって。
発目「頭でも打ちましたか!?小桜さんは何の特訓を?」
エリ「うーん、この石をね」
発目「5個ありますね……」
一緒に横にしゃがんでいる発目さんと同じ視線になった。2人で石ころを眺めている光景が少しシュールで口元が緩んだ。
発目「確か小桜さんの個性は瞬間移動、ですよね」
エリ「覚えててくれたんだー」
発目「貴女が来ると騒がしくなるので覚えました!」
エリ「騒がしく……」
確かに前回スカートの裾を改良して貰いに行くと騒がしかったけど……発目さんはやっぱり頭が良くて興味を持ったモノへの記憶力は凄い。サポート科にピッタリだと思う。今横で一緒に考えてくれてるだけで安心するもんなぁ…
発目「指も5本ですよね?」
エリ「うん?」
発目「そうですよ!指!指の延長戦だと思ってみては!?」
エリ「!!」
人ってホントに驚いた時は声が出ないと思う。気付けば発目さんをギュッと抱きしめてお礼を言っていた。私もこんな柔軟な発想ができるようになりたい。視野を広く持たないと……そればかり見ていてはダメだ。自立し、強くならないと……
エリ「発目さん!!こういう発想のひらめきってサポート科でも鍛えてるの!?すごい!ほんっとにありがとう!!私がんばる!!」
発目「小桜さんは良い匂いがしますね!では私ベィビィが待ってるので!」
わあああ!今まで関わり合いが少なかったけど、ぜひこれを機に……!と思ったけど文化祭はサポート科の晴れ舞台だもんなぁ。私もミスコンまでにはなんとか完成させないと……!!石を指の延長戦に……集中力が途切れたら落としてしまうから、深呼吸をして手をかざした。
エリ「やっぱりすぐにはできないか、ははは」
できない事には伸び代があって、何度か超えた先に見える景色はどんなだろう。
きっと、かっちゃんの前でも胸を張ってヒーローをしている自分がいると思うと口角が上がらずにはいられない。
エリ「がんっばるぞ……!!」
5回目で石が二つ反応を示した。コツがあればなーなんて、こっちの個性はまだまだ歩き出したばかり。けれど文化祭は待ってくれないので練習あるのみだ。
朝食前に寮に戻ろうとするとランニングをしているかっちゃんの後姿。
ずっと眉間に皺を寄せたまま、あまり目も合わなくなってしまったけれど、私の気持ちは何も変わっていない。
エリ「(私も頑張ろう……)」
文化祭まで数日に迫ったある日
私は日課である朝ランの時間を全てかけて、それでも全然足りなくて、昼休みと放課後の大半を特訓に費やしていた。
切島「……最近、エリちゃん寝てる事多くなったよな」
上鳴「寝顔スッゲー可愛いよな!!」
切島「ははは……爆豪と轟も最近忙しそうにしてるしよ」
瀬呂「A組名物、異世界の3人組解散か?」
上鳴「スリートップ忙しそうだもんなぁ」
こんな会話をしてるとも知らずに休み時間は睡眠に勤しんでいて、授業が始まるとえいちゃんが起こしてくれるという日々を繰り返していた。
エリ「(そういえばいっちゃんとオールマイト……どうして特訓を)」
突然浮かんだ疑問に首を傾げていると、休み時間に相澤先生のお呼び出しがかかった。仕事、かな?いやでもインターンは終わった……?もしや私だけ終わってない!?
エリ「あれ?心操くん!」
心操「うん。また会ったね」
相澤先生に呼ばれて行くとそこには心操くんもいて……話が見えない私は首を傾げた。
相澤「わざわざすまないな。小桜に頼みがある」
エリ「はい、イレイザー」
相澤「心操の特訓を手伝ってほしい」
話を聞くと心操君はヒーロー科の編入を志願していて、相澤先生に捕縛紐を教えてもらっているらしい。私の個性が瞬間移動で速いから、と言う理由で選ばれたらしいが顔見知りな事に驚いていた。ミスコンの準備で忙しい、なんて言えず二つ返事で引き受けると本当に嬉しそうにしてくれて、私も笑顔になる。
早速放課後、心操くんとサポートアイテムの話になり彼は興味津々で時計やスカートのバルーンについて紹介すると思いの外食いつきがすごい。
心操「そのアイデアって小桜さんが?」
エリ「バルーンは私だけど、時計はサポート会社の人が……」
勝手に、、私はこの勝手にかなり救われているのだ。
エリ「私にないアイデアをたくさん持っていてね、前も発目さんが……あ、心操くんも行ってみる?」
心操「え!」
わぁ、これ以上ない程に目が輝いている
エリ「相澤先生に聞いてみるね!」
先生に相談すると紹介しといてやれと一言。文化祭で忙しいかなと思いきや、大歓迎の雰囲気に私まで嬉しくなった。
エリ「頭に描いてるのがあるの?」
心操「うん。ちょっとね」
発目「何ですか!ぜひ聞かせてください!!」
エリ「ははは!めっちゃ食い付く……」
『BOOOOM!!!』
……あ、この事伝えるの忘れてた。
心操「いててて……」
目の前で急に爆発が起きて2人して飛んでいき……
って小桜さんは!?なんか上に乗って……
エリ「心操くん、大丈夫……?」
心操「え、あ…小桜さ……っ!!?」
目の前にはドアップの小桜さんの顔があって、柔らかくて暖かくて居た堪れない……!!
爆豪「おい」
エリ「かっちゃ……?」
ぶつけた膝が痛いけど、かっちゃんはそれ以上に傷付いた顔をしていて……どうしてここに……?
爆豪「んっとにオメーはよぉ!」
エリ「っ、」
今までに見たことのない顔をしていて固まっていると、ごめんなさいと謝る発目さんと私の名を呼ぶ心操君の声が下から聞こえて飛び退いた。
エリ「ごめん!痛かったよね」
心操「いや、いいんだけど……爆豪すごい怒ってたけど大丈夫?」
エリ「うん……かっちゃんならあれくらい避けれるから私がトロくさく映ったんだと思う……」
心操「(え、避け……まぁ爆豪ならそうかもしれないけど、あの睨み方は……)俺は助けられたよありがとう。小桜さんには助けてもらってばっかだな」
エリ「そんな事ないよ……あ、明ちゃん、心操君のコスの件で来たんだよ」
To be continued......
2026.08.07
