文化祭編
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55.舞響け!文化祭
轟「………」
緑谷と昼休みに話してから、この感情に名前をつける為に小桜をよく目で追うようになった。最近の小桜は昼休みに外で小石を見つめていて、話しかける隙がない。
放課後は心操と一緒に何やら勉強?していて、俺も補講があって目が合えば挨拶だけ。
休みの日もいつの間にか居なくなっていて……
轟「(お、いた……)」
壁にもたれかかって何して……
「音つぶ立たせろや!」
バンドの練習してんのか。小桜はミスコン出るから役割ねぇけど、何して……?
エリカ「 have met so many heroes in my life〜♩
Gave me the strength and courage to survive〜Gave me the power to smile everyday〜Now it’s my turn to be the one to make you smile♩」
歌……?文化祭の……すげー綺麗……
エリカ「っあ、誰かいる……?」
轟「悪い、聞いちまった」
そういうと小桜は恥ずかしそうに
エリカ「こんな歌を作った響香も凄いし、ドラム完璧なかっちゃんも凄い!」
轟「そうだな。隣、いいか?」
小桜は爆豪の話をすると生き生きしてる気がする。ここまで口ずさめるって事は今まで何回もきていたんだろうな。
轟「小桜がヒーローを目指すのはどうしてかと思って……」
エリカ「それは……(お父さんの事とかいろいろあったけど、私は……)護りたい、人がいるから……」
頬を赤くしながら壁に持たれる小桜は今まで見たことないくらい綺麗な顔をしていた
轟「(護りたい人……)」
みんなとかではなく特定の、って事か?
エリカ「よし、充電完了!私特訓しなきゃ」
轟「小桜、今度……俺とも特訓しないか?」
エリカ「轟くんと特訓……?」
少しでも側に……そう思い特訓という名目なら断られる確率は低いと思った。
エリカ「ぜひ!喜んで」
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エリカ「轟くん、補講で忙しいんじゃないの?私は嬉しいけど……」
轟「小桜、最近足技も使うようになったよな。俺も体術鍛えてぇ」
補講で忙しいのは確かだが、すれ違いもいい所で、放課後心操と一緒にいると聞けば気分が塞ぐ。一緒にトレーニングすると言えば断られないだろうと踏んで誘った。
エリカ「じゃあ、いくよ?」
轟「おう」
心操「(うわ、ヒーロー科の実践初めてみる)」
小桜は困ってる奴を放っておけねぇ。
俺もスゲー困ってるんだ。だから助けてくれ。
心操「ありがとう。参考になったよ!俺じゃあヒーロー基礎学ノートにまとめるから」
息を切らす小桜と少しやりすぎちまったかと心配になり、大丈夫か?と近付いたら……見たこともねぇくらいキラキラした顔がそこにあった。
エリカ「轟くんすごいね!技繰り出す時も体幹ブレないしやっぱり毎日筋トレしてるの?」
轟「一応……毎日してる」
やべ……目反らしちまう
エリカ「やっぱり!ね、触ってみてもいいかな?」
轟「えっ(触……!?)」
エリカ「腕とか腹筋とか触りたいんだけど……ダメ?」
手が触れたらマズイんじゃねぇか……?
いや、爆豪は落ち込んでた時、小桜にハグしてもらったっていうし、俺も……
轟「…だ…ダメじゃねぇ」
エリカ「ほんと?」
爆豪「エリカ」
エリカ「わっ!?びっくりした……なに、かっちゃん」
轟「(爆豪……)」
最近思うことがある。
爆豪「衣装のデザインできたから放課後確認」
エリカ「え、やったぁ!」
俺が小桜と幼馴染だったら……
もう少し早く、爆豪より早く出逢っていたらもっと近くに……
爆豪「ついでにバンドも聴かせてやるわ」
エリカ「嬉しい!轟くんも行こう?」
轟「俺は……行っていい、のか?」
爆豪「何言っとんだ。チャイム鳴るだろが」
轟「チャイム……」
そうか、もうそんな時間か……
耳郎「エリカ、サイズ測らせて」
エリカ「うん!」
メジャーを持ってきた響香とモモ。
耳郎「バクゴーからオッケー出たからさ、ドレスのデザイン」
エリカ「ありがとう!ドレス楽しみだなー!」
八百万「耳郎さんから話は聞きましたわ。そのドレス私に作らせてください!」
エリカ「え……いいの?」
八百万「ぜひお手伝いさせてください。エリカは友達ですもの」
エリカ「2人とも、ありがとう……」
私も2人が困ってたら全力で力を貸せる人になりたいな。今とても幸せ……
エリカ「き、響香!?ちょっとメジャー痛い……」
耳郎「エリカってさ、スタイルいいよね……なんかすっごく羨ましくなってきた」
エリカ「わわっ、ちょっと食い込んで……」
いやいや、ホントに痛いよ!?胸が潰されるー!
八百万「ミスコンで何するか決まりましたの?」
エリカ「うん、だいたい決まっ……」
爆豪「お、」
エリカ「お…?」
響香はいつまで胸を測ってるんだろう?
かっちゃん固まっちゃってちょっと気まずい…
耳郎「爆豪!ノックくらいしなよ!」
エリカ「ひっ、(胸潰れ……苦し……)」
八百万「エリカさん!?」
爆豪「連絡入れたわ!エリカの胸つぶれるだろうが!離せや!」
耳郎「わわっ、ごめ……(ってなんで爆豪に怒られ……)」
エリカ「だ、大丈夫だよ……かっちゃんどうしたの?」
耳郎「ドレスならヤオモモが作ってくれるってさ」
八百万「お任せくださいっ」
そーかよと用事は特にないみたいで背中を向けて歩き始めたかっちゃん
エリカ「もしかして、サイズ計りにきてくれたの……?」
耳郎「は!?」
爆豪「っ!?ちげーわ!!」
エリカ「さっきそう言って……あ、ドラム聴かせてくれるって言った!」
爆豪「着替えて来いや」
エリカ「うんっ!!」
八百万「耳郎さん、私達も……」
エリカ「わあ!みんなの演奏聴きたい!」
耳郎「上鳴と常闇も呼んでこよっか」
八百万「はいっ!」
文化祭前、この日は心操くんクラスの出し物の準備があるそうで轟くんと2人で個性伸ばしに励んでいた。
エリカ「雨、降りそうだね……」
轟「そうだな」
言っている間にポタポタと降り始めてきた雨はあっという間に地面を濡らしている。
エリカ「もう少しやりたかったなぁ……」
轟「寒いから俺の左側にー……」
エリカ「あ!そうだ!」
轟「小桜?」
側にくるどころか飛び出して離れて行く小桜。距離を詰めるにはどうしたら……
轟「エリカ………」
エリカ「みーてー!!雨のダンス」
轟「(気付いてねぇ……)」
10本の指で器用に雨を動かず小桜は楽しそうにはしゃいでいる。目が合うとふんわりと笑いかけられて、その瞳はキラキラ輝いていて綺麗だと思った。
エリカ「ありゃ、眠……」
轟「!?」
支えると細くて柔らかい感触に胸が締め付けられていく。
轟「(あったけぇな……)」
爆豪「やめとけ」
轟「っ、爆豪……」
熱ぃ……左側だけではなく全身が。どうしようもなく。抱きしめて、あたためてそれで……
爆豪「オメーが何を思ってンのかは察しがつく。けどそのアホ、貰うわ」
轟「(離したくねぇ)」
爆豪「はよしろ。コイツが風邪ひく」
っ、いつもそうだ。
爆豪は小桜の事思って瞬時に行動する。
俺は自分のことでいっぱいなのに……
轟「俺は風邪をひかせるところだった。配慮が足りねえ。けど……」
爆豪「ハッ、やっと気付いたのか。遅ぇわ話にならねえ」
轟「…………」
あっと言う間に小桜を担いで寮へと戻って行く爆豪
爆豪「耳、タオル」
耳郎「うわっ!エリカ!?」
八百万「轟さんも濡れてますわ!」
轟「先に小桜頼む」
エリカ「くしゅんっ」
八百万「わかりましたわ!」
切島「エリカちゃん大丈夫か!?」
爆豪「演習ですげー個性使ってたからな。こんな事だろうと思ったわ」
緑谷「指の数5本解禁したもんね。10㎞が今のエリカさんの行動範囲なのかな……?」
轟「(全然気付かなかった)」
麗日「やっぱり幼馴染ってすごいな。エリカは小さい頃一緒にいただけやって言ってたけど……次元がちゃうわ」
轟「(俺はそれにはなれねぇ。どうしたらいい……?)」
その日私は起きる事なく眠ってしまい、翌日少しだけ風邪をひいた。かっちゃんには自業自得だと言われて轟くんは俺のせいだと謝っていて……それは違うと声を大にして言った。私がやり過ぎたのだ。
エリカ「暖かくしてくれたよね?少しだけど覚えてるよ、ありがとう」
轟「礼を言われる事はしてねぇ」
そしてあっという間に文化祭の当日になったのだ。
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切島「ほんとよかったよな!みんなで盛り上がれてよ!!」
文化祭当日、無事にバンドを終えた俺たちは一息つく……わけではなく。急いで片付けをしている。それはもう理由はひとつだ。
葉隠「エリカちゃんもう行ったー?」
芦戸「ギリギリまで一緒に居たけど行ったよ!」
峰田「小桜のミスコン……!!」
蛙吸「ステージ楽しみだわ。何をするのかしら」
切島「楽しみだな!爆豪!」
爆豪「あぁ!?」
きっと爆豪も楽しみで仕方ないはず。
最近2人でいる所全然見ないし、心配でもあんだけど……それは俺らが踏み込むところじゃねーよな!とこっそり見守る事にしたんだ。
急いで片付けミスコンへ向かうとエリカちゃん目当てな人がたくさんいて俺まで緊張してきたー!!3年の先輩はすごい迫力で圧倒もしたけど、最後のエリカちゃんの番がやって来て俺たちは言葉を失った。
上鳴「マジかよ……エリカちゃん」
可愛いとか、綺麗とか
そんな言葉では言い表せない
ピンクのマーメイドドレスを着ているエリカちゃんは、凛としていて、華やかで、見ているだけでスゲー幸せになれる。
ふと爆豪の顔を見ると珍しく口元が緩んでいて、俺の心は温かくなった。
切島「最高だな!」
爆豪「っは、当たり前だろ」
ピンク色の花束を持って現れたエリカちゃんはそれを抱え込む
切島「今エリカちゃんこっち見たよな!!」
まるでアイドルと目が合ったかのような高揚感に思わず心臓まで手を伸ばした。俺、今スゲー生きてる!会場が静まり返ったとき、エリカちゃんは満面の笑みを浮かべていた。
耳郎「女神」
麗日「天女」
峰田「オイラのだかんな!!」
心操「すげー……」
「完膚なきまでの一位だよ」
そう言ってた君の横顔が素敵だと思った。
きっかけなんて知らなくて。小桜さんが目指してる先に爆豪が居て、俺は小桜さんの足元にも及ばないのに。
だから……
「この花びら一人一人に向かって飛ばしてる!?」
「マジック?どうなってるの!?」
一枚一枚人に向かって花びらが飛んでる。すごいな小桜さん。ほんとうに凄いな……
心操「(あ、俺の所にも……なんていうタイミングだ)」
こんな事で自覚するなんて。わかった途端に……
心操「ははっ(まだ心の傷は深くないはずなのに)」
洗脳って個性の俺がこんなに心痛めるなんてな
「私達を洗脳なんてしないでよ」
と言われていた言葉を
「心操君の個性は、たくさんの人を無傷で助けることのできる素晴らしい個性だね!すごいなぁ」
塗り替えてくれた
心操「(今は出逢えた事に感謝しよう)」
アップデート
もっと遠く遠く遠くまで飛んでゆけ
耳郎「この花って……」
八百万「エリカのヒーロー名の由来になった花ですわ」
蛙吹「とても、綺麗……」
他の誰かじゃダメ、ダメ、嫌だよ
後悔したくないから今すぐ言うよ
エリカ「(飛んでけーーっ!!)」
好きだ 好きだ 好きだ 好きだ
エリカ「(私はとてもとても……)大好きだよっ」
爆豪「〜〜っ!?」
To be continued......