インターン編
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上の階に上がり、まだまだ続く迷路のような道をひたすら走る最中
相澤「妙だ」
49.GO!!
緑谷「………!」
相澤「地下を動かす奴が何の動きも見せてこないのは変だ」
緑谷「そういえば…グネグネしません!」
相澤「何の障害もなく走ってるこのタイミングで邪魔をしてこないとなると…地下全体を把握し正確に動かせるわけではないのかもな」
「把握できる範囲は限定されていると?」
ロックロックの問いに相澤は表情を変えず、自分の考えを話し始めた。
相澤「あくまで予測です。奴は地下に入り込んで操ってる。同化した訳じゃなく、壁面内を動き回って見たり聞いたりしてるとしたら、邪魔をしようと操作するとき本体が近くにいる可能性がある。そこで目なり耳なり本体が覗くようなら…」
エリカ「イレイザーの出番ですね!」
相澤「まぁそう……」
その時だった。エリカの視界からイレイザーヘッドが消えた。
エリカ「イレイザー!!」
突然真横の壁が彼を攫おうとしたのだ。一瞬の間に相澤は突然横に開いた大穴に押し込まれそうになっていて……
相澤「(俺を狙って…!!やはり"見られる"ことを嫌がってー……)」
切島「イレイザー!!」
ファット「(こいつに良いようにされとったら環がつくってくれた時間無駄んなる。イレイザーおまえ消せこいつ!)」
相澤「すまない!」
ファット「気にすんな!!!」
ファットが先生を助けてくれて……代わりにコロコロと飛んで行った。……あれ、えいちゃんは?
エリカ「わわっ、また壁が来てる!!」
壁が!地面が!天井が!八斎會本部長の入中が壁中より行手を阻んでいる。ロックロックがその場をロックしたが、締めてないところからどんどん迫ってくる。
「まるで愚鈍な土竜だな」
いっちゃんが迫ってくる壁を蹴っても埒があかない。こうなったら私が怪力で……いや、瞬間移動で……
相澤「(本体を"見れ"れば止められる…!)」
エリカ「イレイザー!私がっ」
緑谷「開いた!?」
ブアッっと一気に壁が開いて襲ってくる。
相澤「デク!アイリス!」
咄嗟にイレイザーが私達を庇ってくれて、何とか怪我をせずに済んだ。
緑谷「分断…!?」
他の人は居なくて……3人は呆然と壁を見ていた。
「敵連…」
相澤「ロック!!どうした!!」
緑谷「イレイザーどいて下さい!」
隣の壁をぶち破ると……
エリカ「ロックさん!!」
向こう側に行くと、ロックロックが2人居る。1人は倒れていて、もう1人は……
「小桜、そっちは大丈夫か」
エリカ「(あ、あれ……私の名前……?)はい、大丈夫ですけど……っ!!」
刀!!?
相澤「(悉くーー!!)」
『ドパッ』
エリカ「ひゃっ……と、トガさん!!?」
トガ「トガ!!そうだよトガです!覚えててくれた!!わああまた会えるなんて嬉しい!!嬉しいなァエリカちゃん!!」
シュルシュルと捕縛紐を発動するイレイザー
相澤「ここまでだ渡我被身子」
緑谷「(…あの身体さばき……あの個性…………嘘だろ。何を……考えてる敵連合!!)」
エリカ「……いっちゃん……?」
えいちゃんもいなくなっちゃったし、
トガさんはどこに消えたんだろう……
エリカ「…………わわわっ!?」
壁が渦を巻いて盛り上がる。
「ギエエエエエ」
相澤「声だ!!聞こえたな!?」
エリカ「はい」
こんな状況でも焦ってはいけない。音が反響してて、本体がどこにいるのかわからない
「ーーー!!」
くぼみをいっちゃんが一蹴り。
すかさず先生が個性を消し人が落ちてきた。
サー「どうやら使われてしまった…ようだな」
生き迷宮が終わったのはいいが、これじゃ前後もわからないと嘆く私たち。しかし、サーは方向を把握してると言う。
サー「……他の連合メンバーはどこにいる」
「知るか!!!必ず見つけ出してやる!!」
エリカ「うわー、仲間割れかぁ」
サー「ここにいるのは二人のみ…ということか」
緑谷「先生…!!」
連合にまで目的が及ぶ場合はそこまでだ
……先生はそう言っていた。
ロック「なーーーにを立ち話してんだ……!!」
緑谷「ロックロック!」
ロック「無視して進め!連合の方は警察に任せりゃいい…!!俺たちの最優先事項は何だよ!!?」
エリカ「……!!?」
上にいるリューキュウたち、地下で分断された警官たち、サンイーター、烈怒頼雄斗、ファットガム、ルミリオン……みんなが稼いだ時間を無駄にするな!この声に背中を押されて走り出す。
走り出した先に目を疑うような光景が広がっていた。
エリカ「通形……先輩……っ」
相澤「ナイトアイ確保を!!」
エリカ「…………」
側近の二人…部屋近くにも一人、そしてボロボロの治崎……歪な壁で覆われた空間。
一人で…ここまでー!!
サー「凄いぞ…凄いぞミリオ…!」
サーは駆け出して通形先輩を抱きしめていた。
エリカ「先輩、あとは私が……」
グッと涙を堪えてエリちゃんの元へ向かった。こんなに小さい女の子が……まだこんなに小さいのに……!!
通形「ああ、」
突然現れた女の子にエリはびっくりしていた。どうやら自分を必死に守ってくれた通形の知り合いのようで、今まで見たこともない笑顔でこっちを見ている。
エリカ「私、エリカだよ。よろしくね」
エリ「エリカ、さん……?」
エリカ「そう。ヒーロー名はアイリス」
エリ「…………」
伝えたい。私はずっと君を助けたかったんだと
緑谷「治崎!!」
私が先輩の方に、そしていっちゃんは治崎の方へと向かった。エリちゃんにおいでと手を伸ばし、少し考えながらも腕の中へと来てくれた。
治崎「全て無駄だ!!」
エリカ「っ!」
『ドッ』
床が一気に盛り上がり棘の様なものが襲いかかる。
エリ「エリカさん、大丈夫…?」
エリカ「大丈夫よ…っ」
咄嗟に上へと避けたけど、少し足に刺さってドクドクと心臓が音を立てているのがわかった。けど、こんなもの先輩に比べたら何ともない!全然痛くなんかない!!
治崎「ルミリオン、おまえは確かに俺より強かった。だがやはり全て無に帰した
さァ壊理を返してもらおうか」
エリカ「絶対に渡さない」
空中でスカートを膨らましてゆっくりと下へ降りてくる今も、ぎゅっとエリちゃんを抱きしめた。
ホントはこんな戦い見せたくない。今すぐにだって安全な場所に飛んで行きたいけど、私は壁をすり抜けられるわけじゃないから、出口がどこかわからない。
けれどいざとなったら、エリちゃんを抱えてどこまでも飛んでいく……!!
緑谷「(状況を把握しろ!エリちゃんは…エリカさんが、先輩は!ナイトアイが守ってくれてる!)」
エリカ「(イレイザーがいない!!白フードの奴も!……どこ…!?)」
治崎「悲しい人生だったなルミリオン。壊理に…俺に関わらなければ"個性"を永遠に失うこともなかった」
…………え……?個性を……失う……?先輩が…?
エリカ「…………」
通形先輩は努力の人だった。
その稀有な個性は扱いづらく、使いこなすのにかかった時間は17年。
そして、治崎の作った銃弾で音本に撃たれ、エリを守るために被弾した彼は個性を失った。
その状態で彼は彼女を守り抜き、エリカ達の加勢が入るまで耐え抜いたのだった。
エリカ「そんなの……っ」
エリ「……っ」
エリカ「エリちゃん……」
いけないっ!!
私はエリちゃんの耳を塞いだけどもう遅かった。
いっちゃんの話では2人を傷つけないように自ら地獄へと戻るような心優しい子なのだ。
治崎「失って尚粘ってーー…そしてその結果が、増援を巻き込み全員死ぬだけなんてな」
もう辞めて……!!思わずそう叫びそうになったけど、先生の言葉を思い出してグッと飲み込んだ。
「アイリス、お前はあんまり目立つな。現場到着後他の者が治崎に向かう間にエリちゃんの確保と合図があればすぐに抱えて飛べ。いいな?」
エリカ「ぐぬぬ……!!」
飛びたいけど、エリちゃんが助かりたいと願わないといけない、そんな気がする。
緑谷「(先輩ーー!!)」
サー「こいつの相手は私がする!貴様はルミリオンを!!」
緑谷「ーー了解です。先輩!!動けますか!?」
通形「…ああ…!余裕……だよね…!!ーー結局…悲しませてしまった」
緑谷「ゴクッ…ーー移動します!」
いっちゃんが先輩を抱えて元来たルートに戻ろうとすると、私もそれに着いて行く。
エリ「もう…いいです…ごめんなさい」
エリカ「エリちゃん……」
緑谷「!!?」
ズサァァァとさっきの棘が迫ってくる
ダンッと大きな音を立てていっちゃんが遮った。
エリカ「エリちゃん……私もね」
エリ「……え?」
エリカ「守ってもらうだけじゃなくって認めて貰いたい人がいるの」
エリ「…………」
エリカ「だから私は……」
治崎「いくら速かろうが」
エリカ「あっ…!!」
治崎「先の二人に比べれば動きの"線"が素直で見えやすい」
エリカ「だめーー!」
緑谷「エリカちゃん…!!?」
治崎「消える奴……おまえのせいでまた死ぬぞ!これが望みなのか!?壊理!!!」
エリ「望んでない…!」
エリカ「エリちゃん!出てきちゃダメ!」
緑谷「先輩と一緒にいるんだエリちゃん!!」
治崎「壊理…こいつ一人でこの状況なんとかなると思うか?」
エリ「……思わない」
治崎「どうするべきだ?」
エリ「戻る……そのかわり…!!皆を…元通りにして…!」
エリカ「……!!」
治崎「そうだよな……自分のせいで他人が傷つくより自分が傷つく方が楽だもんな。気付いてるか?壊理にとって最も残酷な仕打ちをしてる事に。おまえは求められてない」
サー「(緑谷…もう変えられない…!!エリちゃんの保護は叶わない…!見てしまった…!私と貴様が殺される治崎が逃げおおせる未来を)」
緑谷「余計なお世話だとしても…!君は泣いてるじゃないか!!誰も死なせない!君を救ける!!」
エリカ「どっちが残酷だよ!!私、絶対に貴方の事許せない!!エリちゃん!」
エリ「…………」
エリカ「お願いだから諦めないで……貴女を助けたいの。助かる事を諦めないで」
エリ「でも……」
エリカ「私に……護らせてっ!」
『THOOM』
天上が崩れ落ちてきたのはリューキュウ!そしてウラビティとフロッピー
緑谷「ナイトアイの保護頼む!!」
地面が盛り上がり、エリが飛ばされていく
緑谷「治崎!!」
エリカ「させない!!」
ガシッとエリを掴む治崎の背後に回り、右拳が治崎の後頭部をかすった。
緑谷「やばい空中じゃ身動きがーー…」
エリカ「私がいる!」
緑谷「エリカさん…!!」
エリカ「お茶子に無重力にしてもらった!!だから……一緒に戦おう!デク!エリちゃん!!」
少し前に遡る。
上鳴「おいおいおいおい切島達ヤベーって……」
生徒達は共有スペースのテレビ前に集まっていた。ニュースでは八斎宅の周りで奮闘するリューキュウ達が映されており、お茶子や梅雨を心配する声が上がっている。自宅付近はヴィランによって壊され無残な姿になっている。
芦戸は横にいた砂藤をぐわんぐわんと回し、勝己はコーヒーを淹れていた。
その時
『この中にも沢山のヒーローや警察がいるようです!』
『目撃者の証言によりますと、あのCMで有名なアイリスも中へと入って行ったそうです』
爆豪「……!」
耳郎「エリカ!?」
瀬呂「マジかよ……エリカちゃん中って……」
轟「!?」
ズカズカとテレビ前に向かう勝己は先程とは打って変わって鬼の形相だ。
爆豪「おい、これどこだ!?」
上鳴「ば、爆豪落ち着けって!相澤先生も一緒のハズだし……!」
轟「八斎の……今調べる」
峰田「行く気かよ!?ぜ、絶対ダメだぜ!?」
飯田「………(次は全力で…!)」
八百万「………(止めます!!)」
空気が静まり返る。
ギリギリと手を握る音が聞こえてきそうだ。
『ああ…!!リューキュウが敵と一緒に中へ!!?』
爆豪「!」
耳郎「爆豪、轟、あのさ……」
爆豪「んだよ」
轟「?」
耳郎「エリカは、ヒーローになりたいって言ってた……その為に、強くなろうと頑張ってる……」
爆豪「…………」
耳郎「し、信じて待とうよ!エリカは強いからっ」
葉隠「響香ちゃん……」
八百万「……エリカは強いですわ。だって体育祭3位ですもの」
芦戸「1年のビッグ3だもんねー!」
峰田「そ、そうだぜ!?俺なんて絶てぇ敵わねえよ!!!」
瀬呂「言えてる」
峰田「人に言われるとってやつだな」
耳郎「うっ」
爆豪「アイツは強え。わーってる」
耳郎「そっか!」
爆豪「(いくら強かろうが、アイツは俺が守ると決めた女なんだよ……!)」
轟「(友達だからこんなに心配してんのか……?何も手につかねぇし、動悸が止まらねえ……)」
To be continued......
2019.09.01