インターン編
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46.後期スタート
芦戸「ケンカして」
葉隠「謹慎~~!?」
たくさんの罵倒する声が響く中、私は昨日の事をぼんやりと思い返していた。名前を呼んで貰って、キスをして……
耳郎「知ってた?ケンカだってー…………エリカ?」
エリカ「…………」
耳郎「どうしたの?寝足りない?」
麗日「昨日瞬間移動使い過ぎたんちゃう?」
髪の毛ボサボサやしとお茶子が言えば、クシとゴムを持ってきてとかしてくれるモモ。わらわらと集まってくる友達を一括したのはウィーンと掃除機をかける彼だった。
爆豪「エリカ」
エリカ「……!」
「「「(え!?名前で呼んだ!!?)」」」
爆豪「ボサっとすンな。行ってこい」
エリカ「う、うん……」
峰田「…………ん!?」
瀬呂「なんかさ、雰囲気が……」
上鳴「違う!!?」
エリカ「い、行ってくるねかっちゃん…」
「「「(んんん!!?)」」」
爆豪「フンッ」
寮を出ても、名前を呼んでくれた事が浮かんでは消えを繰り返し
「二名!!そちら仮免落ちが二名も出たんだってええ!!?」
B組の罵倒も
「かっこ悪ィとこ見せてくれるなよ」
心操くんの声も
「やあ!皆大好き小型ほ乳類の校長さ!」
校長先生の話も何も耳に入らないでいた。
砂藤「おい、小桜大丈夫か?」
エリカ「……むにゃ」
『ドンッ』
切島「うおっ!エリカちゃ………なぁ、爆豪となんかあっ……」
「寮のバウッバウバウッ慣れバウバウッグルッ生活バウ!!
アオーーーン!!!」
「「「…………」」」
エリカ「はっ!!寝てた!何事!?」
前列のえいちゃんと後ろの砂藤くんに盛大に迷惑をかけていただけの始業式は終わり、教室へと戻る頃にはすっかり目も覚め普段通りに戻っていた。
耳郎「ね、どういうこと爆豪名前で呼んでたけど?」
麗日「説明してくれるねんな?」
教室に戻ったらあれよあれよという間に捕まり問い詰められる。私もよくわからないけれど、名前で呼んでくれた。
耳郎「まぁ泣き虫って呼ばれるのも意味わかんなかったけどさっ」
麗日「泣き虫ちゃうよなぁ」
エリカ「小さい頃はよく泣いて……」
うん、よく泣いてかっちゃんに……
エリカ「……あ」
「「ん?」」
ずっと泣き虫だったかっちゃんの中の私。それが今は……
エリカ「やっと私が、ここにいる事を認めてくれたって事かなぁって」
耳郎「認める……?」
麗日「爆豪くん認めてなかったん……?」
ずっと、そうじゃないかと思っていた。かっちゃんにとって泣き虫で弱い幼馴染がここにいる事が煩わしくて、守る対象で……"泣き虫"って呼んで私に自覚させようとしていたのかも
エリカ「それだったら……とても嬉しいなって」
麗日「あかん、エリカのキラキラした顔が可愛すぎて何も言えへん……!」
エリカ「私頑張る!!」
轟「小桜はいつも頑張ってると思うぞ」
エリカ「お」
麗日「(通りすがりにそれだけ言って席に戻るなんて……)」
耳郎「(イケメン)」
八百万「エリカが気になるんですの?」
轟「小桜の……ヒーロー名を聞いた時から気になっていた」
八百万「アイリス……素敵なヒーロー名ですもんね」
轟「なんでヒーローになりてえのか理由を聞くのを忘れたなって思って」
八百万「確かに私も知らないですわね……」
相澤「席に着け」
エリカ「わっ!」
相澤「じゃあまァ…今日からまた通常通り授業を続けていく。かつてない程に色々あったがうまく切り換えて学生の本分を全うするように」
エリカ「はいっ!!!」
相澤「いい返事だな。今日は座学のみ。だが後期はより厳しい訓練になっていくからな」
蛙吹「ごめんなさい、いいかしら先生。さっき始業式でお話に出てた"ヒーローインターン"ってどういうものか聞かせてもらえないかしら」
わあ、始業式なぁんにも聞いてねぇ…!後で響香に何話してたか聞いとこう!
相澤「平たく言うと"校外でのヒーロー活動"以前行ったプロヒーローの下での職場体験…その本格版だ」
本格版……それってエンデヴァーにめちゃくちゃに扱かれるって事!?むしろ本望。
麗日「体育祭の頑張りは何だったんですか!!?」
相澤「校外活動は体育祭で得た指名をコネクションとして使うんだ。授業の一環ではなく生徒の任意で行う活動だ。むしろ体育祭で指名を頂けなかった者は活動自体難しいんだよ」
エリカ「ほー……」
学校とは別に……か。それって2つを両立させないといけないって事だよね。なんだか大変そうだけど、面白そうだな!やりたい!
耳郎「エリカはエンデヴァーの所に行くの?」
授業が終わり、寮へと戻ってくる途中で響香に言われた一言で立ち止まる。
エリカ「行きたいけど……」
果たして轟くんいなくても受け入れてもらえるだろうか……?
轟「何暗い顔してんだ?」
エリカ「あ、轟くんちょうどよかった!あのね……」
そこへ轟くんがソファーの横に座ってくれて、ポツリポツリと話すとそんな事かと笑ってくれた。
轟「大丈夫だろ。聞きにくかったら俺から連絡してもいい」
エリカ「ありがとう!後でかけてみるね」
麗日「(轟くんとお似合いなんやけどなぁ)」
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エリカ「わっ!嬉しい!ありがとうございます」
無事にエンデヴァーに電話も終わり、インターンの事は検討すると言ってくれて一安心。変わりにCM第二弾の話も来ているようで、それは喜んでお受けした。臨時収入だと浮かれて共有スペースに戻ればかっちゃんが凄い剣幕でゴミを集めている。
いっちゃんと喧嘩したと聞いたのは終業式が終わってからで、抱えていた何かが爆発したのかなぁなんて……何となくだけどそう思っていた。それを見ながらぼんやりと考えていると、轟くんがどうだったかと聞いてきた。
エリカ「エンデヴァー前例はないけど、検討してみるって言ってくれた!嬉しい!ありがとう」
轟「俺は何もしてねぇ」
八百万「エリカ!エンデヴァーの所に決まりましたの?凄いですわ!」
エリカ「あ、いやまだ検討段階だけど前向きにって」
葉隠「すごいね!」
耳郎「顔赤いよ、ほんとエンデヴァー好きだね」
エリカ「え、照れる……」
エンデヴァー職場体験の時もカッコ良かったから、インターンできたら嬉しいな~
轟「……」
あの勘の鋭さと行動力、そしてあの戦いぶり!今思い出しても胸が熱くなる!今、実質No. 1のエンデヴァーにお世話になるのは恐れ多いけど……それだから私の出来ることもあるはずだ。うん、きっと役に立ってみせる!
八百万「轟さん、少しいいでしょうか?」
轟くんとも一緒に行きたかったな。いろんな話をして楽しかったし、私のお父さんの事もいつか話せるかな……あれ、いない?
八百万「これを」
轟「チケット…?」
八百万「親の伝手で水族館のチケットをいただきましたの。轟さんに差し上げたくて……誘ってみてはいかがですか?」
轟「誘うって……」
八百万「ここだと2人でゆっくり話す時はないかと思いまして」
轟「………」
八百万「補講がおありなのでお忙しいでしょうが……」
轟「終わったら誘ってみる。ありがとう」
相澤「じゃ緑谷も戻ったところで本格的にインターンの話をしていこう。入っておいで」
いっちゃんの謹慎が解けて、本日から授業に参加した朝のホームルーム。先生においでと促され上級生かな?3人教室に入ってきた。なんだろう?
相澤「職場体験とどういう違いがあるのか直に経験している人間から話してもらう。現雄英生のなかでもトップに君臨する3年生3名ーー…通称ビッグ3の皆だ」
エリカ「ビッグ……スリー……」
相澤先生から自己紹介を、と言われた3人は天喰先輩と波動先輩とそして……
「前途ーー!!?
多難ー!っつってね!」
通形ミリオ先輩。この3人との出会いが私に大きな衝撃を与えたのだ。
唐突に戦いを挑んできた通形ミリオ先輩。体育館γに集まり1人対1-Aのみんなという異様な向かい合わせに思わず唾を飲み込んだ。
それにしてもよほどの自信だ。私たちは個性を知られているであろうというアドバンテージすらも向こうの方が圧倒的に不利だし、通形先輩の個性はなんだろう?少なくとも体育祭で上位にはいなかったような……?
通形「いつどっから来てもいいよね。一番手は誰だ!?」
切島「おれ」
エリカ「わた」
緑谷「僕……行きます!」
私たちを遮って名乗りを上げたいっちゃんの顔は何とも凛々しい。
通形「問題児!!いいね君やっぱり元気があるなあ!」
緑谷「(雄英のトップの人…!今の僕、距離はどの程度か)」
切島「近接達は一斉に囲んだろうぜ!よっしゃ先輩そいじゃあご指導ぉー」
「「「よろしくお願いしまーっす!!」」」
『ハラッ』
耳郎「あーーー!!」
エリカ「わーーー!!」
途端に服がハラリと落ちていく。
通形「ああ失礼調整が難しくてね!」
緑谷「(隙)」
エリカ「(あり)」
いっちゃんは顔面を、私は腰を狙って蹴りを入れた……つもりだったけど空を切る。
エリカ「え……透け……?」
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それからは一気に通形先輩にやられて全く歯が立たず……。
エリカ「透過!!?なにそれ!透明人間なの!?でも見えてるよ!?自由なの!?」
葉隠「え、エリカちゃん凄まじい食いつきだね……」
通形「全身"個性"発動すると俺の体はあらゆるものをすり抜ける!あらゆる!すなわち地面もさ!!」
エリカ「地面、も……?」
麗日「あっじゃああれ……落っこちてたってこと……!?」
衝撃だ。何という個性だ。
ゲームのバグみたいだと頬を膨らます芦戸ちゃんに強い個性だと言う梅雨ちゃん。
通形「いいや強い"個性"にしたんだよね。発動中は肺が酸素を取り込めない。吸っても透過しているからね。同様に鼓膜は振動を網膜は光を透過する」
エリカ「…………」
通形「わかるかな!?そんなだから壁一つ抜けるにしても、片足以外発動→もう片方の足を解除して設置→そして残った足を発動させすり抜け。簡単な動きにもいくつか工程が居るんだよね」
通形先輩の話を聞いていると、この人がどれだけ努力してここまで来たのかがわかる。
通形「インターンにおいて我々はお客ではなく一人のサイドキック!それはとても恐ろしいよ。時には人の死にも立ち会う…!」
エリカ「えっ……」
通形「けれど恐い思いも辛い思いも全てが学校じゃ手に入らない一線級の"経験"」
一線級の……経験
通形「俺はインターンで得た経験を力に変えてトップを掴んだ!ので!恐くてもやるべきだと思うよ1年生!!」
エリカ「……っ」
ヴィランを怖がってる私だからこそ、インターンはやらなきゃ……!!次へ進む為にも……
エリカ「轟くんの写真でも手土産に……!」
絶対うん、と言わせてみせる!!
待っててよエンデヴァー!!!
To be continued......
2019.07.02