林間合宿編
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爆豪「デクはオールマイトにとっての何なんだ」
39.家庭訪問
エリカ「えっと、これは……?」
お父さんの入院している病院に出向いた私が目にしたものは……誰かの誕生日パーティーかと思うくらいに飾られた部屋。今日家庭訪問だよね!?もしかして……
「お父さんも聞きたいから病院にしてもらいました」
エリカ「あ……そうなんだ……?」
定番の輪っかやウェルカム!と書かれた壁と手にはクラッカー……いや、クラッカーは没収しよう。あとで私が怒られる!
「エリカちゃんおかえり~」
『パァァン』
エリカ「って私かい!」
トントンと音が鳴り、そのまま振り向くと何やってんだと呆れた顔の相澤先生が立っていた。それ、私が聞きたい。
相澤「初めまして。担任の相澤消太と申します」
「存じております。イレイザーヘッド」
相澤「ありがとうございます。お知らせがいってるとは思いますが、寮生活についての説明と了承を頂きたく参りました」
私はこの時、2人の気持ちが全くわかっていなかったのだ。まさか、お母さんの口からそんな言葉が出るなんて……
「正直な所、雄英に預けるのには不安があります」
エリカ「え……お母さん?」
てっきり二つ返事だと思った、今だって一人暮らしなのだ。だから……
「娘が入学してから、ヴィランの襲撃が二回ありました。そして今回は入院するほどの怪我を負いました」
エリカ「それは私が勝手に…!」
お母さんの目を見るといつもの優しい顔つきではなく、真剣な表情だ……。
「入院やテレビのニュースになった時は気が気でありませんでした。私も、夫も」
私はとても心配をかけているんだ。
今回の事だけじゃなくて、雄英に行った時からずっとずっと……
エリカ「…………」
お母さんにそう思わせた自分が不甲斐ない。
ヒーローになる前に、家族すら安心させないでどうするんだろうと情けなくなった。
エリカ「お母さん、ごめんね。でも……」
「でも、娘はそんなことがあったからといって、なりたいものは変わっていないようです。帰ってきて、まだそんなに経っていないですが、学校が好きな事、友達が好きな事、夢が大切な事が伝わってきました。」
エリカ「お……?」
「それに、たぶん私達が反対したところできっと聞かないでしょう。」
お母さんは笑っているけど、少し寂しそうな表情をしたのは気のせい……じゃないよね?
「これは勝手なお願いかもしれません。でも、私達は……もう娘を守ることはできない。娘には、自分で強くなってもらわないといけない……だから」
エリカ「…っ…」
真っ赤に目を腫らしたお母さんをみて、胸が締め付けられる。こんな姿を初めてみた……
「だから、娘の事、宜しくお願い致します。親としての勝手なお願いで申し訳ございません」
最後の方の文字は聞こえなかった。お父さん、お母さん……私、立派なヒーローになるから。
そんな顔をさせないヒーローになるから……!!!
相澤「……俺も見てました。とても胸を痛めました。お父さんはエリカさんと同じ"瞬間移動"ですよね」
「はい。夫はそんなに遠くへと飛べなかったんですが……。私も2人と個性と似てるんですよ」
相澤「……と言いますと?」
「人を移動させるんです。例えば車イスからベッドに……。あまり重たい物を持つと眠たくなるんですが」
エリカ「そこだけ似ちゃったんだよね~」
「エリカちゃんの頑張りは凄いわね!鼻が高いわ~」
エリカ「少し黙って!クラッカー鳴らすで?」
相澤「(人を移動させる個性……)」
エリカ「先生……?」
相澤「いや、何でもない。」
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エリカ「今日はわざわざありがとうございました。先生に会えるの、楽しみにしているようでした。父はヒーローオタクだから……」
相澤「良い、両親だな」
エリカ「はい!ではまた学校で」
相澤「小桜」
エリカ「?」
相澤「人を……飛ばした事はあるか?」
人を……?とば……飛ばす!?
エリカ「え!ないです。飛ばそうと思った事も」
「……そうか。変な事を聞いたな」
エリカ「…………」
人を飛ばす……!!!
エリカ「お母さん!!!」
「ど、どうしたの慌てて……病院よ?」
クラッカー鳴らそうとした人がよく言う
エリカ「あのっ、人を飛ばすってどうやってやるの!?」
「ええっ…どうって……」
「風花ー?携帯とにらめっこしてどうしたん?」
風花「エリカがこっちに帰ってきとるはずなんやけどなぁ……」
「えぇっ、エリカちゃん?」
「会いたーい」
「ねえー!」
風花「(既読もつかん……。)」
エリカ「ハァハァ……っ、なんっで動かん……」
「うーん、これはお母さんの個性だし、エリカちゃんが必ずしも持ち合わせてるわけじゃ……」
エリカ「……あ」
「え……???」
「もう帰るの?」
キャリーバッグをコロコロと。
中身は3分の2はそのままに嬉しそうに玄関を後にするエリカ。
エリカ「うんっ!寮の準備もしないといけないし、宿題も」
「エリカちゃんなら……何でも出来るわ」
エリカ「ありがとう」
笑顔で手を振るエリカを見送ると……
「おばさん!」
「あ、風花ちゃん」
「エリカは?」
「いっちゃったわ。たった今」
風花「……そっか。元気だった?」
「ええ。とっても」
風花「……そっか!ウチも頑張ろ」
エリカ「あ、着信……」
駅に着くと小刻みに震えるそれを手にする。相手を確認して口元が緩んだ。
エリカ「かっちゃん」
『ニヤついてんな』
エリカ「ふふっ。だって職場体験以来でしょ?かっちゃんから電話なんて」
『いつ……帰ってくんだよ』
エリカ「今帰ってるよ」
『…………』
エリカ「あれ?連絡しなかったの怒ってる?今日の夜に着くよ!」
『別に怒ってねぇわ。あの後家に帰れたんか?』
エリカ「退院した後?轟くん家の下まで送ってくれたよ」
『ならいいわ』
エリカ「ふふっ、ね、もう荷造り終わった?」
『まだ』
エリカ「だよねー!私も。あー、かっちゃんに会いたいな」
『……会いたきゃ家に来い』
エリカ「うん!あっ、電車来たから切るね」
電話を切ると途端に携帯が鳴った。それは中学までのクラスメイトや親友の風花、耳郎からは訪問大丈夫だったかの確認の連絡だ。
エリカ「携帯切ってたもんなぁ……。帰りの電車は退屈しなさそう」
光己「エリカちゃん!!よく来たわっ!さぁ上がって」
爆豪家にやってきたエリカは玄関で光己に熱烈な歓迎を受けていた。
エリカ「光己さん、ご心配おかけしまし……っ」
むぎゅーと音を立てて抱きしめられる。
爆豪「ババア、潰れんぞそいつ」
光己「あ、ごめんねエリカちゃん!今からあたし買い物なんだ。ご飯食べてってね」
エリカ「わぁ!嬉しい!ありがとうございます!」
爆豪「荷物は?」
テーブルにエリカ好みの甘い紅茶が置かれた。
エリカ「紅茶ありがとう。荷物はまだかかるかも……家具が……かっちゃんは?」
爆豪「ほとんどなんもねェな」
美味しいなぁと思わず笑みがこぼれる。恐らく勝己はブラックコーヒーを飲んでいるのだろう。わざわざ違うものを入れるのも慣れた手付きだ。
エリカ「寂しくなるね」
爆豪「寂しいか?」
エリカ「光己さんがね」
ほら、アルバムに小さいかっちゃんが!ずっとここで育ってきたもんねと勝己を見る。
エリカ「あ、この写真!いっちゃんのお家にもあった!」
爆豪「デク?」
エリカ「うん!この前お邪魔して……あ!この写真、私持って来てる」
爆豪「行ったんかデクん家」
エリカ「うん、写真見せてもらったんだけど……」
爆豪「おい」
エリカ「?」
爆豪「おめェは俺の……」
「ただいまー」
エリカ「あっ、おかえなさい」
嬉しそうに帰ってきた勝に振り向いた。
勝「エリカちゃん、久しぶりだね。怪我はもう大丈夫かな?」
爆豪「空気読めやクソ親父!!!」
勝「な、何か取り込み中だったかな……?」
光己「あれ、今日早かったね」
その後ろから買い物袋をぶら下げた光己が帰ってきた。
光己「エリカちゃん来るって聞いたから……あたしも買い物張り切っちゃった!」
爆豪「クソ親子がー!!」
エリカ「(俺の……何?)」
1人気になるエリカだった。
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麗日「この部屋ともお別れかぁー……ん?」
「かっちゃんバラすの早いね!手際が良すぎる……」
「よゆーだわ!」
「ふふっ、かっちゃんがいてよかった」
「〜っ、」
麗日「…………」
エリカ「あ、そう言えば言いかけてた話なんだけど……」
麗日「うちも手伝うー!!!」
エリカ「わっお茶子!?」
爆豪「……(そういや隣だったな)」
麗日「……あれ、昨日見た時めっちゃ家具残ってたのに、もう何もないやん」
エリカ「うん。かっちゃんが全部…………お茶子?顔怖いよ?」
麗日「ばくごーくん、いつからおったん?」
爆豪「…………」
エリカ「昨日の夜だよ?」
麗日「とっ泊!!?エリカ!ちょっと来て」
エリカ「ええ…?んっ、なんで服引っ張……」
麗日「(この首の赤い跡……)爆豪くん!アンタ!!!」
爆豪「ハッ、一足遅かったな」
麗日「大気圏外…!!」
爆豪「あン時みてぇになってもしらねぇぞ?」
エリカ「え?え?ここ6畳のお部屋ぁぁああ!!!」
To be continued......
2019.03.29
2024.09.10