林間合宿編
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37.平和の象徴
死柄木「不思議なもんだよなぁ…何故奴らが責められてる!?奴らは少ーし対応がズレてただけだ!守るのが仕事だから?誰にだってミスの一つや二つある!『おまえらは完璧でいろ』って!?現代ヒーローってのは堅っ苦しいなァ爆豪くんよ!」
爆豪「…………」
ここが奴らのアジト……
バーの一角か?外は……場所はどこだ?
スピナー「守るという行為に対価が発生した時点でヒーローはヒーローでなくなった。これがステインのご教示!!」
死柄木「人の命を金や自己顕示に変換する異様。それをルールでギチギチと守る社会。敗北者を励ますどころか責めたてる国民。俺たちの戦いは『問い』ヒーローとは正義とは何か。この社会が本当に正しいのか一人一人に考えてもらう!俺たちは勝つつもりだ。君も勝つのは好きだろ」
爆豪「…………」
死柄木「荼毘、拘束外せ」
荼毘「は?暴れるぞこいつ」
死柄木「いいんだよ対等に扱わなきゃなスカウトだもの。それに、この状況で暴れて勝てるかどうかわからないような男じゃないだろ?雄英生」
荼毘「トゥワイス外せ」
トゥワイス「はァ俺!?嫌だし」
Mr.コンプレス「強引な手段だったのは謝るよ…けどな、我々は悪事と呼ばれる行為にいそしむ、ただの暴徒じゃねぇのをわかってくれ。君を攫ったのは偶々じゃねえ」
コイツが俺を攫った野郎か
死柄木「ここにいる者事情は違えど人に、ルールに、ヒーローに縛られ…苦しんだ。君ならそれをーー…」
『BOOM』
爆豪「黙って聞いてりゃダラッダラよォ…!馬鹿は要約出来ねーから話が長ぇ!」
トゥワイス「死柄木…!」
爆豪「要は『嫌がらせしてえから仲間になって下さい』だろ!?無駄だよ
俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた。誰が何言ってこようが、そこァもう曲がらねえ」
『体育祭優勝。ヘドロ事件では強力な敵に単身抵抗を続け、経歴こそタフなヒーロー性を感じさせますが反面、決勝で見せた粗暴さや表彰式に至るまでの態度など、精神面の不安定さも散見されています。もしそこに目をつけた上での拉致だとしたら?悪の道に染まってしまったら?未来があると言い切れる根拠をお聞かせ下さい』
エリカ「ふんぬー!!!この人達かっちゃんの事全然わかってなぁぁあい!!!」
確かにかっちゃんは口悪いし、態度も悪く露骨だけど……誰よりも勝つことに拘り、ヒーローに憧れてそれを目指している。全部、側で見てきたのだ。だから……!!
耳郎「ちょ、拳はやめて!?」
葉隠「病院壊れちゃうよー!」
エリカ「かっちゃんは……」
『行動については私の不徳の致すところです』
頭を下げた相澤先生は言葉を続ける。
『ただ…体育祭でのソレらは、彼の”理想の強さ”に起因しています。誰よりも”トップヒーロー”を追い求め…もがいている。あれを見て”隙”と捉えたのなら、ヴィランは浅はかであると私は考えております』
エリカ「……」
葉隠「あ、拳引っ込んだ」
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『根拠になっておりませんが?』
『ーーー我々も拱いてるワケではありません。現在警察と共に調査を進めております。
我が校の生徒は必ず取り戻します』
爆豪「ハッ、言ってくれるな雄英も先生も…
そういうこったクソカス連合!」
あんだけ大掛かりな襲撃カチ込んで成果、俺一人
言質も取れてる!こいつらにとって俺ァ『利用価値のある重要人物』
俺の『心』にとり入ろうとする以上、本気で殺しに来るこたねえ
爆豪「(相手は7人か…)」
こいつらの方針が変わんねーうちに
2~3人ブッ殺して脱出したる!
爆豪「言っとくが俺ァまだ戦闘許可解けてねえぞ」
マグネ「自分の立場…よくわかってるわね…!小賢しい子」
トガ「刺しましょう!」
荼毘「いや…馬鹿だろ」
Mr.コンプレス「その気がねえなら懐柔されたフリでもしときゃいいものを…やっちまったな」
爆豪「したくねーモンは嘘でもしねんだよ俺ァ。こんな辛気くせーとこ長居する気もねえ」
泣き虫の腕、火傷みてぇになってた。目の前にいるツギハギと接触した……?
死柄木「……("手"を…!)」
黒霧「いけません死柄木弔!落ち着いて…」
「かっちゃん」
死柄木「手を出すなよ……おまえら
こいつは……大切なコマだ」
「かっちゃんはきっと、ナンバーワンヒーローになるよ。だから……」
死柄木「出来れば少し耳を傾けて欲しかったな…君とは分かり合えると思ってた…」
あの時の言葉が、この俺を強くしてるなんてな…!
爆豪「ねぇわ」
死柄木「仕方がない。ヒーロー達も調査を進めていると言っていた…悠長に説得してられない。先生、力を貸せ」
『……良い判断だよ死柄木弔』
爆豪「先生ぇ…?てめェがボスじゃねえのかよ…!白けんな」
死柄木「黒霧、コンプレス、また眠らしてしまっておけ。ここまで人の話を聞かねーとは…逆に感心するぜ」
爆豪「聞いて欲しけりゃ土下座して死ね!」
最大火力でブッ飛ばしてえが…ワープ野郎が邪魔すぎる…考えろ…!どうにか隙作って後ろのドアから…
『Knock Knock』
「「…………」」
爆豪「…………」
「どーもォピザーラ神野店ですー」
「「「…………」」」
「SMASSH!!」
エリカ「先生が……」
耳郎「……うん」
先生が取り戻す、と言ったのだ。
かっちゃんを……取り戻すって。
エリカ「先生!私待ってるから!!かっちゃん!!待ってるから!!」
葉隠「エリカちゃん、ここ病院……」
エリカ「あ!そうだ!他の人達は大丈夫かな!?いっちゃんとか凄い怪我だったし……」
葉隠「聞いてないね!?」
耳郎「2人ならこの病院に……」
エリカ「見てくる!!」
きっと、いっちゃんも凄く悔しい思いをした筈。だって私たち、幼馴染…………
エリカ「あれ、いない……?」
『タタタタタ……』
エリカ「モモ!……あれ」
2人とも、いない……??どうして…………??
静かな部屋にさっき送った返事達がピロピロとポケットの中で鳴り響く。
エリカ「検査、かな……。もう23時過ぎだけど」
腑に落ちないまま、響香とはーちゃんの部屋に戻った。
耳郎「エリカ、どうしたの?浮かない顔して」
エリカ「あ、あのねーー……」
『悪夢のような光景!突如として神野区が半壊滅状態となってしまいました!』
エリカ「え……」
テレビに映っていたのは、レポーターの言う通り……ビルは崩れ、煙が上がる一帯の映像。そしてヘリコプターの音。なんなの、これ……
耳郎「またヴィラン?」
葉隠「怖いね……」
ヘリコプターに乗りながら実況しているレポーターの声を聞いて驚いた。
『現在オールマイト氏が元凶と思われるヴィランと交戦中です!』
エリカ「オールマイトが??」
画面小さく見えるオールマイトと、見たことない黒い男。手まみれ男とはまた違う??
何だかオールマイトと聞いて、2人の顔が思い浮かんで離れない。
かっちゃん??もしかしていっちゃんも……??
いや、まさか……
いやいやいやいや
『信じられません!ヴィランはたった一人!街を壊し!平和の象徴と互角以上に渡り合ってー…』
エリカ「……まさかね?」
画面から目を離せないでいた。そして確信に変わっていく
エリカ「かっちゃん……」
きっとそうなんだ
オールマイトが戦ってるのは……きっとそうなんだ!
エリカ「かっちゃんは戻ってくる……よね!?先生が……戦ってるもの…」
ぎゅっ、と響香の手を握る。
すると、黒い男がオールマイトを攻撃して一瞬目を瞑った。1人で神野区を……甚大な街への被害を、たった一人が一瞬にしてやった男だ。怖い。でも、この戦いの行く末は目に焼き付けないと……と目を開くと、痩せこけ、血だらけに、ボロボロになっているオールマイトの姿。今まで見たこともない姿に、思わず口を開けて画面を見る。
『えっと…何が…え…?皆さん見えますでしょうか?オールマイトが…しぼんでしまってます…』
葉隠「オールマイト!?」
耳郎「やばくない!?」
病院内にもザワザワといろんな所から声が聞こえてきて、騒がないでと注意する人もいない。
「あんたが勝てなきゃあんなの誰が勝てんだよ…」
「そんな嫌だ……オールマイト…!」
「姿は変わってもオールマイトはオールマイトでしょ!?」
「オールマイト!頑張れ」
「頑張れえええ!!」
葉隠「先生ぇ!!」
耳郎「負けんな!!」
ボロボロの姿になってしまっても、巨悪に立ち向かい、戦っている。これが、あの2人の憧れとするナンバーワンヒーロー……
エリカ「勝って!!オールマイト!!」
『敵はーー…動かず!!勝利!!オールマイト!!勝利の!!スタンディングです!!!』
よろけながらも、拳を突き上げるようにして立っていたのは、オールマイトだった。その瞬間、病院内に歓声が響き渡る。
葉隠「先生、すごいよ……」
耳郎「うん!凄かった……」
『次は、』
オールマイトはテレビカメラに向かって指を指し、言ったのだ。
『君だ』
エリカ「…………」
耳郎「……エリカ?」
誰に贈った言葉なんだろう…
To be continued......
2019.03.09