林間合宿編
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相澤「……とまあそんなことがあって敵の動きを警戒し、例年使わせて頂いてる合宿先を急遽キャンセル。行き先は当日まで明かさない運びとなった」
27.秘密の特訓
いっちゃんが敵の死柄木に遭遇して、ショッピングモールは一時閉鎖。その後、区内のヒーローと警察が緊急操作にあたるも結局見つからなかった。
爆豪「てめェ骨折してでも殺しとけよ」
エリカ「…………」
はーちゃんの反撃を聞きながら、私はただただかっちゃんが遭遇しなくて良かったと思っていた。
そしてあっという間に昼休み。
相澤先生と一緒にいるのは……
エリカ「心操くん……?」
心操「あ……」
一例をして去る心操くん。
エリカ「(なんか、逞しくなった…?)」
耳郎「エリカー、ご飯行こ?」
八百万「行きましょう」
エリカ「うん…!響香、モモっ」
2人の腕をかっさらい歩いていく。ご飯を食べながら、響香とモモの演習試験について聞いた。
相澤先生も中々手強かったみたいで、自信のなかったモモが吹っ切れたと聞いて良かったと思うと同時に申し訳無さがこみ上げる。
エリカ「ごめんね。何か悩んでるんだろうなと思ってたんだけど、力になれなかったね。」
八百万「そんなことはありませんわ!私がただ力不足と嘆いていただけで…」
エリカ「モモは凄いよ!めっちゃ頭良いし、優しいし私に無いものいっぱい持ってるよ」
八百万「ありがとうございます。私、エリカさんが羨ましかったのです。対等に戦うエリカさんが。だから、一緒に頑張りましょう」
エリカ「うん!ありがとう」
耳郎「ウチも頑張る!ま、もうすぐ夏休みだけど」
エリカ「だね!夏休み遊ぼうねっ!」
八百万「ぜひ!」
耳郎「モチ。ヤオモモには宿題も教えて欲しいし!……あ、エリカ、ヤオモモの家凄いんだよ」
エリカ「えー!聞きたい!」
八百万「?何かおかしいところが?」
わちゃわちゃと話していたらあっという間に昼休みも終わって。私は授業が終わって真っ先に教室を飛び出したのだった。
爆豪「なんだアイツ……」
麗日「デクくん、一緒に帰……」
緑谷「麗日さん?」
「君、彼の事すきなの?」
麗日「ち、違ッ!違うもーん!!」
緑谷「ええ!?先帰っちゃった!」
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エリカ「心操くーーん!」
授業終わり、私は急いで教室を出て向かった先は……1年C組!そう、普通科!
教室を除けばギョッとした面持ちでこっちを見る心操くんと目があった。めげずに手を来い来いすると足取り重そうにこっちに来る彼にオイッとツッコミを入れたかったけどやめた。
心操「……何?」
エリカ「今日見かけたから話したいなぁと思って。ダメかな?」
心操「ダメじゃないけど……」
エリカ「……?」
心操「(視線が痛い)」
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エリカ「特訓……?だから体格良くなってるんだ!何か違うと思ってた!」
心操「ヒーロー目指してるし、このままじゃと思って」
エリカ「そっかー。でも1人って大変そう……。あ、私で良かったら一緒に特訓しない?お昼と放課後!私も体術鍛えたいし……」
心操「え?いいの…?」
エリカ「もちろん!!そういうことなら、その日のヒーロー基礎学でやった事とかも伝えれるし……あ、私あんまり頭良くないけど」
心操「っ、何それ」
エリカ「笑わないでよ!今のは地雷なんだからー!」
心操「じゃあ頼むわ。勉強の方なら俺が少しは教えられるはずだから」
エリカ「え!心操くん頭良いんだ!」
心操「アンタよりは」
エリカ「なにそれー!普通科の心操くんがどうして私の成績知ってるんだ……はっ、プレゼント・マイク先生のせいだー!もー!」
心操「ははっ」
耳郎「え?特訓?」
エリカ「うん!行ってきます!」
昼ごはんを急いで平らげて、心操くんの待つ中庭へと急いだ。おまたせと言えば、いや…と視線を泳がせて地面をみている彼にふふっと笑みを落として準備運動を始めた。
心操「制服でやるのか?」
エリカ「ちゃんと下履いてますー」
女だからって手加減しなくていいからねと笑うエリカに体育祭みてたんだからそれはない、と真剣な表情になる。
エリカ「では、行きます!!」
上鳴「特訓!?普通科の奴と?」
耳郎「うん。なんか強くなりたいんだって」
上鳴「小桜って真面目なとこあるよなー。なっ、爆豪」
爆豪に話を振るも、あっこれダメなやつかもしれないと耳郎に視線を戻した。
切島「ははっ、小桜ってやっぱ考えるより行動派だな!俺そういうとこ好き」
爆豪「自分が怖いモン倒そうとしてんだ。根性だけは認める」
切島「俺も頑張る!」
そこへ緑谷達が食堂から戻ってきて、こちらもエリカの話で盛り上がっていた。
飯田「小桜くんは凄いな!お昼も特訓とは…見習わなければ!しかし、なぜ心操くんなんだ?仲が良かったのか?」
緑谷「エリカさん、入試の時の会場が一緒だったって言って…………(うわっ、かっちゃんがすごい見てる…!)」
緑谷は視線に耐えきれずにフェイドアウト。しかし声は拾われたようであの目で睨まれているのはわかった。
上鳴「心操って……洗脳する奴だよな。小桜、洗脳されてる?」
峰田「洗脳してえ!!言う事聞いてもらいてえ!!」
轟「洗脳されてるようには見えなかったけどな。……お、おかえり」
エリカ「ただいま!あれ?みんなチャイム鳴るよ?」
峰田「小桜ー!あんなやつ相手に選ぶのやめとけよ!何されるかわかんねぇぞ?」
上鳴「脅されたのか?大丈夫かよ」
エリカ「心操くんは…」
緑谷「心操くんはそんな人じゃないよ!」
言おうとした事が背後から聞こえて、振り返るといっちゃんだった。そっか。戦ったからわかるんだね。私も、隣に座ったから……わかる。
峰田「なっ、ならいいけどよー」
エリカ「心配してくれてありがとう」
峰田「天使!」
それなら大丈夫そうだと解散していく。
爆豪「勝手にしろや」
そう言い残して去っていくかっちゃんの後ろ姿を見ていたら昼休みが終わった。
エリカ「心操くん、ほんと体格良くなったよね!私も鍛えようかなぁ」
心操「全然まだまだだよ。小桜さんは凄い怪力持ってるし、十分だと思うけど」
エリカ「私ははじめの一歩がなかなか踏み出せないから……。瞬間移動使いすぎると眠っちゃうし、使えない場面も想定してってところが心操くんと似てるかな?」
心操「そうだね。俺もネタバレしてたら使えない時もあるだろうし、緑谷に負けてから鍛えたいと思ってた」
エリカ「私も……いつも守ってもらってばっかりだから、早く強くならないと。あ、ごめんね?あんまり話したことないのにこんな事話して」
心操「いいよ。じゃあその人の為に強くなりたいのかな?」
エリカ「自分の為ってのもあるけど、そう、なのかな」
心操「そっか。俺、小桜さんだったらすぐに洗脳できそう」
エリカ「あはは!言えてる」
うん、私なんてきっと瞬殺にされるんだろうな。頭脳派ヴィランとかいたら……ああ考えたくない
心操「一つ聞いていい?」
エリカ「うん!」
心操「どうして俺の特訓に付き合ってくれるんだ?」
エリカ「誰かの……役に立ちたかったのかも」
当たり前に守ってくれる人たちがいる。
それはとても心地よくって有り難くって。
だから私も誰かの役に立ちたい!
ヒーローになりたい、なれるんだって証明したい
エリカ「自分本意な理由でごめんね」
心操「そんな事ない。俺は助かったからおあいこだ」
いつもは照れて下を向いていた心操くんが、真っ直ぐこっちをみている事が嬉しい。
エリカ「おあいこ……ふふっ、ありがとう。私もとても刺激をもらって有意義だったよ」
また後期に会おうねと心操くんとバイバイして角を曲がれば、眉間にシワを寄せまくってるかっちゃんがいてギョッとした。
エリカ「かっちゃ……」
『BOOM』
突然の爆破に思わず目を瞑る。
煙が晴れるとかっちゃんの腕が顔の横にあって……逃げ場がない。いや、個性を使えば逃げられるんだけど無闇矢鱈に個性を使うなとまた相澤先生に怒られてしまう。
エリカ「壁ドン…いや、壁BOOM……」
壁が爆破されている。
爆豪「オメーはなんなんだ……!他の男にヘラヘラヘラヘラ」
エリカ「……?」
ピキピキとまたシワが増えていく。シワを伸ばそうと手を伸ばすと、右手を取られて壁に押さえつけられた。最近ずっと眉間に皺がよっていたのは知ってたけど……こんな余裕がないかっちゃんは初めてで……
エリカ「…っ、痛」
思考がまとまらないまま、首に痛みが走る。それをギュッと目を瞑って痛みが引くのをやり過ごしていると、かっちゃんの体が離れていくのがわかった。ゆっくり目を開けると、かっちゃんはとても悲しい目をしていた。何か悲しむような事をしてしまったのか、そう思った時には彼はいなくなっていて……教室に戻れば切島くんに担ぎ出され、保健室に運ばれて首元に絆創膏を貼ってくれた。
エリカ「ありがとう、切島くん。私、何かかっちゃんの気に触ることしたみたいで……」
切島「…………」
エリカ「ガブってされても仕方ないよね」
こうして何だか気まずいまま前期が終わって、初めての夏休みを迎えた。
To be continued......
2019.01.20