職場体験編
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エリカ「むむむ……」
24.期末テスト
エリカ「…………」
テストが近くて、苦手な数学の教科書を開いてみたものの……うん、わからないよね!しかも初めっからわからなくて、私今まで何してたん数学の授業!って思い返したら、何もしてないという結論に達した。心なしかきーちゃんも呆れてるように見える。今日は土曜日だから先生にも聞けないし……かっちゃん、どうしてるかなぁと無意識に携帯を手に持つ。
エリカ「えいっ」
コール2回目で声が聞こえた。
『なんだよ』
エリカ「あのね、数学表紙の次からわからないんだけど、教えてほしいかな、なんて……ダメかな?」
あ、きっと今呆れてる。
『アホ髪とファミレスいるからお前も来い』
エリカ「えっ?行っていいの?」
切島くんと仲良いなー!男の友情邪魔しちゃ悪いなと思いながらも速攻で準備して向かった
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爆豪「表紙の次って何だよ……」
切島「ん?小桜来るのか?」
爆豪「……(なんで泣き虫ってわかんだ)」
切島「爆豪、声穏やかになるよなー。小桜の前だと」
爆豪「はぁ!?んなわけねぇだろ!さっさと解けや次の問題!!」
切島「ははは、悪かったって!まぁでも昨日もいい感じだったみてーじゃん」
爆豪「いい感じじゃねえわ。耳がケシかけたんだろ。ったく余計な事を……」
切島「写真見た感じ満更でもなかったろ?羨ましいぜ!」
爆豪「あのアホ顔見せびらかしとるんか…!!」
エリカ「……店員さんひいてるよ?」
切島「うおっ!?スゲー可愛い子いると思ったら小桜だった!」
エリカ「えー、そんなに褒められてもあんまりお金ないから奢らないよー?」
切島「いやいやほんとだって!その赤のワンピース超似合ってる!なぁ爆豪!」
爆豪「……泣き虫、奥座れ」
エリカ「?ありがとう!」
こうして私はかっちゃんの奥の席に座った。
「あの子可愛いよな!」
「赤いワンピースの子?」
「そう!確か雄英の生徒の…」
「アイリスちゃん!」
爆豪「…………」
「わっ!爆豪くん……ごめんね」
ドリンクを入れにきたら泣き虫の話が聞こえてきて、反射的に睨んでいた。
あいつの名前を聞くと意識がそっちに逸れるし、声が聞こえると何話してんだなんて考えたくもねえ!!
今も切島と楽しそうに話して……
爆豪「(俺をどうしたいんだこの生き物はよぉ…!!)」
エリカ「かっちゃんブラックなんてよく飲めるよね」
爆豪「問題解けたんか?」
エリカ「あ、、まだ」
爆豪「話とらんと問題解けや!」
頬を膨らませる泣き虫の隣にどかっと座ると、切島が何か言いたそうにこっちをみていやがる。
切島「お前の話しかしてねぇって」
爆豪「~っ、テメーもはよ解けや!」
カリカリとシャーペンの音が聞こえる。
エリカ「かっちゃん、ここ教えてくれる?」
爆豪「ここはこの公式を使うんだよ。」
エリカ「あっ、こっちか!ありがと」
爆豪「…………」
幼馴染つっても小さい頃に別れたっきりだ。変わった、なんて言えるほどこいつを知ってるわけじゃねぇが……
切島「そういや、小桜ってひとり暮らしだよな?大変じゃね?」
エリカ「うーん、大変というか……掃除とかは好きなんだけど、料理が苦手で……」
切島「意外な一面!スゲー得意そうなのに!」
こういう知らない所もたくさんある。
爆豪「だから痩せたんか」
エリカ「えっ!」
爆豪「職場体験で少しふっくらしたかと思えばすぐ痩せやがって」
切島「おまっ、そんなとこまでみてるんか……!」
爆豪「ちゃんと食ってんのか?」
エリカ「…そんなに痩せたかなぁ」
返事になってねえ
爆豪「切島、メニュー取れ」
エリカ「か、かっちゃん…」
爆豪「いいからなんか食え」
エリカ「待って!そんなに食べれないかも。それに……」
かっちゃんが店員さんを呼んでハンバーグを頼んでいて……私今お金いくらあったっけ!?たぶん千円もないよね!?
爆豪「いいから食え。どうせロクなモン食ってねぇんだろ」
学食は安いからお昼にいっぱい食べて夜はあまり食べないようにしてたんだけど、今月はちょっとピンチで……
エリカ「私、今あんまりお金が……」
爆豪「いい、つってもどーせ気にするんだろ。出世払いで返せ」
エリカ「っ、かっちゃん……」
そこまでわかってくれてたんだ……
切島「爆豪、カッケーぜ!漢らしい!」
爆豪「うるせえ」
私はとっさに黒いシャツを掴んだ。
すると真っ赤な瞳と目が合う。
エリカ「ありがとう。私、絶対返すからね」
爆豪「オメーはホントに……」
エリカ「え?なに……?」
小さな声で何でもねえと呟いたかっちゃんはすでに前を見ていて、私も差し出されたハンバーグにフォークをさした。
切島「そういや、小桜の父さんと母さんは関西?何してんの?」
エリカ「あー……うん。関西にいるんだけど、お父さんはずっと入院してて」
切島「入院……」
エリカ「うん。私のお父さんはヒーローしてたんだけど、ヴィランにやられちゃって……。あ、でも心は元気だよ!穏やかな顔してるし!」
お母さんが入院費とか頑張って稼いでるから、あまりそういうお願いは出来なくて……
エリカ「恥ずかしながら、学費はおばあちゃんに出してもらってるの。だから恥ずかしくないヒーローになりたくって」
目の前の切島くんの目がうるうるしてるのをみて、どうしようと慌てているとガタッと勢いよく立ち上がった。
切島「小桜……頑張ろうな!!俺スゲー応援する!!!」
エリカ「えへへへ、ありがとう。」
かっちゃん、良い友達ができてホントに良かった……。
爆豪「座れ」
切島「つい、な。よし!勉強も頑張ろうぜ!」
エリカ「うんっ!かっちゃん、ほんとにありがとう」
爆豪「泣き虫のくせに遠慮なんてすんじゃねぇ」
エリカ「えへへ、ありがとう」
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相澤「では後ろから答案用紙を集めろ」
3日間の筆記試験が終わり一息つくと、前の席の切島くんがくるりと振り返った。
切島「できた?」
エリカ「な、なんとか……かっちゃんに感謝」
切島「だなー!」
ファミレス以降も解らないところは聞きに来いと面倒をみてくれた。かっちゃんの教え方はわかりやすく、苦手な数学も6割以上は解けたのだ。
今度お礼したいなぁ……
いらないって言われそうだけど、いつも助けてもらってばかりだからお礼がしたい!そういえば、かっちゃんファミレスで私の話聞いてどう思ったんだろう。また話せたらいいな……
エリカ「(……モモ?)」
何だか浮かない顔してる……
そういえば、演習試験はからっきしだって落ち込んでたような……
「おい」
エリカ「(不安、なのかな)」
爆豪「おい、テストできたんか?」
エリカ「あ、かっちゃん。ありがとう!おかげさまで大丈夫そうだよ。演出試験も頑張るね!」
そう言うと返事もなしに帰って行った。
かっちゃんは言わずもがな出来たんだろうな……
ほんとに卒なくこなすんだもんなぁ。きっと中学の時もこんな感じだったんだろう。
エリカ「(やっぱり同じ学校に行きたかっ……)」
轟「爆豪と勉強してたのか」
エリカ「そうなの!かっちゃん言葉はあれだけど教え方上手で……」
轟くんは『授業聞いてりゃ赤点はねぇだろ』って言ってたし……教えてなんて言いづらかったよなぁなんて本人には言えない、、
轟「俺も英語なら教えられる」
エリカ「ありがとう!英語わからなくなったら轟くんに聞こうかな」
轟「おう」
……あ、何だか嬉しそう。そういやみんな誰が人徳がどうとか競ってたもんなぁ。轟くんも聞いてたんだ。
轟「小桜、一緒に帰らねぇか?」
エリカ「え……?」
エリカ「轟くんのお家こっちなの?」
轟「あぁ」
エリカ「あ、違うよ探ろうとしてるわけじゃなくって!」
どうにもこうにも私はエンデヴァーのファンであり、轟くんの家を知るって事はそこはエンデヴァーのお家で……決してそんな怪しい者ではなく!
轟「?小桜は……」
エリカ「私もこっちなんだけど、スーパー寄らなきゃ」
確か冷蔵庫に何もなかったはずで……
轟「自分で作んのか?」
エリカ「あれ、言ってなかったっけ?私1人で暮らしてるって」
わぁ、珍しく轟くんがキョトンとしている
轟「聞いてねぇ」
エリカ「そうだっけ?」
轟「親は?」
エリカ「入院してるよ」
轟「入院!?」
エリカ「あれ、これも言ってなかった……?」
なんかもう申し訳ないくらい絶望している轟くんにかける言葉が見当たらない。
轟「なんか悪ぃ、頭クラクラしてきた」
エリカ「え、あ、公園で少し休む?」
今日予定なかったから時間に余裕はあるけど、具合悪くなっちゃったのかな?どうしよう……
轟「俺も母さんは入院してるが、小桜は1人で……」
エリカ「轟くん?」
ぶつぶつと珍しく考え込んでしまった。
轟「俺んち来るか?姉さんも女の子が増えて喜ぶだろうし、親父も気に入って……」
エリカ「何言ってるの轟くん!?」
さてはテストで勉強しすぎちゃったかな!?
捨て犬拾ってくるみたいに軽いノリだ
エリカ「他にも1人暮らしの子もいるし、私も強くならないといけないので大丈夫だよ」
轟「…………」
逆に子犬みたいな寂しそうな顔で見られたけれど、甘えるわけにはいかないのだ。
エリカ「ありがとう。気持ちだけもらっておくね」
轟「寂しくなったら連絡の相手くらいできる」
エリカ「うんっ、ありがとう」
To be continued......
2019.01.08
2024.05.21